半年間の長期インターンを経て
アカツキCEOの塩田さん著の『ハートドリブン 目に見えないものを大切にする力』を読んで、自分に正直になろうキャンペーンを実施することにしたので、その一歩目として、休学生活の6ヶ月を捧げたインターン生活を振り返ります。
出来るだけ正直なことを、カッコつけることなく、その上で卒業してから一ヶ月が経った今の視点から振り返っていきます。
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最初に インターンを始めたきっかけ
僕のインターン先は、「エイチーム引越し侍」という会社でした。親会社の「エイチーム」は、ゲームなどのエンタメ領域や、結婚や引越しなどのライフイベント領域・EC領域などを手がける名古屋のメガベンチャーです。
インターンのきっかけは、説明会にむりやり連れて行かれたことです。
犯人の堀成海(ほり なるみ。大学の同級生の友人で今の創業メンバー)です。
説明会に来た自分はこんな感じでした。
「オフィス広い!綺麗!」
「なんかイケてる!」
そんな単純な気持ちで面接を受けに行きました。なぜか寿司のタイピングをさせられました。その後ゆくゆく自分の上司になる部長の方と、引越し侍の社長の2人がやってきました。
「将来的に起業したいです!そのための経験を積みに来ました!」
なぜ起業したいのかもどんな事業を作りたいのかも曖昧でしたが、自分の思いは正直に伝えたいという気持ちから、真摯に伝えました。今思うと少し恥ずかしいですが。
無事採用され、3月1日付で、インターン生活が始まりました。
僕が配属されたのは「ファインドプロ」というサービスです。2018年の夏にローンチしたばかりのまだまだ若いサービスです。
(ハウスクリーニングとか、害虫駆除とかの「生活関連のプロ」に仕事を依頼できるサービスです!)
僕と同日に、僕と同級生の大学3年生の奴も入社しました。二人合わせてインターン第1期生として入ることになります。
13:00からのランチタイムは毎日の楽しみでした。
1章 インターンでやったこと
ファインドプロは、エアービーアンドビーみたいなツーサイドマーケット型です。僕たちインターン生の仕事は、全国の事業者へ掲載の許可をいただく営業がメインでした。テレアポってやつです。ただひたすらに毎日、掲載許可をいただくために事業者さんに電話をかけ続けました。
当時も今でも、「俺って営業マンなんだ/営業マンだったんだ」と信じられない気持ちです。営業という泥臭い仕事を自分はするはずがないという偏見があったからかもしれません。
後輩インターン生の営業ロープレを手伝ったり、ネット上から新しい営業相手を見つけ出してくるなども仕事でした。営業相手は自分たちでネットから探してくるという「営業相手の自給自足」状態が常でした。19時までの勤務が終わると、ドッと疲れが押し寄せてくるような体力を使う仕事でした。
こんな生活を、平日の週3日で10:00~19:00で続けていました。残りの週4日でなかなかできない勉強の時間にしたり、色々な人と話をしたりしました。知るカフェでの勤務も平日の残り2日でやったりしていました。
結果が出た時には、ご褒美のタピオカなんかもあったりしました。
2章 インターンで学んだこと
インターンをやっていて学んだことは本当にたくさんあります。すごく些細なことから、とにかく大きなことまで、自分にとって糧になる半年間でした。
①社会人経験をするということ。
僕はまだ大学生で、大学生同士の関わりが圧倒的に多いです。調子に乗っていろんなことをやっていたので、うざい言い方をすると「俺、優秀じゃね?」と思ってしまうことがたくさんあります。
じゃあ、実際に学生という身分を一旦捨てて、社会に出てみるとどうなるか。
自分はまだまだ何もできない、ただの若造でした。
なんとなく見よう見まねで先輩方の仕事スタイルやコミュニケーションをやってみるのですが、なかなか追いつかない。特に「ビジネス用語」や「数字」には苦労しました。今も絶賛苦労してます。もちろん社会に出た年数次第みたいなところがあるので、こればっかりは今のうちから「俺全然ダメだわ」と気がつけてよかったです。追いつかなきゃいかんと勉強中です。
一方で、これなら社会人に勝てるなと思ったこともありました。自分は週4日の「余白」があります。いろんなことをググってみたり、ツイッターで検索してみたりすると、先輩方じゃ知らないとこから情報をゲットできます。それを持ち帰ると、貴重な情報として扱ってくれます。専門性では勝てないけど、突拍子もない部分では勝てると思いました。
強みはこれからも継続して、足りないところはこれからも時間をかけて追いつき、追い越していきます。
②ガチで働いている人に出会えたこと
エイチームには「30分面談」という文化があります。「1on1ミーティング」とか言うやつです。普段なかなか話せない仕事の悩みや、提案、プライベートの話。とにかく30分はお互いで話す時間にするというとても素敵な文化です。
ファインドプロを立ち上げた僕の上司の方が30分面談で話してくれた言葉を覚えています。
「僕はこの会社で結果を出したい。30歳で役員になりたい。
そのために今、死ぬ気で働いてるんだ」
そう、笑顔で語ってくれました。
何かを成し遂げたいという情熱は、人をここまで突き動かすんだ。
心を打たれました。こう在りたいと思いました。ガチで働いている人と、半年の間まじかで働くことができたのは、とても大きな経験でした。
③人の分だけの幸せがあるということ
