菊池亮太✕ござ2台ピアノコンサート 岡山芸術創造劇場ハレノワ 備忘録(主に子連れ鑑賞編)
日が経ってしまいましたが、9月14日に岡山芸術創造劇場ハレノワ中劇場で開催された菊池亮太さん×ござさんの二台ピアノコンサートを、幸運にも鑑賞することができました。
しかも、「18歳以下の子どもたちを無料招待 同伴の保護者は半額」という、この夏最大の幸運を引き当てた形です。
たくさんの素晴らしい演奏を聴き、ふわふわした気持ちで会場を後にしたあの日の記憶を、子連れでコンサートを楽しんだ備忘録として綴ります。
現在、2人の児童子育て中につき気軽にコンサートに行けるような状況ではありません。
興味ある公演情報を見かけても、「こんな素敵なホールで演奏するんだ」「楽しそう」と、どこか他人事のように眺めていることが多いのです。
そんな私が、今回のコンサートに飛びついたのは、タイムラインに流れてきた情報に目が釘付けになったからです。
菊池亮太xござ 2台ピアノコンサート
人数限定で18歳以下の子どもたちを無料招待
同伴の保護者は半額で鑑賞OK
子ども同伴でコンサートを聴ける!
なんて最高の企画よ!!子どもに留守番してもらう準備や調整諸々しなくていいって最高じゃない?
子どもたちは菊池さんもござさんも認識済みです。
2年前のジブリコンサートの時、菊池さんの演奏を拝聴したのもいるのでもし当たったらこれが2回目。
ござさんは月刊ピアノでねずみの人で動画はペンギンだったりマスクをしている人。
(お二人のファン、リスナー様方本申し訳ございません。まだリスナーに育成段階です。)
当選したら嬉しいけど激戦だろうな、くらいの軽い気持ちで応募しました。
それから十数日が経っても抽選結果の連絡もなく、外れたかなと連休を何事もなく過ごす予定でいたらコンサート2日前(木曜)の夕方に一通のメール。当たった!!
諸々の調整、準備、確認を済ませてあっという間に当日朝。無事出発。
そして予定していた時間にハレノワ到着。
(事前予約した徒歩8分とナビが示した駐車場は想像以上に大人な街にあり、子どもたちが「これがテレビで観る都会のネオンだよ!」と蛍光色やお姉さんお兄さんの写真、看板の文字を凝視していたのはかなりのミスでした)
劇場エントランスは名前の通り晴れた日差しが差し込みで、柔らかく輝いていました。
受付で名前を告げ、同伴保護者分のチケット代を支払い。
すでに多くの方が並んでいらっしゃる横だったので、「この価格ですみません、未来のファン作り頑張ります。うるさくするタイプではないと…思います。」と心の中で念じておりました。
受付の方は、優しく子ども一人ひとりに声をかけチケットを渡してくださいました。
子どもたちは目を輝かせて、チケットを大事そうに握りしめました。
(無くされると困るのですぐに母が回収)
今回、何組招待されていたのかは不明ですが、きっと同じようにチケットを渡された子たちも非日常空間の始まりに胸が高鳴ったと思います。
子どもたちの貴重な経験の始まりを大事にして下さった受付の方、ありがとうございました。
[話が脱線しますが、私自身がコンサートや劇場等で生でしか得られない幸せを何度も味わっているので、子どもが興味を持った舞台やコンサートは都合が許す限り鑑賞させたいと思っています。
その一方で、私自身の小中高時代に当初は大して興味がなかったアウトリーチ公演(カルテット、劇団、ミュージカル、京劇…)に気付けば夢中になっていたことを覚えています。
そのため、子どもが大して興味が無くても生で鑑賞する素晴らしさ、公演を支える方々の仕事を知って欲しいという思いから私が興味のある公演に連れて行くことが年に1〜2回あります。
今回は限りなく後者でした。残念ながらクラシック、ピアノはYouTubeでいいじゃんと常々いう子どもたち。クラシックは嫌いじゃ無いはずなのに]
指定されたのは2階席。2台のピアノが見えやすくて嬉しい!
