埼玉県民の憂鬱
11月14日、埼玉県民の日。
2024年度都道府県魅力度ランキング46位の
埼玉生まれ、埼玉育ちのわたしが
独断と偏見で埼玉にまつわる話をしようと思います。
『埼玉県民コンプレックス』
率直に言うと地元愛が全くない県である。
埼玉県民で「地元サイコー！」みたいな人はほぼほぼいない。誰も地元を愛していない。すごく都会でもなければすごく田舎でもない、そんな埼玉生まれということへのコンプレックスを心のどこかで感じている人が多いのだ。
わたしはというと、家庭の方針で小学生の頃から「荒川を越える」ことを目標に中学受験の勉強をしていた。埼玉県は教育熱心な県ランキング1位である。わたしが勉強が得意だったかはさておき、ランキングどおり我が家もそこそこ教育熱心な家庭だったし、通っていた日能研は遠くの市から通塾する子も多かった。小学生の頃の記憶はほぼないけど「荒川を越えないといけない！」と母に何度も言われた記憶はある。
そんなこんなで、晴れて東京の学校に入学したわたしは、中学生から毎日50分かけ都内の学校に通った。合格したのはゆるりとした雰囲気の女子校で、通っている生徒の割合は体感、都民が6割、埼玉県民が3割、その他1割という配分である。
そんな学生生活の中、幼心にだいぶ印象深い埼玉コンプを僅かに発症させている友人のエピソードがある。
彼女は「東京に住んでいる」と話していた。
最寄り駅は「成増駅」だという。
だが、何かのきっかけで住所を書いてもらった際に彼女が「埼玉県和光市」住みだということが発覚したのだ。え！埼玉住みじゃん！と周りの友達に驚かれていた。
その時の彼女の言い分としては「道を1本入ると東京で、東京のが近いし東京住みと変わらない。東京って言ったほうがわかりやすい」的なことだった。いや東京のが近いことはない。和光市、だってそこは埼玉県なのだ。でも彼女は卒業の日まで東京に住んでいると言い続けた。
当時はなにも思わなかったが、今改めて中学1年生の彼女が発したこの言葉の背景について考えるとなんだか心が苦しくなる。
かくいうわたしはその頃、埼玉県を東京と大差ないものだと感じていた。だって1時間以内で東京に行けるし、毎日通える距離にあるしなにが違うんか？と。だから彼女が東京に住んでいると言い張った時もなぜそんな住んでいる県にこだわるのか全くわからなかった。
『埼玉県民も愛されたい』
だが、時は経ちアイドルになったわたしはついに、埼玉県民ということにコンプレックスを感じることとなる。
なぜなら埼玉県民は愛されないのだ。
埼玉県民は埼玉県民を愛してくれないのだ。
埼玉県出身だからということがきっかけでわたしを応援してくれた人は多分ひとりもいないだろう。
あなたは、埼玉県出身の有名人を何人言えますか？埼玉県出身ということで誰かを応援したことはありますか？埼玉県出身と言われて「あ〜」みたいな反応をしたことはありませんか？(これまじでつらい)
地元の誇りだよ〜と言われる他県出身者を横目に、その時生まれて初めて埼玉出身であることを恨んだ。埼玉県民だって埼玉県民に愛されたい！！！
また、それと同時に上京と帰省にひどく憧れるようになる。中学生から毎日上京している私にとって、東京に行くことも越すことも別に特段特別なことではなくなってしまった。
夢に向かって一念発起して上京するというキラキラした体験ができない。「ギターひとつ持って家を飛び出してきた」と語るミュージシャンのインタビューを読む度、羨ましい気持ちが募る。
そして帰省というゆるりと暖かい空気を含む体験をすることもない。故郷などないのだ。東京から逃げる場所も帰る場所もない。あるのにないのだ。
こうしてみるみるうちに私の中でも
埼玉コンプレックスが生まれていったのだった。
『とはいえ、埼玉県だってサイコーである』
さて、ここまで埼玉県民のコンプレックスを独断と偏見で話してきたのですが、埼玉県民でよかったと思うことも多々あるのでひとまず5点あげていきます。
①交通の利便性
ここで1番に出てくるのがなんともだが、東京に行きやすいのはとてもありがたいことである。埼玉に住んでて不便だなぁと思ったことは実はあんまりない。都心に行きやすいのはもちろん、軽井沢まで大宮駅から新幹線で40分！すごい！
②鴻巣免許センターの話で盛り上がれる
絶対に鴻巣免許センターの話で盛り上がれる。
鴻巣免許センターの話をすれば誰とでも仲良くなれるよ！
③『らき☆すた』の聖地がある
『らき☆すた』の聖地、鷲宮神社がある。らきすたは聖地巡りの先駆け、取り組みも含め素敵なので大いに誇るべき。
④寛容で我慢強い県民性
「ださいたま」と言われても、「埼玉県民は草でも食ってろ」と言われても笑って受け流す寛容さ、我慢強さが愛おしい。埼玉県民は絶対にいいひと、なはず。奥ゆかしさも持ち合わせつつ、しいていえばそれ故ちょっとだけシャイなところが玉に瑕。
⑤なんだかんだ観光地が多い
東京近郊で歴史と存分に自然と感じられる埼玉県！！！蔵づくりの街並みを感じられる川越、行田にはさきたま古墳、秩父では自然と歴史と温泉を堪能できて、他にも人形の町岩槻、鉄道博物館、角川ミュージアム、ムーミンバレーパークなどなど他にも実はたくさんあるよ。あと日本一大きいイオンである越谷レイクタウンもある！
いま書いてて改めて思ったけど、
東京の煌めきにあてられてかいつもつい控えめになってしまっているけど、埼玉県も埼玉にしかない魅力がたくさん。お前もいつもきちんとしっかり輝いているよ。いつもありがとう。そうだよ、もともと特別なオンリーワン。
埼玉がより愛されるために、
まず私たち埼玉県民から埼玉を深く愛していきましょう！！
埼玉サイコー！！！
またね
めちゃめちゃおいしくてびっくりした