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バンドマンがLUNATIC TOKYO 2025に行ってきたよって話


lunatic tokyo  2025
行ってきましたん


前にこちらの記事で好きなバンドなのに観に行く気になれないって話を長々書いたのですが、結局行きましたね。



だってなんかコレで最後みたいな噂あるし!!

結構信憑性の高い温度でそういう話入ってくるんだもんさあ。そんなん嫌じゃないか!!


ちなみにlunatic tokyo てのは1995にLUNA SEAが初めてやった東京ドームワンマンのタイトルで、僕が中1の時に友達のお姉ちゃんが頼んでもいないのに「これ!みろ!」て貸してくれたVHSの名前です。



バンドのキャリアで、時々ミラクルみたいなライブ叩き出すってのはまあ往々にしてある話だと思うんですけど。

lunatic tokyo に関してはもう色んな要素が重なり過ぎて ミラクルじゃ済まないレベルの。

日本ポピュラーミュージックの歴史に残るレベルの伝説を

叩き出してしまった感じがあります。

当時26歳??


小さなライブハウスでやってるみたいな温度感と緊張感をドームにそのまま高純度で持ち込んだっていう成功例。


当時の僕は「なんか派手な髪の人達が走り回ってジャンプしてる」くらいの印象で、実際にその凄さが判ったのはもう少し後。
楽器とかバンドをやるようになってからです。

↑何故そんなに走るのだ

あんまりにも凄過ぎて、LUNA SEA自身もその後苦しかったんじゃないかって思うくらいです。


実際その後〜現在に至るまでライブの構成が「lunatic tokyo 風」に固定された感はあったし。

2007年の復活ライブの東京ドームとかはかなり「lunatic tokyo 再現」感あったなー


セトリがマンネリって意見もチラホラ散見するようになったけど、バンド側からしたら「お客さんが満足度高い構成を考えたらこうなる」ってのを真摯にやってるだけだと思うのに、結果それが過去のベストテイクをなぞる形に見えるんだろーな。って思ってます。

「鉄板」ってやつですね


てか、観てる方も「鉄板な感じでやってくれ」って気持ちと「たまには定石崩してくれ」みたいな気持ちが半々ってゆうワガママな気持ち抱えてライブ行ってる
本当消費者は勝手だぜ。


