僕を引き留めるもの
肉の旨みと油を吸った茄子ってうめぇな。
姉ちゃん、ありがとう。
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清算グセだの、他人への関心が薄れがちなスキゾイド風だの、自分を理解されてたまるかだの。
色々言っとりますが、やはり、僕を闇の手前で引き留めてくれるのは周りの人々で。
友達で。家族で。
その温かいとも、身勝手とも取れる、僕を引く手が、僕を闇じゃない方へ連れ去ってくれる。
今まで関わってきた人たちの前からエスケープしたいと思うのは、本当の気持ち。
でも、こんなにも素敵な人たちと、あえて距離を取るなんて、もったいないというのも、本当の気持ち。
有限な時間を、もう自分中心に割きたいと思うのも、本当の気持ち。
限りある時間だからこそ、誰かのために使いたいと思うのも、本当の気持ち。
かつての姿と、求められているかもしれない姿と同じように接する自信がないと思っているのも本当の気持ち。
今の自分を理解できなくていいから知ってもらいたい、愛してほしいと思うのも、本当の気持ち。
ひとりでいると、思考は深まるが、凝り固まってしまう。
固めた方がピントがぶれない。
突き進める。
でも、好きな誰かといると、確かに景色がほぐれて。
でも、ピントがぼやぼやになる。
考えさせられる。
考えることは好きだけど、考えさせられることは大変。
とても栄養になるけれど。
なにかを頑張れない時、誰かを理由にしてないか。
こんなに無責任でも、自分勝手でも、だれかと一緒にいたいと思っていいのだろうか。
変わる勇気はあるのだろうか。
変わる余裕はあるのだろうか。
途中で投げ出してしまわないだろうか。
途中で、諦めてしまわないだろうか。
〈今日の一曲〉少年少女ではなくなった/日食なつこ