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金継ぎと私
本漆を使用した伝統的な方法、金継ぎで器の修繕をしています。
金継ぎとの出会いは、器が好きだったことから始まりました。
器を集め始めたばかりの頃、いろいろな焼き物や作家さんを知りたくて見た本の中に、金継士の黒田雪子さんが紹介されており、黒田さんが修繕された器の美しさに魅了されてしまったのです。
割れてしまったら処分するしかないと思っていた器が、直して使えること。
さらに元の器と同じように、繕っていることがわからないように直すことだけを良しとするのではなく、繕った部分が目立ってしまっても、それを漆できれいに化粧し景色として愛でるということに心が動かされました。
早速お教室はないかと探し、ワークショップ形式の金継ぎ教室に通い始めたのが2016年6月。
とても楽しくのめりこんでしまい、その後もう少しいろいろなお直しを経験したいと長く通える教室に変更し2020年までお世話になり、その後独学で金継ぎを続けてきました。
その間、友人知人に声をかけて割れてしまったり欠けてしまったりした大切にしていた器を預からせていただき、たくさんの器の修理をさせていただきました。
金継ぎと呼ばれているものには大きく分けて二通りあり、それは私が行っている本漆を使うものと、合成うるし(うるしという名前ではありますが漆とは別物です)や接着剤を使用した簡易金継ぎなどと呼ばれているものです。
金継ぎでは器のお直しが多く、器というのは食べ物を盛り付け、時に器に口をつけて飲んだり食べたりもします。
食器にも使えるとうたわれている接着剤等もありますが、安全性の面でグレーな部分のある接着剤や合成うるしもあります。
そんな安全性の面もありますし、何より漆というものの柔軟さが素晴らしく、せっかく修繕するのであればしっかりと漆を使って美しくお直しをしたいという気持ちもあり、すべて漆で行う伝統的な金継ぎのみで修繕をしております。
2023年の夏、それまで住んでいた宇都宮より静岡の伊豆高原への移住を機に、今まで行ってきた金継ぎを仕事として行っていきたいと思うに至りました。
器を直して使うということに限らず、いらなくなったらから壊れてしまったから使わなくなったから捨てるという生活を変えたい。
器が壊れてしまったときはもちろん、買ったときは本当に好きで買ったのだけれど時が経つにつれ好みや状況が変わることもありますよね。
そんなときに直したり、自分の生活に合わなくなってしまったりしたものをそこで捨てて終わってしまうのではなく、次へ続く、自分で使う、使いたい誰かのもとに渡るというような、そんなものの流れを作りたいなと今思っています。
そんな中でまずはできることが金継ぎの技術を利用して、大切に思っている器を修復し、そこで終わってしまうかもしれなかった器の人生と持ち主との器との関係をもう少し先まで伸ばしていけたらなと思っています。
「大切な」というのは人それぞれ。
高価な器だけが大切なものではありません。
その人の日々に寄り添う普段着の器のお直しをしていけたらこんなに幸せなことはありません。
そんな気持ちで始めようとしている金継ぎの依頼。
依頼の仕方、いろいろなお直しの方法、それぞれの大まかな料金等、この後の記事を参考にしていただきたくお願いいたします。
また、これから金継ぎを始めたいななどご相談がある方は遠慮なくおっしゃってくださいませ。
わかる範囲でお答えできればと思います。
よろしくお願いいたします。