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雑記 十一月

出張と本

 そう多くもない出張の機会が2件立て続き、前後の仕事の調整やなんやかんやで忙しかったが、無事通常運転に戻った。
 どちらも電車・バスや飛行機での移動だったので、自分で運転する必要がなく、移動中の読書を楽しみにしていた。1件目の出張は、直前まで持っていく本を迷っていて、見事にカバンに入れ忘れたため、移動中はショックを受けながらnoteの記事を読んだり書いたり、仕事の資料を眺めたり、ウトウトしたりしていた。ちなみに、私は移動中にイヤホンをすることは滅多にない。
 2件目の出張は、その反省を踏まえ早目にカバンに本を入れた。読みたい小説があったのでそれにしたが、この出張とのとりあわせはどうかなあと思っていた。出張先は大学のある街で、思いがけず、その小説の中の青春と響くところがあった。活字から目を離し、車窓から見た海も心に残っている。いい街だった。今度は純粋に旅行で訪れたい。

電車の時間まで駅周辺を散策した

開高健『パニック』

 出張で泊まったホテルの近くにブックカフェがあると知り、遅い時間までやっていたので行ってみた。若い方が多いようだったが、それなりに大人の方もいらっしゃる。
 座った席の前に箱に入った文学全集が置いてあり、読んで大丈夫のようだったので、持参の文庫本はやめて、これを読もうと思った。開高健にする。

大江健三郎でもよかった

 家の積読の中に彼の『輝ける闇』があったなあ、と思いながら、最初にあった『パニック』を読んだ。前に読んだのは高校生の時だったかな。『裸の王様』が現代文の試験問題に使われていて、全文を読みたくなり、図書館で探した時に、『パニック』も一緒に読んだはず。

……皮肉な終末だと俊介は思った。あるわびしさのまじった満足感の中で彼は猫にむかってつぶやいた。
「やっぱり人間の群れにもどるよりしかたないじゃないか」

パニック

バイト先のセンパイ

 近所のコンビニの話。このnoteには、超優良店として何度か登場している。
 クーポンを使って深夜デザートを購入しようとしたが、読み込みが上手く出来なかった。おそらく新人で、高校生か大学生。
 センパイと思われる女性が来てレジの操作をし、クーポンは難無く使えた。その時の教え方が、言葉は端的で短く、口調は甘さがないのにとても優しい。そのあまりの優しい口調に、バイト先のセンパイの最高峰ではないか、と思う。このコンビニには何度も感動させられている。みんな優秀過ぎる。
 きっとこの新人バイトの学生も、そのうちこうやって後輩に教えるのではなかろうか。私もこの職場で働いてみたい。