ロスギラを使う上で知っておくべきこと
初めまして。池袋・秋葉原を中心にポケカを遊んでいるダイチと申します。
今シーズンはシティリーグ、CL、ICを全てギラティナと共に歩んできました。そろそろシーズンが終わるため振り返りとして今シーズンのギラティナについて書こうと思います。最後までお付き合いいただけると幸いです。
ロスギラとはどんなデッキか
みなさんはロスギラというデッキについてどのようなイメージをお持ちでしょうか。難しいデッキ、不利対面の無いデッキ、雪道を失って終わったデッキ、、、など使った側、使われた側によって色々なイメージがあると思います。筆者の思うロスギラを一言で表すとこうなります。
「誰にでも勝てる相手依存のデッキ」
誰にでも勝てるは言い過ぎだとお思いの方もいるかもしれません。ではこういう主張はどうでしょうか。
ルギアは「誰にでも勝てる自分依存のデッキ」
こちらは少し納得感があるのではないでしょうか。伝説の呪文「先1ハイボアーケアーケ」。続いて「ボスストームダイブ」「ボススペシャルコロコロ」「ボスごっつぁんプリファイ」
相手が誰かによらず勝っていそうな気がしませんか。
誰にでも勝てるとはどういうことか。それはサイドの有利交換ができ、コントロール耐性があるということ。
自分依存とはどういうことか。それは自分の行動のみでサイドが取り切れるということ。言い換えると、デッキとして可能な動きの100%をぶつけ合った時に勝つ側にいるということです。
話を戻します。
ロスギラのデッキとしての特徴は以下の通りです。
・攻撃手段がベンチ狙撃を含めて複数ある
・入れ替え手段が豊富にある
・そこそこの耐久がある
・そこそこの火力がある
上2点が「誰にでも勝てる」の根拠です。ロストマインを経験したことのある方ならご存知だと思いますが、ロスト系統のデッキに対して盤面で勝ちを確信できるタイミングはかなり遅いはずです。また、詳細は割愛しますが、入れ替え札が6枚以上搭載されていることとギラティナVの性能によりコントロールに対しても強く立ち回ることができます。
次に「相手依存」についてです。これはアタッカーの質によるものです。
登場から時間が経ち、ギラティナの単体性能は相対的に下がってきています。倒せない相手、簡単に倒される相手が増えてきた中、100%の動きをしてもそれだけで勝ちは約束されません。ではどうやって勝つかというと、相手に100%の動きをさせないことが必要です。手札干渉、ロストマイン、げっこうしゅりけん、最速ガチグマなど。
手段はなんでもいいのですが、「これをされたら負ける」という動きをさせないことで勝つことを目指します。そしてロスギラには「させない」ための手段が複数存在します。
逆に言うと、ロスギラと対戦するときはやりたいことができたら勝てるということです。
まとめると、
・相手にやりたいことをさせたら負ける
・相手にやりたいことをさせなければ勝てる
・特定のカードで詰むことがない
というのがロスギラの特徴で、それを一言にすると
「誰にでも勝てる相手依存のデッキ」
となります。
少し感覚を共有すると、ロスギラで拮抗したゲームをすると、ターンが返ってきたら勝ち、返ってこなければ負けという状況になることがよくあります。
そうなるとロスギラ側にできることは特になく、相手の動きを見守るだけになります。
この状況を筆者は「応援」と呼び、応援が特に頻発する対面を「応援対面」と呼んでいます。
以上がロスギラの概要の説明になります。
今までロスギラを使ったことがない方、今から使い始めるのは正直おすすめしません。正しい選択をし続けた上で運ゲーになります。むしろ今挙げたものと後述するロスギラの弱点を理解して対策する側に回ることをおすすめします。
ロスギラの歴史
今のロスギラの話をする前に、今シーズンに起きたロスギラ的「事件」を紹介していきます。今のリストに至る背景として気楽に見ていってください。
2023年9月:ジラーチの登場
ロスギラの新シーズンはここから始まります。ジラーチの特性「ステラヴェール」によってロストの主力武器だったヤミラミのロストマインが対策可能になりました。これによって長らく変化のなかったロスギラの戦い方が変わることになりました。
