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HEAD PHONES PRESIDENT ロックミュージカル『COLORS』出演後記3

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歌ってみたら「あれ?こんなはずじゃ…」の正体とは

あらかじめ生演奏を録ってもらった曲「Too Short 」の音源に合わせて、意気揚々と歌の練習を始めた私。

イントロが始まり、いよいよ歌唱ぞ!

♪えーぶりぃば……

ん?

あ?

え?

ええええええええええええ!?

なんだこの体感したことないノリは。
もたるでもない、ギリギリ後ろに幅寄せした拍の取り方。
これがHPP の重厚感の源か。興奮にいざなう核か。

聴いているだけでは気付かなかった、HPP 独自の拍の攻めかた。同じく拍のギリギリ後ろに攻め入るメロディー。

とてもじゃないが、さらりとさらう程度では歌いこなせない。

「HPP すげぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!」

耳の肥えたコアファンの皆さまからすれば「今さらかよ」な感動かもしれない。

だけど、自分で歌ってみるまで、これほどまでに唯一無二のサウンドメイクがなされていたことは分からなかったというのが本音だ。

いや、サウンドメイクというより月日が生み出したメンバーの呼吸だな。呼吸が生み出すノリだから唯一無二なんだ。(偉そう失礼。個人の感想です)

……あ(我に返る)

なーんて感動してる場合じゃない。
これを本番で歌うんだぞRickyさん。
大丈夫か?

といっても、大丈夫もくそもないので、リズムが体に馴染むまで歌い込むしかないのだ。

いよいよ生演奏で歌合わせ!

そして、いよいよスタジオで生演奏に合わせて歌うことに。

いつもライブで客席から見て聴いている曲が、このときは私の背中で鳴っていた。

「ひゃー!かっけー!」

ぞくぞくしていたが、「興奮なんてしてませーん」な顔をして歌い始めた。

わん、つー、すりー、はい!(心で)

♪ Everybody……

あー!もー!
気持ちいいがすぎるぅぅぅ。

まったく同じタイム感とはいかないが、まだ微調整が必要な点はあったが、スタジオでは気持ちよく歌わせてもらった。

というか、まったく同じじゃだめなのよ。
私は完コピしてものまねすることを求められているわけじゃないから。(たぶん)

彼らの唯一無二をリスペクトしつつ、私は私の役として歌う必要があったから。

そんなことを深く考える機会をくれたのも、HPP の曲だからこそだね。

私は他にも、「True Colors (Lost Place)」「escapism」や「For You(アカペラバージョン)」を歌わせてもらったし、舞台中では絡みがない出演者さんたちにも稽古中に沢山のことを教えてもらったが、この辺りの感想は、本番の回想の後で書こうかな。(いったい何話まで続けるつもりだ自分)

そしてすべてのリハーサルが終わり、ついに本番へ!

次回へ続く


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