名曲から学ぶ⑬
かなり久しぶりにnoteを書きました。
実に8ヵ月ぶり!
コロナで暇だった時期はどんどんアイディアが沸いて毎週書いていたのですが、今年に入ってからありがたいことに忙しくなってきてしまい、筆が止まってしまいました。
不定期ですが、気まぐれに投稿しますので読んでいただけたら幸いです。
さて今日は、「名曲から学ぶ」シリーズから。
音楽理論を学んでいるレッスンの生徒さん用に作った問題です。
☆以下の譜を見て問題に答えましょう
この曲は、シューベルト作曲「楽興の時 第1番」の冒頭です。
①元の楽譜(出版されている楽譜)を見ずに、アーティキュレーション(スラー、スタッカート、アクセント等)や、ディナーミク(p, f, cresc.等)を自分で考え、自由に書き入れてみましょう。終わったら、元の楽譜と見比べてみましょう。
②5~8小節の和声分析をしましょう。
③5~8小節を、(1)長2度上に (2)短3度下に (3)完全4度上に
移調して弾いてみましょう。(できれば音譜に書かずに。)
④拍子の4分の3拍子は、(1)単純拍子 (2)複合拍子 (3)混合拍子 のどれか。
⑤6~7小節、3拍子2小節分が、2拍×3のまとまりのように書かれている。このような書法を何というか。
♪♪解説♪♪
①例えばバッハの鍵盤作品(インベンションや平均律クラヴィーア曲集など)の楽譜の原典版を見ると、アーティキュレーションやディナーミクなどはほとんど書かれていません。しかし、ベートーヴェン頃になると、それはそれは細かく表記されています。
「書いてあるからその通りに弾く」という今では当たり前のことですが、昔は、譜面を見てきっとこうだろう、と自分でアーティキュレーション等を考えるのはよくあることでした。
もちろんシューベルトも細かく指示がありますが、今回は音型を見て自分なりにおおよその演奏計画を立ててみる体験をしてみましょう。
下は、元の楽譜です。
例えば
・メロディーの盛り上がる2小節目頭の二分音符にアクセント
・伸びやかなメロディー(1〜3小節目)と対照的な和音(4小節目〜)の決然とした感じ
・5小節目は同種短調になるのでppでさらに音量を落とす
・5〜8小節目まで音域がどんどん上がってくるのに合わせてcrerc.
など
この曲を知らなくても、演奏するとしたらこんな感じ、と共感できる場所がいくつもあったと思います。
この「こう書いてあるとこう表現したくなる」というのを積み重ねることはとても大事なことだと考えています。
ぜひ他の曲でも一度試してみてほしいです。
②和声分析
③移調奏
調性を見ると、
c moll →Es dur →g moll →C dur
3度ずつ上がりながら(最後は4度ですが)短調と長調を交互に行き来しています。
和声は全てVとIのみ!!
移調の時には、ただずらそうとするのではなく、
上の分析の結果が助けになってくれそうです。
④正解は単純拍子。
単純拍子は、2分割できる音符(4分音符、2分音符など)が1拍の単位の拍子
例:4分の2拍子、2分の2拍子、2分の3拍子、8分の3拍子 など
復合拍子は、3分割できる音符(符点4分音符、符点2分音符など、要するに符点が付く音符)が1拍の単位の拍子
例:8分の6拍子、4分の6拍子、8分の12拍子 など
混合拍子は、単純拍子の音符と複合拍子の音符が一緒になったもの。
例:8分の7拍子(4分音符2つ+符点8分音符)
4分の5拍子 など
拍子の種類については分かりづらいうえに、
入試ではよく取り上げられるのでまた改めていつかまとめたいと思います。
⑤解答はヘミオラ
ヘミオラは以前にもちょくちょく出てきましたね!
「ヘミオラ」の記事はこちら↓
https://note.com/rie_matsui/n/n82dbb9d83ba7
♪♪♪♪♪
たった8小節でも、これを使っていろんな問題が作れます。
自分でも何か既存の楽曲から問題を作ってみてくださいね。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?