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日曜日、朝ごはんにたどりつく前に
無意識に手の力が抜けたのか。
私の手の中にいた卵がひとつ、するりと床に落ちていった。
ぐしゃり、と割れてキッチンマットへと染み込んでいく。
すぐに動けず、あーあ、と間抜けな声を出し見つめる。
ティッシュを手にとり、つかみあげようとするけれど、ドロリとした白身と崩れてしまった黄身。半液体ともいえる物体ををつかまえることは至難の技で、だからといって布巾を押し付けて染み込むようなものでもなく。
キッチンペーパーで掬い上げるように拭き取り、その後洗剤を付けて拭いていく。
けっこう大変な仕事を増やしてしまったな、と地道な作業を続けた。
地べたに膝をつき床ばかり見ていると、気持ちが暗く凹んでいく。
ふと気づく。
ああ、キッチンマット洗えってことなのか。
もしくは買いかえ時か。今は買えないから洗おう。そう気付いてお風呂場へ持っていく。(洗濯機には入らない)
シャワーをジャバジャバかけていると、気持ちが晴れていく。同じ「キレイにする」という作業でも、姿勢のせいなのか、行動の大きさのせいなのか、こんなに気持ちの有りようって変化するのだなあ。
ベランダへキッチンマットを干して完了するころには楽しくなっている。
青空でよかった。
そして休日でよかった。
さて、
いつまで待たせるんだい?とお腹が訴えている。
今度は卵を床へ落とさずに、フライパンへ落として朝食としよう。