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【音楽遍歴】高校3年生のときの出来事④

はじめに

前回の記事では、高校3年生の12月に入院したときの出来事パート2として、入院生活の前半について書いたので、今回は後半について書いてみます。

相変わらず細かな内容は忘れ去っていますが、刺激的で楽しかった話だけをザックリと、そして多少取って付けた感はありますが、それにまつわる音楽についてサラリと書いてみます。

愛を語るオジサン

整形外科の患者は基本的に患部以外は健康体なので、入院生活も後半に差し掛かると正直暇です。受験生が12月に「暇」と言うのもどうかと思いますが、色々持ってきた参考書や問題集もこの頃にはすっかり「積ん読」状態になっていました。

12月にしては暖かい日、特に目的もなく、屋上に出てみました。ボーッと柵越しに外を眺めていたら、ヒゲ面で30歳少しくらいのオジサンが近寄ってきました。

「肩のケガですか?」と、そんなことから話し始めたような気がします。その内、何故だかそのオジサンに同棲している彼女がいること、最近あまりうまく言っていないことなどを一方的にカミングアウトされました。高校生にどう言って欲しかったのかは謎ですが、仕方ないので適当に話を合わせていました。

ひとしきり話した後、「彼女はお見舞いに来てくれるか?」と聞かれました。「付き合っている人は居ないし、一番来て欲しいと思ってる人は来てくれていない」と答えると、「まあ恋愛は中々うまく行かないもんだな」とまとめ上げられました。その後もしばらく話をした後、その日は「お大事に」と言い合って別れました。

クリスマスイブ、終業式帰りに見舞いに来てくれた友達を病院の玄関まで見送った後、ロビーのソファーに座っていたら、そのオジサンが歩いていました。オジサンも僕に気付いて、「おっ!」と言って近づいて来ると、「実は今日退院で、彼女が迎えに来てくれたんだ。兄ちゃんも、諸々うまく行くといいな」と言いながら、彼女と去ってきました。

隣に居た彼女は不思議そうな顔をしながら、僕にペコっと頭を下げて、オジサンに寄り添って歩いていきました。今思うと、一体何を見せられてるんだと言う気もしますが、何故かそのときはほっこりした気持ちになりました。クリスマスマジックでしょうか。

看護学生のお姉さん

クリスマスの数日前、看護学生のお姉さんと仲良くなりました。そのお姉さんは、僕の高校2年生の時の担任の先生が前に勤めていた高校の教え子だったそうで、カルテかなんかに書いてあった僕の高校名を見て、「もしかしたら」と思って声をかけてきたそうです。今だと個人情報漏洩で大問題になりそうですが、当時は僕も(そして社会も恐らく)何とも思わず、「キレイなお姉さんと色々話できてラッキー♪」とか暢気に思ってました。

お姉さんは実習を病気で何日か休んだので、3日間の補講にきたそうです。そして、これまた今だと問題になりそうですが、通常の実習期間と比べて忙しくないのか、色々と僕の身の回りのことをしてくれました。高校3年生の男子からすると、2、3歳上の女性は「優しくて素敵なお姉さん」という感じで、髪を洗ってもらったり、爪を切ってもらったり、身体を拭いてもらったりしている内に、気がついたら好きになってました(笑)

お姉さんからすると、僕は単に患者の1人なので、僕がどれだけ意識したとしても接し方が変わる訳でもなく、1時間に1回くらい僕の個室に来て、雑談したり、友達が持ってきてくれたお菓子をつまんで帰って行ったりというような感じでした。

そして、愛を語るオジサンの退院を見送って部屋に戻ってからしばらくすると、お姉さんがやってきて、「実習、今日までなんだ。お大事にね」と言い残して帰って行きました。一瞬で落ちた恋はすぐに失恋に変わりました。次の日くらいまではロスっぽかったですが、期間が短かったので立ち直りも早かったです(笑)

お姉さんに薦めた音楽

枕元にいっぱいカセットテープが置いてあるのを見て、「また後で来るから、そのときにオススメの音楽聴かせてよ」と言われたので、その年一番と言ってもいいくらいに頭を使って選んだのがOrchestral Manoeuvres in The Darkの"(Forever) Live and Die"とSpandau Balletの"Through The Barricades"でした。

「ありがとう、キレイな曲だね」と頭ポンポンしてもらって、ますます3日間の期限付きの恋に落ちていくのでした。残念ながら、ドラマでよくあるような展開には持ち込めなかったですが、楽しい3日間ではありました。しかし、こうやって書いてみると、お姉さん、小悪魔だよなあ。

おわりに

今回は高校3年生の12月に入院したときの出来事パート3について書きました。病院には色んな年齢の人がいるだけに、色んな出会いがあるものです。もう一歩進めていたら「入院して良かった」となるところでしたが(笑)

次回、あと一回だけ入院したときの出来事パート4として、エピローグ的なことを書いてみようと思います。

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