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【本】さおだけ屋はなぜ潰れないのか?

 本棚を整理していたら、出てきた。
 10年程前に参加していた読書会でいただいた本で、奥付を見ると初版が2005年だったので、20年近く前の本になる。売れている本、字が大きくて読みやすいと思った記憶はあるが、内容をすっかり忘れている。もしかしたら読んでないかもしれない(いただいたのにすみません)。

山田真哉『さおだけ屋はなぜ潰れないのか?身近な疑問からはじめる会計学』

 今回、読んだら自分に合う記述があった。ここを読むためにこの本を開いたんじゃないかと思う。

 また、初対面の人に会ったとき、あなたならいったいその人のどこに注目するだろうか?
 全体を見ても何とも判断のつかないときは、その人の一部分を見ればいい。といっても、ポイントは「顔」「しぐさ」「声」「しゃべり方」と無数にある。
 迷わず「顔」に絞る、という人もいるだろうが、私は、「その人のいちばんいいところ」を探し出して、そこに注目するようにしている。
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 なぜなら、その人のいいところさえつかめば、これまでの経験上、その人の全体像についてもだいたいはずさないのだ。

エピソード5 トップを逃して満足するギャンブラー 154ページ

 上記は、「木を見て森を推測する」会計監査的アプローチの文脈で披露される。会計監査では、不正や粉飾に繋がりそうな重要な部分に絞って見ていく。
 「その人のいちばんいいところ」を探し出して、そこに注目するといいというのは、私もそう思う。自分と合わないなと思う部分は勝手に意識が向くが、勝手に意識が向く部分は、よく見たところで特に得られる有効な情報がない。返って自分のことはわかるかもしれない。
 人付き合いで大概は、森を吞み込むような理解は出来ないのだから、木を見て推測するしかないが、「その人のいちばんいいところ」は見る木として適当だということだ。百個焼いたクッキーのいちばんいいクッキーをよく見たところで百個のクッキーの理解は出来ないだろうけど、森は百個のクッキーではないのだよな。

 エピソード7では「数字のセンス」について記されていて、ありとあらゆる数字の背後にはちゃんと「意味」が存在し、その意味を読み取れることが「数字のセンス」が身についていることなのだが、それって(少なくとも会計的には)割り算ができるってことなんだなと思った。
 学習支援のボランティアで子どもの算数をみているときは、だいたい毎回割り算の話をしている。よりいっそう割り算の話に熱が入りますね。

 山田真哉さん、今どうしていらっしゃるのかな、と思い検索したら、YouTubeチャンネルがありました。面白かったです。