秋分の意味と過ごし方
9月22日21:44 秋分です。
0. As above, so below -天にあるものは地にもあり-
「As above, so below」 天にあるものは地にもあり
これは、西洋占星術の世界を支える哲学のひとつです。 天で起こることと地上でのできごとは合わせ鏡。 宇宙の星々が生み出す秩序と地上の人間が生み出す物語は、鏡のように互いに反映し合っている。占星術の中心にはそんな世界観があります。今日はそんな占星術の世界観をふまえて、2024年の秋分が地上にもたらす影響について書いていきたいと思います。
1. 昼と夜の長さが等しくなり、1年のサイクルの折り返し地点でもある秋分
秋分では昼と夜の長さが等しくなります。昼と夜が同時にやってくることはありませんが、昼がこなければ夜はこない、夜がこなければ昼もこない、というように、昼と夜は対立しつつも補完し合っています。これを2元性といいますが、昼と夜の長さが等しくなる秋分は、この2元性に調和がもたらされる瞬間とも言えます。2元性をもつものとしてはほかにも、表と裏、光と影、内と外、精神と物質などがありますが、秋分というのは、これらのような2元性を調和させるタイミングであり、私たちも自分のなかにある2元性、たとえば内面世界と現実世界のバランスといったことに目を向けるのに良いタイミングとなります。
心の状態と自分を取り巻く外界の状態、内面とそれが作り出す現実、そして自分と他者。この世界にはさまざまな2元性が存在していますが、どちらか一方だけにフォーカスしていてはバランスが崩れてしまいます。天で起こることと地上の出来事が合わせ鏡であるように、私たちの内面や心の状態と外界や現実も互いに影響を及ぼし合っています。昼と夜に完璧な調和が訪れる秋分のタイミングで、自分の内と外のバランスを見つめ直し再調整することは、宇宙の作り出す秩序と自分自身の間に調和をもたらすことでもあります。
また、秋分は太陽が天秤のサインに入る瞬間でもあります。天秤0度は、12サインのちょうど半分の位置なので、太陽が1年のサイクルの折り返し地点まで歩みを進めたタイミングでもあるのです。
太陽は天秤に到達するまでに、牡羊・牡牛・双子・蟹・獅子・乙女の6サインを通過します。これらの6サインはいずれも自己や自己と分離し難い身近な人間関係・ものごと、そして手の届く範囲を表していますが、天秤以降の6サインでは他者との関係性や社会的な役割が強調されることになります。サインが進むにつれて成熟度が増し、より複雑なものごとに向き合うことが求められます。
太陽が天秤の0度に侵入する秋分以降は、社会的なテーマや社会の空気感がより大人っぽいものへと切り替わっていきます。それまでフォーカスされていた個の成長・発達から、組織・社会とのつながりや貢献へと目線が移っていく秋分のタイミングで、私たちもモードを切り替える意識を持つことができれば、星の作り出す秋分以降の流れにスムーズに乗ることができるでしょう。
2. 天秤・蠍・射手の3サインからなる秋分期間の学び
ここまで秋分そのものの意味合いや影響について解説してきましたが、ここからは秋分から冬至に向かう3ヶ月がどのような影響をもたらしながら進んでいくのかについて解説していきます。
太陽は秋分から冬至までの間、天秤・蠍・射手という3つのサインを通過します。これらのサインを通過するごとに、私たちと組織・社会とのつながりや外の世界に対する貢献というテーマは深化していくわけですが、その3つのサインを通して天が私たちに与えてくれるのは、自分という個の枠組みを超えて、より広く豊かな世界に出ていくための成長と学びの機会です。秋分から始まる3ヶ月間は、それまでの外の世界から恩恵や刺激を受けて自分の内面を充実させ成長させる段階を卒業し、自分自身が外の世界になにか意味のあるものを与えていくことへと徐々に重心が移っていくのです。
秋分期間の3つのサインそれぞれのテーマをキーワードで表すと、天秤は「調整・他者」、蠍は「変容・深縁」、射手は「拡大・未知」になります。
具体的には、天秤シーズンでは、自分の内面で起きていることと外の世界の現実のバランスを調整する時間をもつとよいでしょう。心の状態を把握するために感情や望みを書き出し、自分の内面が望ましい形で外側の世界の現実に適切に反映されているかをチェックしてみてください。もしも、内面と現実にズレを感じるようなら、そのズレを修正するためになにが必要なのか、明らかにしてみましょう。また、次の展開へのナビーゲーターとなってくれるような他者と出会うことも天秤のテーマです。他者から得られるものが大きな時期ですから、できるだけ内よりも外に目を向けて過ごすとよいでしょう。
蠍のシーズンでは、天秤のシーズンで浮き彫りになった課題とより深いレベルで向き合う機会をもたらします。内面に葛藤や矛盾、混乱がある場合、外の世界にもそれらが反映されることになるため、現実生活で問題に直面していたり自分が望む状態ではないと感じる場合は、現実に対してアクションを起こすことよりも先に内面に癒しが必要、ということもあります。または、癒すだけでは足りず、自分の内面にあるものを一旦壊したり手放したりして、新しい自分を作るようなことが必要になることもあります。そんなちょっとしんどい場面にも向き合って乗り越える強さをくれるのが蠍のシーズンです。蠍のシーズンでは、表面的な対応でやり過ごすことのないよう、本質的な変容を意識しながら過ごしてください。また、天秤のシーズンで得られた他者との関係性をより深いものしていくことについても、サポートが得られるタイミングです。深く密な関わりでこそ、得られる学びや気づきがあります。蠍のシーズンではそんな真剣な関係性から得られるものによって自分自身を磨くタイミングになります。
3ヶ月の最後、射手のシーズンは、天秤・蠍の学びを経て成熟した自分自身と他者との豊かな関わりをもって、いよいよ未知の世界へと飛び込んでいきます。射手のルーラーは拡大の星・木星であり、木星はおおらかで享楽的な神・ゼウスの星です。射手のシーズンは、子供のようにその瞬間瞬間を全力で楽しみ没頭することで、自分の世界が広がっていくタイミング。大人になると、なんでも新しいことを始める前にあれこれと心配したりすることも多くなりますが、射手のシーズンは「なんとかなるさ」「とりあえずやってみよう」という意識で、好奇心のままに動いてみましょう。射手のシーズンはワクワク感が幸運へのシグナルです。未知の世界に触れたとき、そこにワクワク感を感じるなら思い切って飛び込んでみること。結果を出さなきゃ、とか、目標を達成しようという思いは不要。どこにも辿り着かないかもしれない。中途半端で終わってしまうかもしれない。それでもOKなのが射手のシーズンです。飛び込んでみる、というアクション自体が次の展開やあなたの人生が拡大するために必要な人物・ものごととの縁をつないでくれるのです。
3.秋分というタイミングが私たちにもたらすもの
秋分は、昼と夜のバランスが整う特別なタイミング。私たちの内面と外界の調和を再確認する機会です。
天秤座から始まるこの3ヶ月間は、他者との関係や社会的役割に目を向け、内なる成長と外界への貢献を統合していく過程となります。蠍座で深い変容を経験し、射手座では未知の世界への冒険が促されます。
内面と外界のつながりを意識し、バランスを取りながら新たな可能性を探求する秋分期間、楽しんで過ごしましょう。