【ベストアルバム】 2023年8月度
はじめに
昔話ばかり書いているのも何なので、毎月入手したアルバムの中からベストアルバムを紹介していきます。サブスクリプション&ストリーミングだと「毎月入手した」のはどういうことかという気もしますが、取りあえず「毎月ダウンロードした」を「毎月入手した」としています。
今月入手したアルバム
まずは、今月入手したアルバムとEPのリストからです。今月はEP2枚とアルバム8枚と枚数的にはまずまず。楽しみにしていたのは、Grandaddyが2003年にリリースした"Sumday"の頃のアウトテイク集、スコットランドのThe ViewそしてスウェーデンのThe Hivesのそれぞれ8年ぶりと11年ぶりとなるニューアルバム。どの作品も持ち味は感じられるけど…といった感じ。
Unreal Unearth(Hozier)
Sumday: Excess Bagagge(Grandaddy)
Exorcism of Youth(The View)
ヘルシンキラムダクラブへようこそ(Helsinki Lambda Club)
i 触れる SAD UFO(崎山蒼志)
The Holey Bible(Florry)
The Death of Randy Fitzsimmons(The Hives)
サマータイムシンデレラ(緑黄色社会)
The 3 Clubmen EP(The 3 Clubmen)
One Man Band(Miles Kane)
今月のScrobble
過去30日間にMacとiPhoneで聴いた音楽をLast.fmにscrobbleした回数のチャートも載せておきます。
Summer Sonicのライブストリーミングを見た余韻もあったのか、今月の1位は先月に引き続きはBlurの"The Ballad of Darren"。また、夏休み中で再生回数の絶対値は通常よりも少なめですが、GrandaddyとThe Viewが8月リリースの作品としては上位に食い込んでいます。あ、でもThe HivesやFlorryはもっと聴いたような気がするなあ。やっぱり、scrobbleのカウントの仕方が謎。
今月のベストアルバム
期待していたGrandaddy、The View、The Hivesにモヤモヤ感が残る中、崎山蒼志と悩んだ末に選んだHelsinki Lambda Clubの"ヘルシンキラムダクラブへようこそ"が今月のベスト。
彼らについては全く前提知識がなく、アルバムタイトルからもデビューアルバムと思ったのですが、今年デビュー10年目で3枚目のアルバムらしいとのこと。10年間で3枚しかアルバムをリリースしていないということもあるのか、多彩さながらも統一感があり、それでいて瑞々しさを持つという強力な楽曲群。
和と中をリゾート風の味付けで仕上げたような"Chandler Bing"があったかと思うと、肩の力を抜いた序盤からシティーポップ風に展開する"バケーションに沿って」やそれまで記号的だったボーカルに突如感情が入り込んだ"Horse Candy"など、奇を衒い過ぎない範囲で展開するカラフルさが最高に楽しい。
終盤でも"ベニエ"で超ノスタルジックなポップスを聴かせたかと思うと、クロージングトラックの"See The Light"ではゆったりとした序盤からテンポを上げて、ノイジーでスペイシーなギターでバンドの懐の大きさを見せつけるなど、「おもちゃ箱をひっくり返した」ではなく、「おもちゃを箱から取り出したおもちゃを整然と並べた」ような余裕を感じさせる佳作。
おわりに
8月はと個人的には地味目なリリースが続きましたが、9月は既にThe Chemical Brothers、The Folk Implosion、James Blake、Slowdive、Sparklehorseがアルバムをリリースしていて、後半にかけてもAshやTeenage Fanclubといった懐かしいところやWilcoといった有力どころの作品もリリース予定になっているので、お腹いっぱいの秋になりそうです。
SparklehorseのアルバムはMark Linkousの自死後に見つかった曲を再構築したもの。こういった作品は「墓を掘り返すようなことをするな」的な論調も出がちですが、Sparklehorseは大好きだったので、聴きたいという想いが強いです。