見出し画像

GPT-4(Custom instructions)で小説を書いてみる。

X(旧:Twitter)でとても素晴らしいプロンプトを見つけたので参考に作ってみました。維嶋津様、ありがとうございます。

1. Custom instructionsの設定

Custom instructionsで「ChatGPTに何を知ってもらいたいか」、「ChatGPTにどのように回答してもらいたか」設定します。

Custom instructionsはChatGPT Plusの機能です。
下記の画面は2023年8月17日現在のものです。

(事前情報)What would you like ChatGPT to know about you to provide better responses?

目的は短編小説を書くことです。あなたはあらゆるスタイルの文学表現ができる芥川賞受賞者です。

(出力方式)How would you like ChatGPT to respond?

ユーザーの要望をよく読み、理解できるようにまとめてください。そして、リクエストに応えるために必要な要素をリストアップしてください。

※一度すべて英語で設定して生成しましたが、日本語にしてもあまり精度に違いがなかった(というより、クセが強くて翻訳しても日本文学には程遠い内容だった)ため日本語で進めます。

2. 対話

大まかな流れは以下の通りです。
(1) もっとも良い品質が得られる提案をさせる
(2) 改善点を見つけるよう指示する
(3) (1)と(2)のどちらがいいか選ばせ、最終案を提案させる
(4) 具体的な文字数や条件を指定する

以下にプロンプトを載せますが、大体の場合においてChatGPTから得られる結果は同じになると思うので省略します。

(1) もっとも良い品質が得られる提案をさせる

  1. 大衆文学を書いてください。

  2. 必要な要素については、各自で適切なテーマを選んでください。ただし、「日本の図書館」と「情報」の要素は入れてください。それでは、最初の提案をお願いします。

(2) 改善点を見つけるよう指示する

  1. 提案書をよく読み、この提案で本当に正しいのか、それとも改善の余地があるのかを推察してください。

(3) (1)と(2)のどちらがいいか選ばせ、最終案を提案させる

  1. 改善点を考慮し、最終案を作成してください。また、前回提案より優れている理由を説明してください。

(4) 具体的な文字数や条件を指定する

  1. 最終企画書の内容をもとに、実際に小説を書いてください。私が「次へ」と言い続ける限り書き続けてください。一章が3000字程度で、具体的な情景描写や心情描写を盛り込むのが適切です。登場人物同士の会話を多めにしてください。芥川賞を取るような作品に近づけると高く評価されます。逆に、小説の本文と関係のない情報を盛り込むと、非常に低い評価になるので注意してください。

3. 出力結果

雨が降る街。古びた図書館の扉が開かれた。訪問者である岩田は、長い黒いコートを身に纏い、帽子を深くかぶっていた。彼の目的は何か、とても重要な情報のようだった。
「いらっしゃいませ、何かお手伝いできることは?」図書館員・美奈子は、笑顔で彼を迎えた。
「古い新聞があるか?」岩田の声は低く、少し震えていた。
「もちろんです、何年のものをお探しでしょうか?」美奈子の目には、岩田の緊張がちりばめられている様子が映った。
「昭和40年の冬。特に町の出来事に関するものだ。」
美奈子の心は少し重くなった。昭和40年の冬、それはこの町で忘れられない事件があった時期だった。
「かしこまりました、少々お待ちいただけますでしょうか。」美奈子は、深く息を吸い、古い記録室へ向かった。
記録室の扉を開けると、時の流れがそこで止まっているかのような静けさと重厚さが漂っていた。美奈子は、古びた新聞を一つ一つ丁寧に手に取り、岩田が求めた時期のものを探した。
その中で、彼女の目に飛び込んできたのは、あの日の新聞だった。未解決のままになっている町の古い事件。美奈子の心は、あの日の記憶とともに、わずかに震えた。
岩田に渡す新聞を選び終えた美奈子は、彼に手渡す前に、もう一度彼の顔を見つめた。
「何故、この時期の新聞なのか?」その問いは、美奈子の心の中で、ひっきりなしに響いていた。

岩田は受け取った新聞を目の前に広げ、一ページ一ページを慎重にめくり始めた。彼の眼差しは鋭く、何かを探るように紙面を透かしていた。
美奈子は彼の横で立ち止まり、黙って彼の行動を見守っていた。岩田の手元には、あの未解決事件の報道が広がっていた。一行一行を飲み込むように読む彼の目には、何か切ない光が宿っていた。
「あなた、この事件に何か関係が?」美奈子の声が、ふとした瞬間に漏れた。
岩田は一瞬だけ目を上げたが、すぐに紙面に戻った。「…なぜそう思う?」
「あなたの目。何かを求めているような、でも、何かを恐れているような…」美奈子の声は、彼の心情を探るように柔らかく響いた。
岩田は新聞を閉じ、深く息をついた。「私の父が、この事件の容疑者だった。しかし、証拠がなく、釈放された。それ以来、家族は町から白い目で見られ、私たちは苦しい日々を送った。」
美奈子の心が強く打たれた。あの事件の影響は、今もこの町のどこかで生き続けているのだ。
「町の人たちが忘れたとしても、私たちは忘れない。真実を知りたい。父の名誉を回復したい。」岩田の声は、決意に満ちていた。
「私もあなたを助けたい。この図書館には、まだ未発見の手がかりがあるかもしれない。」美奈子の目もまた、真剣な光を帯びていた。
二人は図書館の奥へと進み始めた。あの未解決事件が、再び動き始めることを、この古びた図書館の壁は静かに見守っていた。

