愛が伝わる伝え方

写真好きが高じて、つい最近小さなお店を始めたわたしですが、先日お店を始めたきっかけを問われることがありました。

聞かれて、「…ん？」と固まったわたし。

写真が好きだけれど、どうしてなのかと聞かれると分からない。カッコよく言えば気の赴くままに、インスピレーションに任せてシャッターを切ってるだけで、
写真を通して何を伝えたいのか、どうしてこの写真を選んだのか、ちゃんと伝えることができない自分に気がつきました。

お店を出してまでいるのに、お恥ずかしい話です。

どうやったら自分の作品を見てもらえるか、手に取ってもらえるか。もちろん印刷して形に出しているものは無作為に選んでいるわけではなくて、自分の中でも選んで、気に入って、これはと思うものを出しています。

でもわたしが気にいるものと、見てくれる人が気に入ってくれるかは別の話。まして撮影した当の本人がその写真に対する愛を語れないのなら、見てもらえなくて当然だ、と気がつきました。
もちろん好みは人それぞれ。でもわたし自身がまずその写真をちゃんと理解して、そこに込められた想いを汲み取って伝える橋渡しをしてあげない限り、自己満足の小さな狭い世界から、写真は飛び出していけない気がするのです。

お店の写真もそう。不安と自信のなさを繕うようにそれっぽい写真を撮って載せていたけれど、
せっかく形になった写真たちのいいところをわたしが伝えられていない、作った当の本人が台無しにしているような気がしてきたらとてもとても恥ずかしくなって。
それから、わたしはこの写真たちを可愛がれているかな、この写真たちの思いをちゃんと届けられているかな、そう自問自答を繰り返しています。

これまたお恥ずかしながら、写真のことはどこかで勉強したわけでもなく、独学の自己流です。
それが決して悪いことではないはずなのに、自分で自分の首を絞めてしまっているような気がします。

写真が上手くなりたいと思い、写真展に応募する写真を選んでいても、その写真は何を伝えたいの？どうしてそのタイトルをつけたの？と聞かれるとまた言葉が出てこない自分が情けなく思います。

伝えるって難しい。愛が伝わる伝え方は難問です。
もしかするときっとこれは答えが見つかるようで、ずっと探し続けないといけないものなのかもしれません。

聞くに耐えないお恥ずかしい話を綴ってしまいましたが、まずわたしがすべきことは、お店に並べた写真たちの想いをきちんと伝えられるような写真を撮ること、言葉を並べること。
表現する難しさと面白さと楽しさをちゃんと知っている、そんな人になりたいと今思います。

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