それと同時にピアノの並び方に驚きます。2台ピアノでよくみる対面タイプではなく、少しずらして隣り合った状態。
鑑賞する立場としてはどちらかに集中してもう一方が視界に入らないということもなさそう。ずっとお二人の動きを見ていられる。
「隣り合っていたらアインザッツより呼吸や動きを感じて合わせるのかな?奥のピアノがプリモで…どちらもスタインウェイかな?」と開演までの時間に胸が高鳴ります。
(終演後、事務員Gさんが配置についてコメントされていました。こだわりの配置、とても良かったです。ありがとうございました!)
子どもたちはと言うと、入場時に受け取ったフライヤー等の中から本日のコンサートプログラムを探して聴きたい曲を探そうとするが…プログラム無いの?そうか、即興だから…そうか!そうだ!と気づきます。
分かる曲あるかな、二階の方が鍵盤が見やすい?音はよく聴こえるかな?と開演までにワクワクする上の子と、こんなに高い位置から舞台を観るのは怖い…座っていても転がり落ちないかなと高所恐怖症の下の子。
開演までの時間、場内での決まり事を改めて2人に確認します。
子どもたちには楽しく聴いてもらいたい気持ちはあるけど、この場にいる人たちを不快な気分にさせる楽しみ方はマナー違反、場内放送で流れた注意事項の意味を説明します。
(いつか子どもたち自身が自分の推しのイベントに参加した時、自分も周りも楽しく推しにも迷惑をかけない人になってもらう教育)
観客が今か今かと待つ中、お二人が登場してふわっと始まる。
指慣らしのように軽やかなジムノペディが始まったかと思うと一転華々しいファランドールに。
高所に慣れないまま目をしっかりと閉じていた下の子も聴いたことあると思ったのか少し目を開け舞台を観る。
(この後、何度か目は開けるのですがどうしても二階席の勾配に慣れなかったので一部の間はほぼ目を閉じて聴いていたようです。
もったいない…でも怖いものは仕方ないのか…)
その後、菊池さん、ござさんの順でソロが始まり、後で聞いた話によると上の子はこれは知っている!あ、曲が混ざってる、さっきの曲に戻った?!と頭を沢山使ったそうです。
一部の最後はボレロ。同音連打を聴くのが大好きな私にとっては他の曲以上に目が離せず目にも耳にも幸せな時間でした。
どの指をどう動かしたら揃った音の粒で絶妙な音量の連打になっているのか。
指先までは見えませんでしたが、お二人の手腕の動きが見えてつい自分の膝上で指を動かす真似をしてしまいました。
一部が終わり休憩時間。会場全体が圧倒された緊張感から解放されたようにゆったりとした時間になりました。
余韻に浸られているのか座席から動かず脱力されている方、お連れの方と一部の興奮を共有し合っている方々などの横をすり抜けてロビーのソファーに。
ところで、子ども連れでコンサートや舞台鑑賞される方は、限られた休憩時間の中で何をされることが多いのでしょうか。
また、子連れ鑑賞に欠かせない物はあるのでしょうか。
我が子達の必需品は、
⚫︎水筒
(本人が水派。自販機でお茶はあっても水は売り切れていることがあるので)
⚫︎スティックパンたまにあんぱん
(鑑賞はお腹が空くらしい。さっと口に運べてこぼれないものを模索してこれになりました。
おにぎりでは食べ過ぎ、おやつよりはお腹を満たしたいそうです。)
⚫︎整腸剤
(使うとしたら開演前のことが多いです。子どもって自分の発表会でもないのにわくわくしすぎるとトイレ…!と言うことがありませんか?
