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【短編】灯の国 -竜胆(りんどう)の町ー【架空の町4】

なだらかな丘陵地帯、東の端にある丘の大きな樫の木の根元にある町。
名前の通り、丘の一帯には紫や白の竜胆が沢山咲いています。

殆どの種は秋に咲きますが、春に咲く小ぶりの種もあるので、混み合う秋を避け春に訪れるのもおすすめです。


竜胆の根は古くから薬として用いられているせいか、漢方を取り扱う店が多く、薬を買い求める人々も多く訪れます。

この町は小さな人々の町ですので、大きな人は野営の用意を。

薬をお求めの方は、ご用聞きを利用すると町に入らずとも薬を調合、処方してもらえます。

名物は桃。正確には桃の葉です。

薬湯、お茶、湿布、塗り薬など色々なものに使えるそうです。
この町の桃は、残念ながら実の方は固く苦いので食用には適しません。

水に浸ぜば、どんな病もたちどころに治す酒になる桃「仙桃」などと言って、この実を売りつける詐欺師も居るので注意が必要です。

蓮の実を混ぜたモチ米を、蓮の葉で包んで蒸したおこわがとても美味しくてお勧めです。


-終-

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