相続登記と滅失登記の苦闘の記録~その8(完)なんとかひとまず終わる

いよいよ滅失登記の申請をしに法務局にやってきます。
法務局はたしか職員さんがお昼休みの時は受け付けていなかったと思うので、時間をずらして行きます。法務局の入っているビルの食堂が安くて美味しそうだったのでいつか使ってみたいと思ってましたが、あそこに行くときはご飯がのどを通るような状態でない時ばかりで行けずじまいのうちに、今は閉められたみたいです。残念です。

相続登記に続いて二回目の法務局ですが、今回は前回以上に気持ちが重たいです。果たしてこれで通るのか、通らなかったらどうしようか、2人待ちくらいの順番で待ちながら考えていました。

さて順番が回ってきました。
相続登記の時は省略しましたが、対応してくれたのは少し年配の男性でした。この時はまた別の、もう少し若いけど少し神経質そうな方でした。
これはちょっと大変かもしれないなと思いながら滅失登記したい旨を申し出て、書類を提出。一つ一つ確かめる職員さんに、解体した業者と時期がわからない旨を説明しながら、まずテンプレ通りの上申書を出しました。
こちらは諸事情あり解体業者も時期も分かりませんからご容赦ください的な事だけ書いてあります。
それを一通り読んだ職員さんは
「これでは詳しいことは全くわからないので通らない」
と鬼の首取ったようにおっしゃいます。
ですよね、やっぱりね、と思いながらじゃあこちらで、とファミリーヒストリーの方を出します。
予期せぬ二枚目にちょっと戸惑いつつ手に取って読み始める職員さん。
祈るような気持ちで待つ私。
読み終わった職員さん曰く、
「年号が統一されていない、西暦か元号かで統一してください」
との事。今思えば文書作成の基本ですが、当時の私はそこまで考えていませんでした。訂正印を押して変更してゆきますが、結果この訂正だけで受け付けてもらえました。
後日受け付けられたか連絡しますとのことで、返信用の封筒を渡して帰ってきます。
しばらくの間ドキドキしながら待って、音沙汰なかったので電話連絡してみたら「もう終わりました」とのこと。
連絡してくれるんじゃなかったっけ…?不備があった場合だけだったっけ…?とぐるぐる考えつつもそれから間もなく書類が返還され、無事に閉鎖事項で登記されていることを確認しました。
とりあえずこれで一通りの登記に関する手続きは終わりました。
年明けの1月の前入居者さんの退居から始まり、親戚に連絡を取ったのは4月、終わったのは実に10月でした。

そして滅失登記が終わったタイミングで地主さんと土地の賃借の契約を交わし、譲渡予定の親戚とともに顔合わせの会食。
いろいろありましたがここでは割愛して、とりあえず手放すにしても環境が整いました。やれやれです。

滅失登記は税金もかからず、建物を壊してすぐならそう難しいものではありません。むしろ登記してある建物なら絶対にやらないと次建てられないので、解体して更地にして新築の場合はおそらく建築会社の方ですぐやっちゃうので逆に心配いらないんですが、うちのような次に何も建てる予定のない場合はやってないパターンもあるのかもしれません。
さらに言うとうちの場合は借地上にあった建物だったため、この一軒だけを保有していたのなら解体によって借地権そのものを失います。平屋もあったので影響はありませんでしたが、もし更地になってしまってなおかつ土地は借りたいという場合は、土地を柵で囲んで立札立てて二年以内に建築予定とか書いておかなければいけないようです。

あと、さらにうちの場合で追記するなら、市街化調整区域に建っていた建物でした。市街化調整区域ではほとんどの建物が許可を得なければ建てられず、建造物によっては許可が下りないパターンもあると思います。
譲渡予定の親戚はここにいずれ何か建てたいと思ってるようでしたが、市街化調整区域では、以前建物が建っていた実績があれば同規模程度の建物なら建てられます。なので、閉鎖事項でも建物の登記の記録があればそれは強い証拠になります。もし登記してない建物なら、壊してしまえば証拠は残らず、次に建築したい場合むつかしくなってしまいます。
なのでもし、市街化調整区域に建物をお持ちで、壊して新築したい場合はどんなにボロボロでもいったん登記しておくといいかもしれません。
しかし登記は強い証拠にはなりますが、おそらくもう一つくらいは証明が必要で、それは納税証明書や固定資産の評価などになると思うので、そういうものも確保しておいたほうがいいかもしれません。
正直今回のうちのパターンでは、税務課ではすでに滅失の事実を把握していたため固定資産の評価すら受けられませんでしたので、もう一つの証明が果てしなくむつかしいような気もしています。まあそれは先の話です。絶対大変だけど今もどうしようもないし。

未来への火種は残しつつ、ひとまず登記は終了です。
何かのお役に立てたら幸いです、お付き合いありがとうございました。

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