貸家をゴミ屋敷にされた挙句家賃滞納された話~番外編その2(完)
こんどこそこれで最後になると思いますが、これでもかというめんどくさいことが退去後にすらありました。勘弁してほしかったほんとに。
物件明け渡しのあとご縁があって、とても良い条件の入居者様がすぐに決まり、のんびり進めるつもりだった修繕を急がねばならなくなりました。
屋根の痛みも気になっていたし、ガス給湯器も寿命を迎えていたのです。
入居ご希望は一か月後です。トイレのガラスもまだ割れたままで、いつも使っていた業者さんに急ぎお願いすることにしました。
私はというと、やはり草刈と、あと鍵の交換をしました。
かなり古いカギで治安にも不安があったので、この機会にいいやつに交換してしまおうと思ったのです。
自分で家の鍵を交換した経験はあったので、お金もないしここは頑張ろうと思ったのですが、純正でないカギとの交換は困難を極めました。そんな感じで私はたびたびこの家に通う羽目になりました。
そんな中の事でした、見慣れないガスボンベを発見したのは。
その家のガスはプロパンガスでした。というかその地域は都市ガスが通っていないのでプロパンオンリーです。ガス屋さんがボンベをゴロンゴロン転がして持ってきてくれるやつです。
先述の業者さんとの打ち合わせでその家に着いた私は、契約を切ったので何もないはずのガスボンベ置き場に、先日まではなかったボンベが置かれているのを見つけました。
プロパンよりは小さいけど何が入っているかわからない、種類の違うボンベがふたつ、プロパンのボンベに擬態するようにその場所に置かれていたのです。
よく見ると会社名らしきものが記載されています。
ガス会社の名前ではありません。
これは不法投棄だ、ゴミ屋敷だった事が知れ渡って不法投棄する輩がいるんだ、私はそう思ってまたまた絶望的な気分になりました。
先の入居者さんの築き上げたゴミの山の中にも、もしかしたらこんな風に不法投棄されたものがあったのかもしれないと思いました。そしたらまた捨てに来られるかもしれないということです。そんなのは本当に勘弁してほしいのです。
そこでとりあえず私は、警察に通報しました。
110番にかけてしまい急ぎの用ではないので申し訳なかったのですが、不法投棄があった旨を伝えたら数分後に警察官の方が来てくださいました。現場を見ていただいて先の事情など説明したら、警察ではこれを処分することはできない、ご自身でこのボンベにある会社を調べてみて欲しいと言われました。一応不法投棄などないように警察でも気を付けると言って下さり、写真を撮って帰られました。
その後清掃や修繕をお願いする業者が来られ打合せしたのち、私は家に帰り、また不法投棄などという関わりたくなかったワードで検索する羽目になるのです。
ボンベに書かれていた会社名も検索してみて、一つ心当たりのある住所が目につきました。
元の入居者の方が次に住むといっていた街です。
ピンときました。これだ、前の入居者さんの関係だ。
その会社のHPに飛ぶと電話番号とメールフォームがあり、休日の夕方だったためか電話は通じず、それぞれにメッセージを残して私はホームセンターに向かいました。
ホームセンターに何しに行ったって、カラーコーンとチェーンを買うためです。荒地なので野原のようだけど一応管理している土地であることをアピールしなければと思ったのです。予想外の出費に苦虫嚙みつぶしながらカラーコーン抱えて車に向かっていると携帯が鳴ります。覚えのない番号に、誰だろうと思って出てみるといきなり「誰ですか?」と聞かれました。お前こそ誰ですかと思って混乱していたら留守電が入っていたから折り返したと言います。あっ例の会社だ、とそこでようやく理解しました。会社名を先に名乗ってくださってたんですが、その会社名を速攻忘れていたのでした。これは私が悪い。
こんなに早く連絡が取れると思ってなかった私はこれ幸いと事情を話しました。最初高圧的だった相手方も警察に通報されて会社名が把握されたという事を知ったとたん態度が一変、ガスボンベはちょっと置かせていただいているだけ、もう二度と置くことはない、今あるものも近所の者がすぐに回収に行くと仰り、その電話の後間もなく、回収担当と思われる人から連絡がありました。いつ行けばいいですかとおっしゃるのでいつでもどうぞとお伝えしてカラーコーンを置きに戻ってみると、ボンベはもうなくなっていました。
不特定多数の投棄ではなかったようで、現在の入居者様からこれまで不法投棄があったという報告は受けていません。
とりあえずは最悪の事態は免れました。
しかし管理している物件の敷地内に不法投棄があったら、それ自分で処理しなければならないんですね。これもいい勉強になりました。
この時は幸いすぐに犯人が見つかって事なきを得ましたが(カラーコーンという予定外の出費はあったけれども)もっとややこしいものを敷地に捨てられちゃった人は大変だろうなあとしみじみしました。
でも対処してくれないとはいえ、やっぱり警察には連絡しておいたほうがいいと言うのも分かり勉強になりました。内容証明と一緒でけん制と証拠にはなりますもんね。
そんなわけでひとまずこの件のエピソードはここまでです。
まだ何かあったような気もするので、思い出したら書こうと思います。
お付き合いくださった方本当にありがとうございました。