下の子が数回あったのでお守りがわりに。
プラシーボ効果としてラムネでも良いのかもしれません)
⚫︎ペン、メモ帳
(セトリ班のように演奏曲をメモしたり感想を休憩中に残したい子がいます。)
⚫︎羽織もの、またはブランケット
(一年を通して寒さ対策必須です。冷房で冷えて体調崩した、寒い時期に人の多いところで風邪をもらってしまったと後で誰かに言われたり母が子どもを連れて行ったことを後悔しないためにも。
ブランケットはかさばりますが、多少厚みのあるものだと畳んで座布団がわりになります。
劇場椅子に座っても前の椅子の背もたれより視界が低くて何も見えない時によく使っていました。)
劇場によってはロビーでの飲食も許可されていない場合があるので確認しなければなりませんが、以上が我が子達の必需品です。
私たちが利用した扉から出てくる家族は、小学高学年〜中学生くらいの男の子が多く来られている印象でした。中学生になっても一緒にピアノ鑑賞できる関係性、羨ましい限りです。
休憩時間が間も無く終わるころ、席に戻りました。
高所が怖くて一部はほとんど目を開けることができなかった子に、「二部は少しだけ開けてみてはどうかな?」と声をかけ、アンコールが終わるタイミングを説明しました。そして、いよいよ二部の開演です。
岡山に因んで藤井風さんの「きらり」が流れている中、There will never be another youが入りその他の曲も混じり…。
「きらり」リリース当時、ピアノを習っている子どもはこの曲はいつかピアノで弾きたいと言っていた好きな曲だったので身体がリズムに合わせて動いていました。
他にも私には分からなかった子どもが知っている曲もあったようで目を輝かせていました。
高所が怖かった下の子の方も、自分の知っている曲をたくさん聴くにつれ怖さを克服しステージを見ることができていました。
続いてのリクエストコーナーではお二人がそれぞれ目を閉じて指差したところの人にリクエスト曲を言ってもらう方式。
(その際のくすくす笑い、ほのぼのした雰囲気は既に多くの方が書かれているのでSNSでぜひ検索してみてください。)
和やかな空気の中、曲が決まります。
「人生のメリーゴーランド 」」オーシャンゼリゼ」「エレクトリカルパレード」「革命」。
子どもたちは人生のメリーゴーランドとエレクトリカルパレードをピアノ発表会の連弾曲にしたいほど好きな曲なのでとても喜んでいました。
子どもたちはここが一番の記憶に残ったようです。
最終曲はアイ・ガット・リズム変奏曲。
その素晴らしい演奏に、興奮冷めやらぬ中、アンコールの拍手に応えて再び登場されたお二人に、子どもたちも大喜びでした。
すっと座って弾き始めた「Isn’t she lovely?」は、「この子(ピアノ)素敵でしょ?いい音でしょ?」と問いかけられているような、そんな気持ちになりました。
(奥側のピアノの音が好みでした。開いたグランドピアノの屋根で反響しているからか、小さな音もよく届いていました。2階だったからかもしれませんが。)
そのまま子犬のワルツや風の通り道(今はきらりを弾いてる?と思ったり。今更ですが風の通り道ときらり、少し似てる部分がありましたね)などが混ざった即興が終わり、またも鳴り止まない拍手。
ダブルアンコールでTank!が演奏されると知り、思わず子どもにめちゃくちゃかっこいいから!!と早口説明してしまいました。
ござさん1人で演奏されているYouTube動画でも十分かっこよくとんでもないのに、菊池さんとの二台ピアノになると圧巻でした。
そしてまさかのトリプルアンコール!
アイ・ガット・リズム、撮影OK!
慌ててスマホを出して起動させるもすぐにはできず、子どもたちから早く!早く!!とせっつかれながらもなんとか撮ることが出来ました。
ピアノを習い始めて数年になる子どもたち。
先生のおかげで、クラシック以外にもチャレンジ出来て大好きなポップスやディズニーの曲を弾けるようになり、音楽の楽しさを知っていました。
しかし、曲の難易度が上がると、なかなか思うように弾けず、練習に対する意欲が薄れてきているように感じていました。
今回、お二人の二台ピアノコンサートを鑑賞すれば音楽を楽しむ心、地道な練習の基礎があればこそ好きな曲が弾けることを思い出すのではと子どもたちにコンサート鑑賞してもらいました。
この想いが通じてくれたかどうかは分かりませんが、先日ピアノの先生から次回の発表会は連弾ではなく二台ピアノも考えているとお聞きし「二台がやりたい!(例年2人連弾か3人六手連弾)」と乗り気でした。
ピアノを聴く楽しさ、弾く楽しさが練習での困難や壁悔しさを上回り続けることを願います。
最後になりましたがこのような、子どもがピアノコンサートを鑑賞する機会を作ってくださった主催者様ありがとうございました。