ラグ馬鹿Rickyの週末のラグビーレポート誇りをかけて熱い火花がぶつかり合う 大学選手権4回戦 近畿大学 vs 慶應義塾大学@秩父宮(2021.12.18)編
先週くらいからそれまでの暖かさが嘘のように冷え込みが強くなりはじめ
お陽さまは出ているものの真冬の寒さを感じさせる
冷たい風が吹く中この日は近畿大学と慶應義塾大学という
意地と誇りをかけた西と東の戦いが秩父宮で行なわれた
近畿大学は久しぶりの大学選手権出場というのもあってか
練習の時からやったるぞという氣迫がみんなからビンビンに伝わってくる
一方の慶應もここ数年悔しい想いを重ね
今年こそなんとしても笑って年越しをしたいところで
そのためにもまずはこの試合に勝って準々決勝に進まなければならない
本来であればもっと大勢のファンたちに見守られプレイしたいだろうが
残念ながらスタンドにはかなりの空席がみられる
しかし挑戦者たちはそんなことを氣にしている場合ではない
学生スポーツは特に一戦一戦がとても大きな意味を持ち
4年生にとっては試合に負けた時点で
ラグビー人生自体に終止符を打つという生徒たちも少なくない
いろんな想いを抱えながらグラウンドを駆けぬける若者たちの
運命を決める80分がホイッスルの音とともにはじまった
互いの攻めようという氣持ちが強すぎるのか
スクラムでの反則が重なり
レフリーから両チームのフロントローたちが何度も呼ばれている
スクラムはただ強く押せばいいというわけではなく
両チームが互いに息をあわせて組み合わなければ成立しない
自分らの強さを出しつつも相手との調和も必要とされる
なんとも奥深いものだ
それだけにスクラムの優越を左右するともいわれる
最前列でコントロールするフロントローと呼ばれる三人たちは
特にスクラムに対してのこだわりも強い
お互いに攻め続けいいところまでいくが
あと少しのところでトライラインをどうしても越えることが出来ず
両者にとって苦しい状況がつづく
しかし両者の均衡を破ったのは慶應
近畿の反則で得たペナルティーゴールだった
ゴールラインまでそれほど遠くなかっただけに
トライをとりにいくのかと思いきやここは手堅く3点を取りに来た
接戦になることを想定し確実に取れる時にとっておこうということだろう
そのあと近畿も何度も攻め入りいい攻撃を続けるものの
あと一歩のところでトライラインがなかなか割れず
選手らにとってもはがゆい時間が続く
多くの仲間の想いを背負いながらグラウンドに立つ選手たちと
想いを託しながらスタンドから仲間の名を呼び鼓舞する選手たち
同じ釜の飯を食べ 苦しい時も共に汗を流し
ここまで一緒に戦ってきたものの
卒業するまで念願のジャージに袖を通して戦えない者も大勢いる
後方から聴こえてくるそんな仲間たちの声が私の耳に届くたびに
胸が熱くなり視界が涙でくもる
そういった仲間の声援がグラウンドで戦っている選手たちにも
届いたのだろう
ギリギリのところまで攻め込まれていた慶應も
ジャッカルが見事に入り歓喜の雄たけびをあげ窮地をしのぐ
近畿もいいところまで何度も攻め立てるがあと一歩のところで
トライラインを割れない
結局前半は慶應が先制したPGのみで
僅差のまま勝負は後半にもつれこんだ
後半に入ると立ち上がりすぐに慶應が先制のトライ
そのまま勢いに乗って一氣に引き離したい慶應だが
近畿もこのまま黙っているわけにはいかない
コチラも負けじと反撃のトライを挙げ3点差に
試合はますますおもしろくなってきた
そのあとも両者の攻防は続き
一つのミスや判断が大きく試合を左右しそうな緊迫した展開だ
近畿は怒涛の攻撃で幾度となくチャンスを掴むも
なかなか得点に結びつかない
時計の針は刻々と進み残り時間はあと2分少々
この時点で点差は3点で慶應のリード
そんなとき慶應がハーフウェイ手前でペナルティをおかす
近畿にとって絶好のチャンスがやってきた
残された時間はあとわずか
ここで近畿はPGを選択し勝負に出る
ゴールまでは50m以上もあるこれが決まれば同点
もし同点のままノーサイドとなれば延長戦ではなく
トライ数の多い方が準々決勝へ進むことになるため
2トライをあげている近畿が慶應の1トライを上回り
準々決勝へ進むことになる
女神はいったいどちらへ微笑むのか
みんなが見守る中ボールは惜しくもゴールポストをそれていく
その後もあきらめず近畿も攻め続け望みをつなげるが
なんとその途中で痛恨のスローフォワード
その時点でノーサイドを知らせるホイッスルが鳴り響き
その瞬間慶應のみんなに笑顔がこぼれる
なかなか苦しい試合ではあったが
慶應が無事準々決勝進出を決めた
取れる時に確実に得点を挙げておくという
最初のかたい選択がやはり最後で大きな意味を持った
近畿も敗れはしたけれども
最後まであきらめることなく勇敢に立ち向かい
熱い勇姿をみんなに魅せてくれた
本来なら準々決勝も引き続きグラウンドで応援したかったが
残念ながら私は行くことができなかったため
結局この試合が私にとっての今季最後の大学ラグビーとなった
たしかに観れない無念な思いもある一方
例年目の前で悔し涙に濡れた顔を見て
それが最後になるというのを何度も経験していて
その姿がいつまでも記憶に残るからそれはそれで心苦しいのもあり
みんなが笑顔でグラウンドを去っていく試合で締めくくれたのは
もしかしたらある意味よかったのかもしれない
念願の年越しをして国立に戻ってくるのを祈っていたが
結局このチームでの戦いは準々決勝がラストとなり
再びこの姿を観ることは出来なくなってしまったが
いつの日かきっと後輩たちがみんなの想いを形にして
満面の笑みを讃えてかえってきてくれることだろう
勝負だからもちろん勝ち負けも大事ではあるけれど
それ以上に大切なこともたくさんある
本当の戦いはここからが本番
その先にある未来を見ながら
一生に一度しかないこの青春の日々を
おもいきり楽しみながらチャレンジして
どんどん力強く突き進み切り拓いていってほしいと思う
そして新たなステージでのみんなの活躍を楽しみにしながら
今季の私の大学ラグビーは終わることにしよう
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