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点と点と百獣の王

人生の中で全く関係ないと思っていた事が、ふとした瞬間につながることがある。人生の中で、ある目標に向かうのに無駄だと思っていた事が、時間差で役に立ったり。私はこれこそが「点と点が繋がる瞬間」だと思っている。

これまで興味の赴くままに色々なことに手を出して来たがために、人生のそこら中に点が散らばっている状態。

日本の大学で教育学部を退学して、マーケティングとメディアを勉強したあと、IT関連の会社で働いている。趣味は小学生の頃から習っているフルートを吹く事と、去年始めた広東語を勉強すること。最近は副業でIELTSの講師も始めた。

...点と点も甚だしい。そして各点間の距離がものすごく離れている気がする。あなたは一体何をしたいの、と時々親しい友人に聞かれるが、それはこっちの台詞である。

私は一体なにをしたいの!

空に向かって叫んだ言葉は光の早さで自分に返ってくる。嗚呼。

「飽きた」の先に、いってみたい。「飽きた」の先にある、やりがいとか喜びを知りたい。

さらに困った事に、すべてにおいて根拠のない自信だけはある。

エマニュエル・パユという、フルート界でものすごい、世界的レベルのフルーティストがいる。動物の世界でいったら、百獣の王ライオンのような存在だ。

ある土曜日の朝、NHKの「題名のない音楽会」という番組に彼が出ていて、家族みんなでみていた。それはもう、惚れ惚れとする音色で、一体どんな練習をしたらこの音が出せるのか、一体一日何時間練習しているのだろうかとか考えながら見ていた覚えがある。

番組が終わり、家事をしようと立ち上がった母に言われた一言が、

「りっちゃん、背中からものすごい嫉妬のオーラがでているよ」

画面に食いついている私の背中が、メラメラとライバル心をむき出しにしていたという。

ライバル心というのは、本来自分の届きそうな相手、自分と力が拮抗している相手にしか抱かないはずである。それをフルート界のライオンに抱いていた自分は、一体自分を何だと思っているのだろう。

自分を何だと思っているのだろう!

最近、仕事だとかビザだとかで、点と点を結ぶ必要にかられて、それ以上にそろそろ人生をかけてやっていきたいプロジェクトが見つかってもいいんじゃないのという焦りに駆られて、こんなことを思っている。

うんうんと頭をひねっているのだけれども、願わくは、この距離が幾重にも離れている点同士が何かの機会につながって、ライオンをものともしないネコのような自信で、何かを大成してくれることを願っている。自分のことながら笑

#シドニー #日記 #エッセイ

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