絵を描き始めたい方に紙とペンをおすすめする記事。
私が「絵うまになりたい」と日々嘆くタイプの人間だからか、ネット上でも私と同じく「絵うまになりたい」という方を見かけます。
今まで描いたことなかったけど最近絵うまになりたいと思い始めた、という方も見かけることがあって、「うおお負けるか!!」とも思うんですけど、それよりもっと言いたいことがあるので、今回はそれを。
もうはみ出てますけどね、タイトル通りです。
絵を描くの始めるんだったら、紙とペン(鉛筆)からの方がいいと思う。
時代的にもデジタルイラストが主流になって、youtubeで「イラスト 初心者」で検索すると出てくるのは当然のようにデジタル作画についてだし、「イラスト描き始めて○か月で~……」って方でしょっぱなからデジタルツール使う方もいらっしゃるけど、あれ罠だと思う。
デジタルツール……、すごく華やかでいろいろ機能あって便利そうに見えるしきっと実際便利だけど、それはキチンと使いこなせた場合の話で、本当に絵描いたことないという方にはハードルめちゃめちゃ高いと思うんですよ。
画力を手に入れよう!ってテンションなのに、そもそもツールに慣れるところから始めないといけなくて、「早く上手くなりたいのに!」って思う方には余計な追い打ちがかかる気がする……。
実際、ツールによって受ける心的影響って大きいと思ってて、私の場合はずっと使っていたSAIからちょっとCLIP STUDIOに浮気したときに、あまりの書き味の硬さにビビってしばらく触らなくなったし、板タブからiPad+apple penに切り替えたときも、感覚が違いすぎてiPad買わなきゃよかったかしらと後悔したりもしました。
お絵かき歴二桁年でこれです。いや長いだけなんですけど。
でもじゃあ初心者さんの受ける影響ったらとんでもないのではと思って。
そういうわけで、もしもね、ツールが合わなくて思った線引けなくてやり直しばっかりで目も疲れちゃったよもうイヤ!ってなっちゃうと悲しいじゃないですか。特に「あれ描けるようになりたい!」ってキラキラした動機で描き始めた人がそうなっちゃうのは。
なので、とりあえず最初のうちは、今までずっと慣れ親しんできた自分の手と、そこから直接紙に触れるペンの感触や圧力を感じながら描くのを私はおすすめしたいんです。液晶じゃないからずっと描いてても目痛くならないしね。
いいですよ、紙とペンは。
着彩や加工ができないので、形と陰影だけに注力できます。
……「形と陰影」、上手い絵の要素ってここに7割くらい詰まってると思うんですがどうでしょうか。
着彩は「らしさ」を足す作業で、描けるようになりたい!と思い始めた方にはそこまで重要じゃないと思うんですよ。質感や光の表現ができたらめちゃめちゃ格好いいですが、それはずいぶん高度なレベルの話です。アーティストの域……。
形と陰影がしっかりしてきて、ちゃんとイラストとして仕上げたいな!というタイミングでデジタルに触れるのがベストなんじゃないかな~と思ってます。
それくらい描けるようになった頃にはね、どんな絵にしたいかイメージも固められるようになってて、多少ツールに不慣れで思い通りにならないことがあっても、モチベーションは保ちやすい気がしますもの。
絵を描き始めたいと思っている方がもしこれを読んでいらっしゃったら、デジタルペンやデジタルイラストソフトを購入するのはちょっと待っていただきたいです。
要らないノートやコピー用紙なんかに思い通りの線や形が描けるようになるまではアナログでこねくり回した方が、結果的には絵うまへの近道になると思います。
紙とペンならお絵かき以外にも使い道あるし。一回くらい挫折しちゃってもダメージ少ないです、きっと。
なんだったら、文字なら絶対アナログの方が書きやすいですもの。そのくらいデジタル化された書き味って違います。
……長々書いたわりに、上の二文で言いたいこと全部言えた気がしますね……。
追記:
今まさに読んでいる、よー清水さんの「絵がふつうに上手くなる本」、絵うまを志したあの頃に読みたかったなあと思うくらい、絵うまへの近道が分かりやすく書かれているのでご紹介します。
分割模写やってれば模写嫌いって言ってなかったかも。