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【起業日記⑪】Rinenna、記念すべき発売スタートは地獄の始まり

前回のお話はこちら

「布おむつについたうんち汚れを、ラクに落としたい!」
そんな思いでスタートした洗剤開発でしたが、完成した製品は布ナプキンについた経血までも、ごっそり落とすことができるものでした。

「これは絶対、多くの人が使ってくれるに違いない!」
そう確信した私は、完成した洗剤Rinennaの販売をスタートすべく、準備を始めました。

2017年7月20日発売スタート!でも7割のお客さんが買えない事態に…

Rinennaの発売スタートは5年前の2017年7月20日。
思えばこの日が、地獄の始まりでした。

これまで生産・販売していた布おむつは、使うお母さんがかなり限られるので、友人には声がけをせずにマーケティング活動をしていました。
ところが洗剤となると話は違います。誰もが使う日常消費財です。発売初日に、100人から購入してもらうことを目標に、ターゲットリスト作りからスタートしました。

「こんな洗剤を開発した」「7月に発売するから買ってくれないか」と伝えると、多くの友人が「買うよ!」と快く応じてくれました。友人・知り合いに向けて地道に営業活動をし、購入予定者をリスト化。
発売初日に向けて100人以上の見込客を獲得しました。

そして迎えた発売当日。ふたを開けると、購入してくれたのは30人でした。
実は、その他の70人は、買いたくても買えなかったのです。
購入するときに「カードの決済エラーが出て買えない」と連絡を受け、ECサイトのカートが壊れていることが判明したのです。

布おむつを売り始めた時、ECサイトは私が自力で制作した手作りサイトでした。洗剤発売のタイミングでプロの力を借りようと、営業に来たとある開発会社に制作を依頼しました。カートの不具合について問い合わせると、言い訳ばかり。信じてはいけない相手を信じてしまったのだと気がつきました。

Rinennaドン底のスタートと離婚。お世話になった方との別れ…

記念すべきRinennaの発売初日は、カートの不具合によりドン底生活のスタートになりました。
ちょうどこの頃、最初の夫と離婚。調停の最中に、頼りにしていた弁護士の先生が、出産時の容態急変によりこの世を去ってしまいました。

心の支えを失い、子ども二人をシングルマザーとして育てることになった私は、押し潰されそうな悲しみと不安を抱えながら、「やるしかない。私が子どもたちを育てるしかない」と一歩ずつ、できることを探しながら行動していきました。

信頼できる開発パートナー探しと、サイトの立て直し

言い訳ばかりの開発会社を見切り、信頼できる開発パートナーを探すことから始めました。この時に思い出したのが、現在でもRinennaの開発をお任せしているエンジニアのSさんです。

Sさんとは、私がNYに引っ越す頃に知り合いました。せっかくNYで暮らすからには自分のブログを開設したいと、クラウドワークスで自らエンジニアを探し、出会ったのがSさんでした。超大手ITサービス企業に在籍されてた経験があり、ご自身でITの開発業務を請け負っていました。

ブログ開設のやり取りを通じて、嘘のない率直な人柄に、「この人なら安心してお任せできる」と感じたことを思い出し、久しぶりに連絡をとりました。カートの壊れたECサイトを見せると、

「うーん・・
 これは一から作り直した方が早いです」

Sさんらしい、率直な反応でした。
結局、ここから1年かけてSさんにサイトを作り直してもらいました。
またこの時、自社ECサイト1本という販路の一本足打法は大きなリスクだと学び、サイトリニューアルのタイミングで楽天とAmazonにも出店を始めました。


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