【あらふぉ~半生を振り返る】人生は修行
実家を一言で表すと「修行寺」だ。
「働かざる者、食うべからず」
この家訓と自立教育を両方兼ね備えたプログラムが我が家に存在した。
小学1年生:洗濯物をたたむ
小学2年生:お風呂を洗う
小学3年生:掃除機をかける
小学4年生:食器を洗う
小学5年生:洗濯物を干す
小学6年生:アイロンをかける
中学生:料理を覚える
高校生:アルバイトをする
こうしてみると大したことは無いが、これが「追加方式」になっていて、最後の方は夜アルバイトから帰ってきて家のことをやって、課題をやって4:00に寝る、という生活になっていた。
そうなるとどのように考えるかと言えば、
「早く…家を出なければぁ!!!」
となる。実に理にかなった、自立の為の教育プログラムだった。
高校生になるまで反抗期も無くぼんやり過ごしていたが、何故か高校1年の夏あたりに突然反抗期に突入した。
どういった会話だったかあまり覚えていないが、朝食のパンについて何か言ってはいけないことを言ってしまったようだ。
多分それ以前にも何かしら反抗的な態度があったのかもしれない。
母はそんな私に対してこう言った。
「明日から、生活費は自分で稼ぎなさい」
最終プログラムの「アルバイトをする」は
「生活費を稼ぐ」にランクアップした。
それからは家の中の消耗品、例えばティッシュBoxや洗剤や石鹸などは家の同じ場所に2つ置かれ、食事も別々になり、セーフティとして餓死しないよう、お米だけは家のものを食べて良いとなった。
ぐうの音も出ない状況に陥り、私の反抗期は長く見積もって半年程度で終了した。あるいは、反抗期を押し込めたまま大人になってしまったようにも思える。
今、このことについて考えるのは、
「この時代にスマホが普及してなくて本当に良かった」ということだ。
明日の食べ物にも困った時に、現代の闇に足を踏み入れてしまっていたかもしれないと思うと恐ろしい。
それはそうとして、結婚して家を出た時には、あまりの解放感に全力で踊り出すレベルだった。
…人間としての修行はここからがスタートだったと気が付くのは、だいぶ後のことだった。
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