せわしさもよき四月最終日の朝
あっという間にひと月が終わってしまう。
空へと伸びる枝先に新芽が、道端や庭先に花が、歩いていると目につくようになってきた。
我が家の朝晩は、まだ暖房オンである。
それでも記録的なまでに積み上げられていた大雪は、上がる気温に追い立てられるようになくなって、芽吹きが顔を出し、風景に彩りを増やしてすっかり春だ。
先月職場を去った彼女から、郵送で菓子折りが届いた。理由を知らないスタッフも多いから、添えられた手紙は簡潔な挨拶のみだった。ただ、差出人の住所が「あの町」のものだったから