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Sig-Score. #15 『ダイダンエンド』

こんにちは。Sig-Rick.です。YouTube、ニコニコ動画にてボカロPやってます。
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ということで楽曲解説やっていきます。今回は15作目、『ダイダンエンド』です。まだ聴いていない方は以下のリンクからどうぞ。↓

この楽曲は、「無色透名祭II」参加作品です。「無色透名祭II」には2曲出していて、そのうちの1曲が以前解説した『名も無き音楽隊』で、もう1曲がこの『ダイダンエンド』となっています。前作の『名も無き音楽隊』とはかなり真逆というか、Sig-Rick.っぽさの強いサウンドを目指しました。まあ割と好き勝手書きましたね、曲も詞も。リファレンスは…なんだったかな。

まずタイトルの『ダイダンエンド』ですが、これは造語です。大団円+endで、ダイダンエンドです。それと、このタイトルの英語表記は『Die Done End』です。どうせなら全て出し切ってから死んでやろう、という曲になっています。死ぬつもりは毛頭ありませんが。

曲についてですが、実は編成はめちゃくちゃシンプルなんですよね。ギター3本とベースとドラムだけ。それ以外はまじで何も入れてません。その分、ギターの荒々しさを前面に出しています。でも、シンプルながら展開はいつもより少し多めに盛り込めたと思います。疾走感のあるシャッフルビートを基盤として、ギターリフのユニゾン(と言っていいのかな?)だったり、レゲエ風味を意識した裏打ちだったり、Bメロのアルペジオだったり。この曲はギターに注目して聴いていただけると、面白いかもしれません。間奏のギター、いいな…。落ちサビの転調も、まあ上手くいったんじゃないかな。

詞については、たぶん過去1, 2を争うレベルで意味不明だと思います。たぶん。
この曲の世界観として、モチーフは舞台俳優です。タイトルの説明でも書いた「大団円」というワードも、舞台演劇(芝居や小説など)がめでたく丸く収まることという意味になっています。歌詞の中にも演劇用語っぽいのを結構入れているので、探してみてください。観劇エアプ人間なのでアレかもしれんけど。
こういう雰囲気の曲って、語感がかなり重要になってくると思うので、語感というか、韻を意識して書いた部分が結構あります。サビは特に語感を意識しましたね。
でも、ちゃんとメッセージ性を持たせたかったので、そこはBメロに任せています。

「いつか僕もあの人みたいに」
なんて憧れひとつ演じては
履き違えてる僕は愚か者!?

『ダイダンエンド』1番Bメロ

「演じる」というのは、いわば「自分ではない何か/誰かになりきる」ということだと解釈し、そこから憧れというワードを連想しました。誰かに憧れてその人の真似事をすることは、その人を演じていると解釈できるなあと。でも、それだけだと、憧れに近づいた気になってしまうだけで、実際はほとんど成長していないことがほとんどです。演じた先に何があるのか、どのような結末に向かうのか。それを見つけることが、憧れの本質なのかなあと、僕は思っています。
他にメッセージ性を持たせる場所といえば、ラスサビ前の落ちサビですね。

本当のところ僕はまだ拭いきれない涙を抱えて
押し殺したって耐えきれなくなって
また1人塞ぎ込むけど
無難に生きてきたつもりはない
色々思うことはあるけどさ
透けて消えてしまうその前に
名前を呼んでくれよ!その声で!

『ダイダンエンド』落ちサビ

弱い部分を見せたくないとか、不安にさせたくないとか、舞台上で強がることは多々ありますが、ほとんどの人はそうした負の感情を抱え込んで、押し殺しながら生きているんだと思います。でも、そういう人ほど、強い生き方をしていると思っています。顔も名前も分からないどこかの誰かに必要とされることで、また立ち上がることができる。そういう力強さを、ここに込めました。

あと、ここには、無色透名祭ならではの、ちょっとした仕掛けをひとつ仕込んでいます。
無色透名祭に出す動画には、白背景に黒字幕(特定のフォントのみ)、字幕を出す/消す以外のアニメーションは一切禁止というレギュレーションが課されます。逆に言うと、字幕の位置は自由なんですね。そのため、字幕の配置で少し遊んでいます。実際の画像がこちら。

無色透名祭II動画

縦読みで「無色透名」を仕込みました。無色透名祭って、曲のコンセプトをそういう方向に寄せるのは結構あるんですが、曲調的に全然そういうコンセプトじゃないもので無色透名祭ならではの遊びを入れたら面白いんじゃないかなあと思い、入れてみました。落ちサビはこの縦読みを軸に作詞を進めたのですが、上手いことハマってよかったです。

ひとしきり解説はしたかなあ。この曲は各々の解釈をしてみると、また面白いかもしれませんね。
ここまでお読みいただき、ありがとうございました。ではでは。

-Credit-
サムネイルイラスト:はきゅ 様

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