祝・卒業ーすべてのClass of 2020に幸あれ
5月もあと少しで終わろうとしています。ここアメリカでは5月は卒業シーズン。ハワイの卒業式といえば、ガウンに四角いキャップを身に着けた卒業生たちが、カラフルなレイを顔が見えなくなるくらいたくさん掛けられてお祝いされる姿が印象的です。
晴れがましく華やかなその瞬間は、本人はもちろん家族や友だち、ご近所さんまで含めて、みんなにとって特別なもの。とくに高校の卒業式は、大人への第一歩を踏み出すセレモニーとしてめちゃくちゃ盛大に行われます。
そう、例年ならば。
高校の卒業式がなくなるなんて!!!!!
うちの息子はClass of 2020。つまり今年高校卒業の学年です。しかし、今年は新型コロナのせいで卒業式が中止になってしまいました。アメリカでは、高校の卒業は人生においても大きな大きな節目とされる超ビッグイベントなのに。そして、ハイスクール生活の大きなお楽しみである「プロム」も、卒業式の後にいろんな人がお祝いに駆けつけてくれて盛り上がりまくる「レイ・セレモニー」も、その後泊りがけでパーティーをする「グラッドパーティー」も、なにもかも中止。なにもかもキャンセル!!それどころか、仲良しの友だちと卒業を祝い合ってごはんを食べるという小さな楽しみすらも奪われてひたすら自宅にこもっています。
様々な方の尽力もあり、息子の学校では、卒業証書(Diploma)の授与だけは学校で行うことができました。が、当日は決められた時間に学校へ行き、ほぼドライブスルー状態でささっと校長先生から証書を受け取り、タッセルを右から左に移動して記念撮影だけ撮る…というもの。一人ずつ、間隔を開けて進んでいくので、ほかの友だちや先生とは会話もできず、もちろんハグも握手もできず。
そしてその一連の流れを動画で撮影していて、ネットでライブ配信されるという「オンライン・卒業証書授与式」のスタイルとなったのです。
もしかしたら着ることがないかもしれない…とさえ思ったガウンに袖を通し、キャップをかぶって写真を撮れただけでもありがたい。けれど、やっぱりこれじゃ寂しいです。学校によっては多少スタイルが違うらしいものの、大掛かりな卒業式は今年は全面的に中止(一部、私立の高校では卒業式を行うところもあるという話も聞いたけど…どうなのかな)。お祝いのために、友だちと集まることもできないし、卒業旅行だって今はどこにも行けない状態です。
このまま夏休みに突入し、8月末(9月かな?)に静かに大学生活がスタートするのかと思うと、なんとも切なく胸がキリキリする思いです。※ちなみにアメリカは卒業式は華やかだけど、入学式とか始業式的なものは一切ないんです。小学校も中学校も同じく。
母は切ない。でも、きっとあなた達の未来は明るいはず!
2年前に娘が高校を卒業した時、「次は息子だなあ。また号泣するなあ」と感慨深く思っていた私。(下は2018年、娘の卒業式の時の写真です)
まさか、2年後にこんな状況になるなんて夢にも思っていなかった。あんまり文句を言わない息子も、ぼそっと「なんかつまんないな」と。そりゃそうだよね、私があなたの立場だったら、苛立って泣き叫んでいるかもしれないよ。誰も悪くないけど、あまりに切ない。
でも。こんな特別な思いをしたあなたやあなたの同級生は、きっと絶対に強くなる。私のような世代が思いもつかないようなテクノロジーを味方につけて、様々な人達と一緒にいろんな楽しさを見つけて、幸せな未来もぐんぐん広がっていく。じゃなきゃ、嫌だ!だから今は、もうちょっと頑張って。
そして。今は実際に会うことができないけれど、ここまで支えてもらったいろいろな人に、心から感謝をしようね。