結果を出している人のみが成功者だと思っていました。それ以外の人は、成功者に使われる側の人間。残酷だけどそんな構造なんだ。そんな風に思っていました。
でも、それは全然違いました。
インターンの先輩方は「小さい子供がいる」世代の人たちが多かったです。先輩方はみんなお父さんです。
先輩方は、毎日幸せそうなんです。大切な家族のために働く。週2日は家族と過ごす。その時間のためにまた仕事をする。
「自分はXXのために働くんだ」という信念。XXには昇進や給料が入るかもしれないし、家族や恋人が入るかもしれません。大事なのは、「XXを自分で決められること」「相手のXXを受け入れられること」だと思います。
そんな幸せの形もあるんだと、実際に幸せそうに働いている人を見て気がつきました。
3章 インターンを卒業する決心
最初は3ヶ月ですぐに辞める予定でした。別に営業マンになりたいわけじゃないし、正直ここの会社でなくちゃいけない理由もありませんでした。
予定していた3ヶ月にもう3ヶ月を足して、結果的に6ヶ月を過ごしました。
最初の3ヶ月は、あっという間に時間が過ぎて行きました。このまま卒業したら、何を学んだのかわからない。もっと成長したい。その思いでもう3ヶ月挑戦することにしました。時間をかけて突き進んでいけば、学べることももっと増えていくし、大きくなるだろう。そんな風に思っていました。
一方で、このままでいいのかなという思いもありました。このままインターンを1年間やり続けるのか。それとも卒業するのか。
本当にこのまま働き続けてもいいのだろうか。何度もこの問いが頭に浮かんできました。
決断をしたのは、ふとした恋人の一言でした。このまま続けようかどうしようかなと相談したら、いつも気の緩んだ雰囲気の彼女が珍しく真剣な顔をしてこう言いました。
「せっかく休学したんだから、いろんなことしたほうがいいでしょ」
ーー自分はなんのために休学したんだっけ。
去年の冬、勇気を出して休学をするという選択をしました。なかなかに勇気が必要だった決断でした。休学をしたのは、もちろん実際の社会でインターンをしたいという思いもありました。でもそれは、自分で事業を作るための手段としてです。
自分は事業を作りたい。なんでかは分からないけど、このままじゃ死ぬときにきっと後悔することになる。苦しい道なのはわかっているし、このままの方がきっと幸せかもしれない。でも、直感がそう言っているんです。
次の30分面談で、きちんと話をしました。
お世話になっている先輩は、自分の話をしっかり聞いてくれました。そして、受け入れてくれました。
「水元くんなら大丈夫。僕たちも心から応援して送り出すよ」
そんな風に言ってくれました。本当に感謝してもし切れません。
4章 インターン最終月、そして。
30分面談で話をしたのが、4ヶ月目です。約束の6ヶ月まであと2ヶ月。その2ヶ月はこれまでよりも働きました。かと言ってすぐに結果には現れません。絶対に目標を達成して卒業したい。でも数字が出ない。この2ヶ月はなかなか苦しい時期でした。
5ヶ月目、目標にあと少しで届きませんでした。もうこのまま6ヶ月目も適当に終わらせようかな。別に所詮インターンだし。そんな風にも思っていました。
最後の30分面談。その時の言葉が自分に、鋭く刺さりました。
「水元くんは今月で最後だよね。結果はどうであれ卒業は変わらない。でも、結果を出せなかったらみんなは「もう水元は卒業するから気持ちがなくなったんだ」って思うんじゃないかな。それにやり切れないまま卒業することになる。水元くんはただお仕事ごっこをしにきただけなのかな?違うよね。強い思いがあってここで働いているんだよね。じゃあ、最後に結果見せて気持ちよく卒業しなよ!」
最終月の8月、今までやってきたことを総動員しました。コツコツと数字を積み重ねていきました。今までなんとなくこなしていた行動量も意識しました。そして。
6ヶ月のインターンの、最終日。あと1社で目標達成。
そんな時、以前契約した1社から「うち、他にも2店舗運営しているから、そっちも後から契約するよ!」と言ってくださいました。
残念ながら最終出勤日に、目標を達成することはできませんでした。でも。卒業してから僕からの契約が2件、入ったと思います。入ったのかな?入ってないかも。結果はわかりません。でもきっと僕がいなくても他のメンバーが契約に繋げてくれているはずです。
全く達成が見えない状況でした。最終月にして初めて、達成できたと思っています。本当はもっと120%達成で終わりたかったけど、でも初めて100%を意識して全力で追いかけることができました。これから先は、目標達成を絶対に諦めたくありません!
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出勤最終日は、インターン生のご飯会がありました。たまたま僕の卒業日が被ったので、卒業祝いをしてくれました。
とても素敵な仲間に恵まれました。半年間ありがとう!!!
最後に
これから先、インターン経験を生かして、事業を作っていこうと思います。創業前なのに意見のぶつかり合いばかりですが、とても素敵な仲間にも恵まれました。
もっと規模の小さなスタートアップでインターンしたほうがよかったのかな。営業じゃなくてもっと違う職種をやればよかった。最初から起業していればよかった。いろんなことを考えてしまいます。
でも、この選択をして僕はよかったと思っています。
この選択を、正解にしていくのは自分だと思います。
インターン編は、これで終わりです。次は創業編。
また言葉にして書きたいと思います。続く!