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京都の思い出

路面電車の思い出

先日京都祇園花月に行ってきました。
いつもは山科から東西線に乗り換え東山で降りるんですが、今回は時間もあったので蹴上(けあげ)で降りてちょっと歩こうと思いました。
見出しはその時の写真です。

ちなみに祇園花月自体の思い出を書いた記事はこちら。

この何の変哲もなさそうな風景ですが、私が高校生の頃はこのあたりには地上を電車が走っていました。
いわゆる路面電車で、普通の電車と違うのは自動車用の信号で一緒に止まり、自動車の渋滞に巻き込まれると大幅にダイヤがくるってしまう点でした。ちなみに滋賀県大津市ではまだ路面電車は健在ですが、さすがに信号に巻き込まれたりはしません。

路面電車は道路の中央を走り、駅舎らしい駅舎はなく、乗客は自動車が行き交う真ん中の待合で風雨にさらされながら電車を待っていました。
ほぼバス亭のようなものでしたが、歩道で待つことのできるバスに比べて圧倒的に危ないですし、狭くてベンチも置けずみんな立ちっぱなしです。
見出し画像で言うなら安全地帯くらいの幅で、信号から向かって左に曲がったあたりにその待合がありました。
わかりにくいですがこの道は三叉路になっていて、信号の向こうに行けば岡崎公園、京都市の動物園があります。銀閣寺、琵琶湖疎水もこっち方面です。
左に行けば三条河原町方面です。

私は高校生の頃歴史が好きで、幕末が特に好きで、お金がないので蹴上で降りては三条河原町方面や円山公園、霊山護国神社まで歩いたものでした。
現在は地下鉄東西線が通り、京阪も山科までは市営地下鉄と同じ地下を通り、山科から昔ながらの地上線に戻りますが、当時からかなり風景は変わってしまいました。

最近になってもお能を見に来たりで東山あたりには結構来ていますが、蹴上で降りるのは久しぶりで、きれいにはなったけどあまりにもさっぱりしすぎて時の流れをしみじみと感じてしまいました。
あの待合で待つのはさすがにもう勘弁ですけどね。

京阪三条周辺

おなじみ!高山彦九郎像

祇園花月には昼公演と夜公演を見に行ったので、合間に久しぶりに三条河原町から烏丸御池駅のほうまで行ってみようと、徒歩でぼちぼち歩きました。
周辺の風景は変わってるような変わってないような。
京阪三条周辺も、変わってるような変わってないような…。
あの辺りはもともとしょっちゅう変わってる感じだったので、あまり固定のイメージはありません。

三条大橋を渡って、個人的に気になったのは池田屋跡が今どうなっているのかと、昔よく行った「せいほう」という紅茶専門店です。

池田屋は幕末にあった「池田屋の変」の舞台になった旅館で、その跡地は昭和になってからはいろんな店舗になりつつ、どこもあまり長続きしないので有名でした。それで今は何になってるのかなと行ってみたのですが、開き直って池田屋を前面に出した居酒屋さんになってて笑いました。
そういえば数年前にそういう話を聞いてた気がして、長く続いてるっぽいのでこれが正解なのかもしれません。
ちなみにこちらの店舗です。そのうち行ってみたいです。

ちなみに坂本竜馬が好物だったしゃも(軍鶏、鶏の一種)ですが、暗殺される日に下僕の藤吉にしゃもを買いに行かせてたのは有名な話です。
しかし竜馬が暗殺されたのは近江屋で、池田屋の変には竜馬は巻き込まれてはいません。お間違えなく。(※1)

「せいほう」と京都国際マンガミュージアム

そして紅茶専門店「せいほう」ですが、学生当時、紅茶好きだった友人によく連れて行ってもらいました。三条河原町下ってしばらく行ったところの細い階段を上がって二階にあったのですが、現在はその店舗には焼肉屋さんが入っていました。

せいほう自体は烏丸御池(からすまおいけ)に移転したという話を聞いており、京阪三条駅からは地下鉄東西線で二駅ほどなのでついでに行ってみることに。
烏丸御池駅を降りて、ハローワークに出る出口からしばらく歩いて間もなく見えてくるのが「京都国際マンガミュージアム」です。

京都国際マンガミュージアム外観
入口、右手のカフェの壁には漫画家さんたちのサインや絵が。

マンガミュージアムには普通によく訪れますが、ここにも実は思い出があります。

演劇の街でもある京都

小学校を再利用した建物としては吉本興業の東京新宿本社が思い浮かびますが、実はここももとは小学校でした。
私はかつて、ここが廃校になって、マンガミュージアムとして生まれ変わるまでの間に開催された演劇祭を見に来ていたのです。

京都は大学が多く、よって学生も多く、かつては学生演劇がかなり盛んでした。そしてそこから派生したプロの劇団も多く、京都は演劇の街でもあったのです。現在ではヨーロッパ企画さんが有名ですね。
そんな京都の劇団を集めた演劇祭が、かつて龍池小であったこの場所であったのです。
演劇祭は数日にわたって行われたうちの、好きだった役者さんの出演された一日を見に行きました。脚本は鈴江俊郎さん,。
夜公演だったので薄暗くなってからの入館でしたが、日没後の廃校直後の古い小学校というのはそれなりに雰囲気があり、不思議な空間でした。
公演は体育館だったと思いますが、現在もほぼそのままマンガミュージアムの講演で使われたりもしています。(某方の講演会に行って確認した)
校長室なども当時のまま残され、小学校だったころの資料の展示などもされているので、機会があったらぜひご覧になっていただきたいです。

そして紅茶専門店「せいほう」はこのマンガミュージアムの周辺に移転しており、探しがてらふらふらと散策してみました。
周辺は小さなオフィスおよび住宅街でしたが飲食店はけっこうたくさんあり、夕方からやってる居酒屋さんなども多かったです。烏丸御池はオフィス街なので、会社帰りの人がちょっと寄ったりするのかもしれません。
そんなことを思いながら歩くもなかなかせいほうは見つからず、諦めかけた頃に突然見つかりました。しかしどうも営業していない様子で、定休日というわけでもなさそうで、閉めてしまわれたのかもしれません。
かなり残念ですが見つかっただけ良しでした。

そんな感じで、この時点で地下鉄で東山へ戻りました。
ここ数年は東山界隈をうろうろすることが多かったですが、久しぶりに京阪三条方面に行けて懐かしかったです。
修学旅行生などもたくさんで、賑わいを取り戻しているのだなあと思いました。
これから蒸し暑く、夏にかけては焼け付くように暑い京都市内。
おいでの際には覚悟してどうぞ。

※1 竜馬に関する豆知識ですが、常宿でのちに結婚するおりょうさんと出会ったのは伏見の寺田屋です。
寺田屋のおかみさんだったお登勢さんは滋賀県大津市の出身。
ついでに池田屋の変のきっかけになった古高俊太郎は現滋賀県守山市出身で自治体で伝記も発行されています。
あと私が好きなのは竜馬ではなく中岡慎太郎です。
参考までに。

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