逆の立場になった時
逆の立場にならないとわからないことがある。
例えば、今までは夫が働き、妻が専業主婦だったが、体調不良等から、夫と妻との立場が逆になった場合。
それまで、夫は家事については、掃除が出来ていない・料理の品数が少ない・惣菜ばかりなど、色々な文句を妻に言ってきた。妻がしんどい時でも全く考慮せず、手伝うこともほとんどなかった。
昼寝が出来たり、ゆったりした時間を過ごせると思っていたが、毎日量の多い服を洗っても、部屋を掃除しても、いつのまにか汚れてしまう。
食事も何を作るか・どこで食料を買うかなど、意外と考えなければいけない事がわかり、料理は好きだったけど、段々作るのが面倒臭くなり、惣菜が徐々に増えていった。
そういう日々が続くと、今度は子供や妻から「またこれなの?」「片付いてないよ」など少しづつ文句が出始めた。
自分なりに頑張っているのに、文句を言われて腹が立つ日々を送っている。
妻は、フルタイムで会社員として働き始めた。
毎日の通勤、職場の人間関係、やらなければいけないルーティンなど、今までとは違う刺激が楽しくて、これからは充実できる毎日を送っていけるとワクワクしていた。とはいっても、ある程度慣れてくると、何らかのトラブルやストレスを感じやすくなり、ある程度自分のペースで過ごせていた以前の生活に戻りたくなる。
帰宅すると、夫がゆっくりテレビを見て過ごしている状況を見て、無性に腹が立ち始めた。
自分がしていた時よりも掃除は出来ていないし、食事も惣菜が多いと(あれだけ今まで文句を言っていたのに)(食費も払っているのだから、ちゃんと作ってほしい)とイライラしてしまう。
…結構、相手に文句を言ったり、ケチをつける事は簡単だけど、その人の背景や見えない苦労などについては、その立場になってみないとわからない事も多い。
今、私も立場が逆転しつつあるけど、家族を養っていかなければならないという責任や不安・プレッシャーは、自分がその立場になってみないとわからない感覚だった。
相手の立場を思慮しながら関わる事が、精神的にも経済的にも、豊かさや安定がある日々を送れるようになることを最近痛感している。