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とうもろこしのかき揚げが好きな人におすすめ。『歩いても 歩いても』

好きな食べ物は何、と聞かれることがあると、「とうもろこしのかき揚げ」と答える。

夏に居酒屋のメニュウにとうもろこしのかき揚げがあると、必ず頼んでしまう。

衣のしゃくしゃく感、とうもろこしのじゅんわりっとした甘み。口の中をやけどしそうになりながら食べるのもまたよい。食べたあとはビールの冷たさも一層引き立つ。

とうもろこしは年中出回っているが、夏に食べるとうもろこしのかき揚げは格別だ。一瞬で終わる夏が、めいいっぱい楽しめる気がするから。

そんな大好きな『とうもろこしのかき揚げ』が、先日観た映画に出てきた時は感激した。是枝裕和監督の、『歩いても 歩いても』という作品。

ストーリーを超ざっくり要約すると、「阿部寛さんが、両親(樹木希林・原田芳雄さん)の元へ里帰りする映画」。

この『歩いても 歩いても』の中で、樹木希林さんがこの家の定番料理としてこしらえるのだ。

阿部寛さんがとうもろこしの粒をほぐし、樹木希林さんがそれを揚げる。
横で観て茶茶を入れるYOUさん(阿部さんの姉役)。
バチバチパチパチ……って油の音がまたいいんだよねぇ。
別室の原田芳雄さんが、揚げる音と香りにつられて台所に出てくる。
昔の思い出話をしながら、家族みんなでアツアツのかき揚げをつまむ。希林さんが、「お醤油かけるとおいしいのよ」って。

どこにでもありそうな夏の実家の風景を彩る、とうもろこしのかき揚げ。なんてことない家族の会話と、わだかまりと温かさ。3回巻き戻して観てしまった。

とうもろこしのかき揚げが好きな人はぜひ。食べたくなることまちがいなしです。


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