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「やたもも」 はらだ(竹書房)
本屋へ行くと、必ずBLのコーナーへ立ち寄る。
ある日の事、目新しいものはないか?と物色していると、二人の女子高生が現れて「私、ハラダのネガとポジが読みたいんだよねー」
「カラーレシピも面白かったよねー」などと
会話していた。
私などは「カラーレシピ」を読んだ後は精神的な恐ろしさに暫くは心が萎えてしまうと言うのに、この子達は一体どんな大人になるのかと、不安と興味に打ち震えるのだった。まあ、それでもはらだ先生の作品は読むのだが・・・
あまり過激なものはちょっと!と言う人には、「やたもも」をお奨めしたい。とは言っても充分に過激な過去を持つももは、捨て猫同然に八田ちゃんの家に転がり込んできた。お金欲しさに何でもする、何があってもヘラヘラ笑っているどうしようもない捨て猫ちゃんだが、八田ちゃんは次第にももが愛しくてならなくなっていく。
おバカでダラしなくて可愛いももと、優しくて真面目だけどSEXだけは容赦ない八田ちゃんが、逃げ出してきた昔の男との偶然の出会いや、縁を切ったはずの母親との再会、隣に住む栗ちゃんと次第に厚くなっていく友情など、周りや過去に振り回され、振り回しながら愛を深めていく物語。
ももの可愛いさと、八田ちゃんの一途さが
堪らない作品だ。