2024年1月:雪道のレギュ落ち
「頂への雪道」というカードをご存知でしょうか。雪道ギラティナの全盛期を支えたカードです。「雪ツツジカウキャロストマイン」という呪文を成り立たせたパーツです。このカードがなくなったことによってリザードンが大きくシェアを伸ばし、多くの人が一度ギラティナを諦めることになりました。
2024年2月:イサハ型の登場
リザードンが圧倒的なシェアを占めていたことによってギラティナに新たな可能性が生まれました。それがイサハ型です。テツノイサハが何もない盤面からリザードンをワンパンできるため、リザードンとギラティナの単体性能による相性差をデッキとしてひっくり返すことが可能になりました。
2024年3月:ガチグマの登場
相変わらずリザードン環境が続く中、ガチグマが登場しました。これによりロスギラはたねexを何もないところから倒す手段を手に入れました。環境としてはカビゴンがやや増加し、ロスギラの立ち位置がさらにさらによくなりました。
2024年4月:ドラパルトの登場
ここからが現環境(2024年5月現在)になります。これまではギラティナが倒せない大型はリザードンだけと言っても過言ではなかったため、弱点をつくテツノイサハを採用することでなんとかなっていました。しかしドラパルトは弱点なしのHP320。これとどう向き合っていくかというのが大きな課題になります。
ドラパルトの増加にともなってリザードンが減って、環境の分布が大きく変わり、それに対するロスギラの答えも様々でいわゆるテンプレはまだ出来上がっていません。ではここから今のロスギラの話をしていきます。
と、言うわけで本編へどうぞ。
環境のおさらい
ロスギラの「答え」の話をする前の準備として、ドラパルト登場以前と比較してどのように環境が変わったかなるべく時系列順になるように説明していきます。まだ環境が動いているため来週にはまた何か大きな変化があるかもしれません。
ドラパルトの台頭
まず最も大きな要素として先述したドラパルトの台頭があります。弱点なしHP320かつファントムダイブによってサイド1を押し付けづらくなっているという点で従来のイサハ型では勝ちにくくなっています。また、ファントムダイブにより今までよりもいれかえカートの価値が上がり、シンオウ神殿の採用増加によりジェットエネルギーの価値が下がっています。
リザードンの変化
ドラパルトの登場によりリザードン側が「対策する側」に回ることになりました。これにより「ビワ」、「かがやくリザードン」、「ジラーチ」の採用が減りロスギラ側のプランが通りやすくなりました。
ルギアの変化
レガシーエネルギー登場によりルギアに採用されるアタッカーに変化がおきました。具体的にはテツノカイナ、水オーガポンなどによるサイド2枚取りを気にしなくてはいけなくなりました。一方、Vガードエネルギーの採用が減ったというのは少し追い風です(ギラティナ増加に伴ってまた採用が増えている気もしますが)。
メタデッキの登場
ドラパルトのシェアが一気に増加したことによって「ドラパルトに強いデッキ」が環境に姿を現すようになりました。その代表例がハピナスマシマシラです。高耐久+マシマシラによるベンチの回復という組み合わせはドラパルトの主力武器であるファントムダイブを完封できるため環境トップに対する回答の一つなのですが、ロスギラもこの組み合わせは得意ではありません。
アグロデッキの増加
ドラパルトが比較的遅いという点をついて、「ドラパルトに攻撃される前に勝つ」というコンセプトで組まれたデッキが環境で強くなりました。ミライドン、シークレットボックス型ロストバレットがその例です。最速でテツノカイナによる攻撃を仕掛けることでドラパルト側が間に合わなくなります。
アグロデッキに強いアグロデッキの増加
ミライドンが増えたことで高耐久、高火力、高速という高い単体性能を持つex、Vを主体としたデッキが姿を見せるようになりました。ライコオーガポン、ウガツホムラなどです。ギラティナにとって高耐久、高火力は苦手なのでシェアによっては対策が必要になります。
ロスギラの型
