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『家を探して①』

去年の秋からずっと探してたものがある。

それは、住むところ。

現在、賃貸に住んでいるのだが歳をとってから保証人もたてず人に家を借りて住み続けることができるのか旦那さんが不安だから持ち家を欲しいと言ったのが去年の春。

旦那さんが定年まで働くとする。
住宅ローンを60で完済するならぎりぎりの年齢になってきた。
今払ってる家賃を持ち家の為の返済に当てた方が老後安心した生活が送れるのではないかというのだ。

そこには焦りというものも感じたが、すごくまっとうな意見だと思う。
それから私が『猫を飼いたい』というので
住むなら中古の一軒家か動物の飼えるマンションを探すことにした。

二人の老後のためとはいえ、私の夢のひとつである猫を飼えるようにしてあげたいというその優しさがとても嬉しかった。
旦那さんは、それ程猫がすきなわけでもないのに・・

早速、『家を買う』という目標をたてて旦那さんの知り合いの不動産屋に探すのを手伝ってもらうことにした。

それがちょうど秋口、気になる家があれば旦那さんと休みが合ったときに内見に行った。

1軒目は、一軒家でショッピングセンターまで歩いて5分の好立地。
築40年の二階建ての家だった。

『歳を取って運転とかできなくなったら、自分の足で病院やコンビニまで歩いていかないといけなくなる。そのときに極力、自宅から近いことが重要だと思う』

『うん、それはそうだね。私もそこは大事だと思う』
先の先まで考えていてすごい。
何も考えてなかったが、旦那さんの意見に同感した。

その家は、カビ臭く何ともいえないにおいのする家だった。
一階の和室の壁に驚いた。
その壁というのは、昔ながらなのか土で固められぼこぼこしておりエアコンを置いていたであろう場所は、水が水漏れしてたのかその部分が黒いしみになりカビが生えてまっくろになっていた。
その部屋は、障子もたたみもぼろぼろで幽霊がでそうな雰囲気だった。

天井が低く旦那さんが入り口で鴨居に何度も頭をぶつけそうになっていた。
『昔の人は背が低かったから175cmくらいでも頭をぶつけなかったんでしょうね』と不動産屋さんが言っていた。

一階の畳の和室は、汚かったがそこにつながるキッチンとリビングは、驚くほどきれいだった。
白いきれいな壁紙が貼ってあり床もシンクもピカピカだった。

お風呂は、追い焚き機能が付いていて手すりがついていて天井にポールがあった。
聞けば室内乾燥室になり洗濯物を干して乾かせるような機能がついているそうだ。
とにかくきれいだった。

二階も拝見した。
階段は、歩くと少しギシギシした。
急な階段で手すりもあった。

6帖の畳の部屋と6帖の洋室の部屋が隣り合わせにありあと面白いことに洋室の部屋には、隠し部屋があった。
隠し部屋は、天井が低く小さな小窓と換気扇がついており、緑色の壁紙で覆われ緑色の絨毯がひいてある小部屋だった。

わぁ、おもしろい。。

ここは、子供がいたら秘密基地みたいにして喜んで遊ぶだろうと思った。
アルプスの少女ハイジが暮らす部屋みたいではないか・・
わらを敷いてベットにして寝たら完璧かもしれない。

トータルにみて壁紙を変えてリフォームしたら古くても充分すてきな住まいになりそうでその物件を私達夫婦は、かび臭い一階の和室以外は、気に入った。

だけど、庭に出て気がついた。

その家の一軒家の敷地内に他人の家の下水管が流れていたのだ。
旦那さんは、そこをひどく気にしていた。
もしその下水管に何かあったときに面倒なことにならないか心配した。

その物件は、残念ながら諦めることにした。

どんな人が住んでたのかな?と想像をはりめぐす。
キッチンとお風呂を20年前にリフォームしたということは年配の料理とお風呂がすきで(手すりがついてたので)ちょっと足の不自由な女性なのかな?とか思った。

はじめての内見だったがとても面白かった。
何より想像するのが楽しい。

『家を探して②へ』続く

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