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いちごとミルクと

シドニーは今、イチゴが旬の時期だ。2パックで5ドル、なんていう宣伝を見るたびについつい手が伸びてしまって毎日イチゴばっかり食べている。

この間イチゴを食べていて、ふと思い出した。小さい頃、家族でイチゴを食べる時、そのまま食べるか、つぶして練乳をかけて「イチゴミルク」みたいにして食べるか、半分はそのまま食べて半分はイチゴミルクにするか、毎回とても悩んだっけ。お母さんやおばあちゃんがどうするか片目で様子を見つつ、さてどうしたものかと悩んでいたあの頃は、他に悩む事はなかったのか。

あの頃に比べるとイチゴ以外の悩みがたんと増えて、ただそれも、あの頃の自分に伝えたら「そんなことで悩んでいるの!」と笑い飛ばされそうで。そんな事で悩むのがオトナなんです、と断言してみるが本当にそうだろうか、とも思う。私の中でさまざまなペルソナが、さまざまな言語で好き放題議論している。

成熟しているオトナというものは実は、5歳の時の自分も12歳の時の自分も、そして現在の自分も、さまざまなペルソナを同時に自分のなかに抱える事が出来る人だと、なにかで読んだ事がある。こうして成熟しているのなら、いいのだけれど。

今日も私はイチゴを前に、練乳にするかそのまま食べるか悩んでいる。


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