図書館の奥深くには、長い年月の中で埋もれた資料や文献が保存されていた。岩田と美奈子は共に、真実を求めてその資料を一つ一つ丁寧に読み解いた。
時折、岩田の手が震えるのを感じ、美奈子は彼の苦しみを察した。だが、彼の目には前向きな力強さがあり、美奈子はその力に引かれていった。
「これは…!」岩田の声に美奈子が振り返ると、彼は古い手記に目を凝らしていた。それは当時の町の名士が書いた日記で、事件の裏側に隠された真実が記されていた可能性があると彼は感じた。
「何か見つかったのですか?」美奈子が急いで彼の横に寄った。
「この日記には、事件当日、目撃者がいたと書かれている。だが、その目撃者の証言は、なぜか警察には届かなかったらしい。」岩田の声には興奮が交じっていた。
美奈子の目も広がった。「それは重要な証拠になるかもしれませんね。」
「この手記によれば、目撃者は今も町に住んでいるはずだ。この人に会って、真実を確かめなければ。」岩田はすぐに動き出そうとした。
「待ってください、岩田さん。」美奈子が彼の腕をつかんだ。「私も一緒に行きます。この図書館に隠された真実を、私たちで明らかにしましょう。」
岩田は彼女の眼差しを受け止め、少しだけ頷いた。「ありがとう、美奈子さん。」
彼らは図書館を後にし、町の中で忘れ去られた真実へと足を進めた。不穏な過去と向き合う勇気と決意を胸に、新しい真実を迎え入れる準備が整った。
町の人々は彼らをどう迎えるのか、そして隠された真実は何なのか。この物語は、まだまだ深く、重く進んでいく。

岩田と美奈子は、古い手記に記された目撃者の名を頼りに町を歩き始めた。多くの扉を叩いては、否応なく閉められ、時には冷たい言葉を浴びせられた。それでも二人は決してあきらめず、真実を追い求めた。
ついに、ある老人の家に辿り着いた。名前と住所が手記に記された目撃者であることを確認し、彼らはその扉を叩いた。
扉が開くと、その中には白髪の老婆が立っていた。彼女の瞳は時を超え、遠い昔の景色を見つめているかのようだった。
「失礼します、あなたがかつて目撃した事件についてお聞きしたいのですが…」
老婆は岩田の言葉に驚いた様子で、しばらく黙って彼を見つめた後、ゆっくりと頷いた。「はい、私がその人。長いこと、誰にも話すことなくこの心の中に秘めていました。」
彼女は彼らを居間へと招き入れ、かつての記憶を語り始めた。
「あの日、私は窓からあの男を見ました。彼が事件の現場から逃げていくのです。だが、警察に話す勇気がなく…」
岩田と美奈子は息を呑み、老婆の言葉に耳を傾けた。
「それが岩田さんのお父さんだったのですか?」
老婆は首を振った。「いいえ、それは岩田さんのお父さんではありませんでした。」
岩田の心が強く打たれた。何十年もの間、彼の父は冤罪の烙印を押されて生きてきたのだ。
「私の父の名誉を回復する証拠が欲しい。お願いします、警察に証言してください。」岩田の声は切なく、美奈子も彼の思いに共感した。
老婆はしばらく黙って岩田を見つめ、ゆっくりと頷いた。「私の目撃した真実を、隠している意味はもうありません。」

老婆の証言が警察に受け入れられたことで、事件の再捜査が始まり、岩田の父の名誉回復への道が開かれた。岩田の胸中は複雑で、長い間抱えていた重荷が少しずつ軽くなっていった。
美奈子は彼の側で支え続け、彼らの友情はさらに深まった。二人は一緒に図書館で働き、他の未解決事件の真実も追い求めた。
しかし、岩田の父の事件はまだ完結していなかった。真犯人の正体とその動機。事件の背後に隠された更なる真実が、彼らを呼び寄せていた。
岩田は父の旧友や関係者に会い、真犯人についての手がかりを探した。美奈子は図書館の資料を用い、事件の背後にある社会的背景を解明した。
月日は流れ、彼らの努力が実を結ぶ時が来た。
「岩田さん、これです!」美奈子が興奮して古い新聞記事を差し出した。「真犯人と思われる人物の写真があります。この人物は…」
岩田の目が広がった。「この人は…!」
「そうです、あの事件で不利益を被った企業の元役員です。彼が犯人である可能性が高い。」
真実が明らかになり、彼らの心には勇気と確信が湧いていた。
警察への協力、関係者への取材、図書館での調査。彼らの努力がついに結実し、真犯人は逮捕された。
岩田の父の名誉は回復され、長い闘いが終わった。岩田は涙を流し、美奈子は彼の手を強く握った。
「ありがとう、美奈子さん。これもあなたのおかげです。」
「私たちは共に真実を見つけたのです、岩田さん。」
彼らは互いに微笑み合い、その後も図書館での仕事を続けた。未解決の事件はまだ多く、彼らの闘いはこれからも続く。真実を求める心、正義の意志は、いつまでも彼らを導いていくのだった。

4. 所感

うーん、文章としては成り立っているし悪くはないんですが、なんともふわふわした小説になりました。導入部分は惹かれるものがあったのですが、結局、岩田の父が逮捕された事件はなんだったのか、どうやって解決したのか、その核心に触れる前に物語は終わってしまいました。
急にダイジェスト版みたいに風呂敷を畳み始めましたね。

プロンプトがいけなかったんでしょうか。
うまく生成できた方がいらっしゃいましたら教えてください。

(追記)
すみません、時間について書くのを忘れていました。2本書いて30分ほどでした。

いいなと思ったら応援しよう!