で、で、今回30年ぶりのlunatic tokyo ですと。


2%くらい「まだ擦るのか!!」って思いもありつつ。やっぱ字面に興奮しちゃう自分も居たり。

でも前に書いた理由で行くの迷ってたり。

自他共に認める最高到達点を冠するって事はバンド側も生半可な気持ちでは無いだろうし、演出とかも進化してるから絶対凄いだろうし行きたいなあって気持ちと。

リアルにフィジカルの事とか考えたら、20代と同じ方向性のライブとか不可能だし、何となく「良かった時期」をなぞるみたいな感じなのは嫌だなあって気持ち。


そもそも声が大丈夫なのかって思ったり


こんなに不安な気持ちでライブ観に行った事ないよ!って思いながら席に着きました。


パンク畑のバンドマン結構来てた
何ならメンバーも来てた




結論から言うと「行って良かったー!!」です。



危惧していた「同期ボーカル」ですが、ゼロでは無かったけど想像より全然少なくて、恐らく八割くらいはryuichi先生歌ってたのでは?て思います。


じゃあその声がどうだったのか?て話ですけど、「全盛期と比べる」って思考が野暮に思えるくらいに、逃げずに立ち向かってるのがしっかり伝わりました。

実際かなり近年では出てたと思うし。

コレが観たかったんだなーって思いました。

クオリティ面考えたら同期使った方が絶対良い!ってのは当たり前の話で、

その当たり前に

必死に喰らいついてフィジカルと工夫で超えに行くその姿が観たかったんだ。




それは、学生時代に「lunatic tokyo 」のVHSを繰り返し観ながら「何でこんなに胸打たれるのか?」って所と共通する部分でした。


VHSで何度も観た絵を思い出します。

95年のルナティックのライブの後半。
全弦解放で花道を全力疾走するメンバーを観ながら

「この人たちは何故こんなに走ってるんだ」

と不思議ながらも胸打たれていたこと。

↑何故そんなに走るのだ


「絶対に今日をええライブにしたんねん」ってメンバーの気迫が狂気的な運動量に表れていたんだなって事。


そして古くから見守ってくれてるファンの人達との信頼関係が、それを可能にしたんだなって事。

その全てが、バンドとしての理想の形じゃないですか。憧れますよ。



あれから30年。 

別の形でその相思相愛関係が東京ドームで観れた事に何よりグッときてしまいました。

当時とは全く違う声になっても、高音がキツい場面があっても、とにかくフルスロットルで歌う。その姿に

「絶対ええライブにしたんねん」

の気迫を痛いほど感じました。

前回観た時同期だった部分がしっかり音程届いてる場面が何回もあって、正直泣いた。


受け取る側も

「あんたならやれる!やれる子やで!ryuichiはん!」

って気持ちが充満してました。

しかし黒い


こういうのグッとくるよねー





まあTwitterとか観てるとこんな意見の人もいます。
ライブに行く前の僕と似た意見ですね


「それはクオリティとは別の話だよね。現実全盛期より声は出てない。ドラマ的要素やメンバーの気持ちに寄り添う事を求められるそれは、果たしてプロのそれと言えるのか?」



まあ黙れ野暮天。






開演するまで一ミクロンもメンバーに寄り添う気持ちの無かった俺が観て


最高に良いライブだったって感じたって事でここは一つ良いじゃないか。


確かに20代の時と比べて失われた物もあるかもしれないけど、昨夜のドームの空気を作り上げたのが、35年間でバンドが積み上げた物。


フィジカルと工夫を駆使して小さなライブハウス時代から凄いライブを繰り広げて積み上げてきた物だったとしたら

それ自体が偉業です!と断言しますね!





まあ勿論「歳とったなー!」とか「丸くなったなー!」って感想もありますけど!


これは先日のL'Arc〜en〜Cielを観た時にも思った事なんですけど。




いわゆるこの日本が産んだ「ビジュアル系」

オー!ジャパニーズ visual-kei!!


ってバンドに付随するイメージあるじゃないですか。

舞い降りる白い羽根…


閉鎖的な牢獄…



ステンドグラス…



なんかオリンポス的な白くてデカい柱…



サイゼリヤ…天使が描かれる宗教画…






コレらの非日常幻想詰め合わせセットと最も食い合わせが悪いのが

「ほうれい線」


だと思ってて、まあ要するに人間の加齢って言う最も現実的な要素と 非現実を謳うVISUAL-KEI食い合わせ悪いジャンルだな〜って思ってたんですね。


まあ当時の本人達も50過ぎてまでやってると思って無かったんでしょうけど。



で、大スクリーンに映されるメンバー達に刻まれた皺を観ながら


「この日本で産まれた特異な文化が、この令和に"歳取ってもやれちゃうんだぜ"って新たなフェーズに突入しているまさにその歴史の瞬間にいるのかもしれん」

って感慨深くなりました。



上手く言えないけど、身近な50代の知人が


「ステンドグラス背負って 羽根降らせて歌う」

とか言い出したらそっと縁を切ると思うんですけど


50代バンドマンはそもそもの顔面の強さやアーティスト性やそこに内包する歴史やドラマを舞台装置に変えて、そのほうれい線すらもvisual-keiとして色気に変えてこの規模で成立してるってゆう

昔だったら想像もしない事が今目の前で起こってるのでは…と震えました


毎日納豆めかぶ食べよ…hydeの常食らしいぞ…



まあそれだけじゃ無くてメイクとかヘアメイクとかアンチエイジングとか舞台技術や音響の進化がそれらを現実にしてるって事ですよね

映像もライトも綺麗だったなー!!


そういやこないだのラルクでもステンドグラスがスクリーンに大写しになってたな。
もうクラファンとかして東京ドームに巨大なステンドグラス置いとけばいいのでは。俺も出すよ。



あと何年か経てば

「オー!ジャパニーズミュージシャンは歳を取る程にゴージャスエーンドグラマラスになってゆく!エキセントリック!」

って海外で認知されそうな気すらしてる。


そう!構成的な部分でも


「この絵見たことある!!」て「95年のオマージュ」と


花道ドラムソロは無条件でアガる



「えっこの曲チョイスすんのー?!」て「サプライズ」

が凄く良いバランスで共存してて。

LUNA SEA 良い作家ついてる??


って感動しましたね。

スクリーンがでけえの助かるよな




「ベスト盤みたいなセトリかなー」って予想してたんですが結局シングルは全体の3分の一とかかな?


トータルタイム4時間弱


このクソ長いライブのタイトル全部をちゃんと丁寧に伏線回収してて、ライブハウス育ちのバンドとしての矜持に震えましたね。

タイトル長過ぎて影アナの人が噛み狂ってたのもよかった


本編ラストにデモテープの曲で終わるとかね。

ドームやで? 



噂されてた解散や休止も無く、これからもやってくよーって元気な声で聴けたのも良かった。

しかし黒い


うん。本当に行って良かったし、あんまり普段思わない事ですが、「83年に産まれてよかった〜」
「バンドやっててよかった〜」って思いで一杯になりました。

まだここで観たいなあ。




追記

先輩に「俺ぐらいになるとなんか使うギターで次の曲なんとなくわかっちゃうのが悲しいんすよね」て言ったら


「それはもうバンドの責任じゃない」って怒られました。

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riddletkhr
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