さて、ここから今あるロスギラの型について説明していきます。ロスギラは採用しているACE SPECによって大きく
プライムキャッチャー型
アンフェアスタンプ型
マキシマムベルト型
の3つに分類できます。それ以外にも
シークレットボックス型
回収サイクロン型
なども存在しますが、本稿では先に述べた3つの型を扱います。
まず、それぞれの型について特徴を説明します。
プライムキャッチャー型
サンプルリスト
基本方針
プライムキャッチャーというのはサイドが先行している時に使用できるベンチの呼び出し札です。プライムキャッチャーを採用するならサイドを先行することを目指すため、デッキ構築もそれに合わせて前のめりのカードの採用が多くなります。
利点
サイドプランが相手の動きに影響されにくいため手札が整えば有利な状況を保ったままゲームを進めることができます。また、最終盤におけるプライムキャッチャーはツツジ、アクロマから繋がる呼び出し札としてボスの指令と比べて手札干渉後のリーサルを決めやすくなります。
デッキ構築上の利点として、呼び出し札との入れ替えとして採用できるため他のACE SPECを採用する場合よりもデッキに1枠余裕ができます。
欠点
プライムキャッチャーはあらゆる対面で有効に働くためこのカードの採用による欠点はありません。これは全てのACE SPECに共通することですが、他のACE SPECを採用できないというのが最も大きな欠点になります。具体的には
HP290以上をワンパンできる権利が一度しかない
上記に伴って封印石を使いにくい
ロストが貯まっていないときに手札干渉が使いにくい
この欠点、特に火力面を補うためのギミックをデッキ内に採用する場合、利点で述べた空き枠をこれに割くことになります。
アンフェアスタンプ型
サンプルリスト
基本方針
手札干渉をグッズで行えるため、ロストを貯める、ベンチを呼び出すなどの行動を同時に行うことができます。他のACE SPECよりもロストマインの価値が高くなります。
利点
序盤から手札干渉を行うことで相手の後続アタッカーの成立を妨害し、攻め続けることができます。アンフェアスタンプ→ツツジのように毎ターン手札干渉を行うことで不利対面に対する勝率が高くなります。
欠点
アンフェアスタンプも機能しない対面がほとんどない(コントロールを除く)ため採用そのものによる欠点はありません。そのためプライムキャッチャー型の欠点と基本的には同じですが、高耐久を倒せない問題を手札干渉による相手の下振れに委ねるため運要素が強くなります。
マキシマムベルト型
サンプルリスト
基本方針
マキシマムベルトの特徴はロストインパクトの打点が330になることです。アタッカーの比重がギラティナに寄るため、ギラティナが最も活躍できるように動きます。
利点
マキシマムベルトによってデッキ内のアタッカーの打点ラインが変わります。具体的には、
ガチグマ:240→290でピジョットex、おまもり付きexを倒せるように
ギラティナ:280→330で2進化exを倒せるように
ギラティナ1体でサイド4枚取ることも容易になるため勝ちまでのプランが最も明確になっています。また、ビワの効果対象外なためほぼ確実に打点を通すことができます。
欠点
ゲームプランがマキシマムベルトに依存しているため、サイド落ちやはなえらびの選択肢によって勝ちにくい試合が発生することがあります。また、マキシマムベルトは高耐久のexに対してのみ効果を発揮するため、対面によってはACE SPECなしと同等になってしまいます。
まとめ
以上、ロスギラには色々ありますが、結局どれが強いのかという話になります。ロスギラ使いとして、答えは内緒としておきます。リストがテンプレ化していないのも今のロスギラの強みの一つなので、それぞれのリストにおけるカードの採用理由もここではあえて触れません。
どうしても気になる方のためにこの先で筆者が今使っているリストについて話します。環境が変わったら無料公開にするので今しばらくお待ちください。
ここまで読んでいただきありがとうございました。
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