【ベストアルバム】 2024年ベスト10アルバム

はじめに

2024年1月から12月までに入手した109枚のアルバムとEPから上位10枚のアルバムを選んでみました。単純に月間ベストアルバムから10枚を選んだかと言うとそうでもなく、月間ベストアルバムに選んでいないものも3枚入っています。順位は付けていますが、昨年同様トップ3以外はほぼ順不同です。

2024年ベスト10アルバム

それでは10枚のリストとそれぞれのアルバムについての簡単なコメントを。

10.Sadness Sets Me Free (Gruff Rhys)

3日間でレコーディングしたアルバムはSuper Furry Animalsのエキセントリックさの残り香はなく、肩の力が抜けたメロウな内容。シンプルなメロディをピアノやストリングスで緩めにアレンジされた曲は肌寒い今の時期に聴くと仄かに暖かい。

9.Three (Four Tet)

クールだけど冷たくはなく、そうかと言えば暖かくもない、そんな明確に0と1を分けられないアナログ的なデジタルサウンドが特徴的な作品で、人肌の温かさを感じさせるストイックながらもオープンマインドなダンスミュージックがズラリ。

8.A Dream Is All We Know (The Lemon Twigs)

デビューアルバムの変態ポップぶりが発揮され、「無理をしていないイキの良さ」が戻ってきて5thアルバム。12曲34分というコンパクトながら、聞き終わった後の満腹感や満足感は充分。彼らを好きな人も知らない人も魅了できる内容。

7.Blu Wav (Grandaddy)

内省的なメロディ+霞がかかったアレンジはいわゆるドリーミーな音楽ではなく、もはや夢そのもの。ポップミュージックの領域にギリギリ踏みとどまった隙に溢れたアレンジが、聴いている側の自由なイマジネーションを大いに刺激する作品。

6.Mahashmashana (Father John Misty)

基本路線は変わらず、良いメロディに様々な音楽的要素をオーケストレートしたバックトラックに表情豊かなボーカルを重ねた内容は見事。2024年ならではの音という訳では全くないけれど、表現者としてのポジションは他の追随を許さず別格。

5.First Light (Jónsi)

ボーカルレスのため直接的な感情表現はなく、初期のSigur Rósのような狂気一歩手前のようなサウンドではないものの、アンビエントな雰囲気の中に込められた生気は際立ち、非常に饒舌に「しなやかな力強さ」を表現しきった内容。

4.Evergreen (Soccer Mommy)

前作で目立ったザラついたオルタナティブ寄りの楽曲は陰を潜めて、アコースティックギターを中心とした静かめの楽曲が増えたものの、バランス感覚が抜群の1枚。メロディの良さ、ボーカルの表現力、巧みなアレンジは飽きる要素ゼロ。

3.Ensoulment (The The)

四半世紀ぶりとは思えない前作からの連続性は一本調子か彼らしさか。地獄からの呻き声のような圧倒感こそ薄まったものの、いわゆるロックとは違うフォーマットのバックトラックに載せられるボーカルは説得力に満ち溢れ、相変わらずの迫力。

2.Only God Was above Us (Vampire Weekend)

これまで彼らの作品はイマイチ刺さらなかったものの、今回は初めて聴いたときからグサリ。一歩退いたような感覚と華やかな感覚が混じったザラついた手触りの楽曲群が良い感じで、適度にポップ感もそんな手触りにジャストフィット。良盤。

1. Songs of a Lost World (The Cure)

ここ数作のように漆黒の闇に落ち込んでいくような重さはなく、救いの残された重さが懐かしい。80年代後半〜90年代の彼らの音を思い起こさせる曲やも多く、長い間止まっていた時計の針が動き始めたような感覚に満ちた内容が嬉しい1枚。

おわりに

今年は何と言ってもThe Cureの完全復活に尽きます。昨年のベストアルバムはDepeche Modeの"Memento Mori"を選びましたが、2020年に入って80年代初頭に結成されたバンドが良い内容の作品をリリースしてくれるとか、もう胸熱です。

結局、ライブはWilcoとSONICMANIAの2つしか行けなかった訳ですが、職場の若者と雑談している中で解かれた推し活の重要性が妙に説得力があったため、来年は第一四半期だけで今年の倍のライブに行くことが決まってます。まずは、正月早々rockin'on sonic、翌月にはSigur RosNew Order、その翌月にはThe Flaming LipsCorneliusのジョイントライブです。見る方も、来る方もいつまで続けられるか分からないので、とにかく行けるライブは全て行こうと思います。

そして、来年はじめにはFranz FerdinandMogwai、そしてDovesのアルバムがリリースされる予定になっていて、年明けから推し活を満喫できそうです。Dovesは前作リリース後のツアーを途中で止めちゃったので、今回は何とか来日してくれると嬉しいのですが、もはや単独で人を集めるのも難しそうなのでフェスになっちゃうかなあ。

今年後半は更新頻度が異常に落ちましたが、来年もこんな感じでタラタラと音楽にまつわるクロニクルを垂れ流していきますので、どうぞよろしくお願いします。

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