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【音楽遍歴】高校1年生のときの出来事②
はじめに
しばらく間が開いてしまいましたが、再び音楽にまつわる昔話を書き綴っていきます。前回は高校1年生の頃の部活について書きましたが、今回はちょっと甘酸っぱい(エモい)想い出について書こうと思います。
出逢い?
どういうキッカケでそんな風になったのかもサッパリ覚えていないのですが、高校1年生の7月頃に同じクラスの女の子と仲良くなりました。僕は極度の人見知りで、男女問わず仲良くなるまでのハードルが異常に高いのですが、何故だか彼女とは短期間で普通に話せる仲になりました。
学生は夏休みに入ると好きな子に会えなくなって悶々とする訳ですが、これもキッカケかは完全に忘れてしまいましたが、夏休みに入ってすぐに彼女と一緒に学校に行くようになりました。彼女は僕の駅の次の駅から乗ってきて、そこから電車で10分、駅から学校まで歩いて10分くらい、合計20分間彼女の時間を使える訳ですが、そのためだけに僕はほぼ毎日登校してました(一応、クラブという名目)。たまに帰りの電車が一緒になることもあり、彼女は自分の駅についても急行電車が通過するまでの数分間隣で座ってくれていて、発車する前に「ばいばい」って手を振りながら降りて行きました。青春だな。
そして、これまた何がキッカケかは全く覚えていないのですが、僕がオススメの曲をカセットテープに録音して彼女に渡し、彼女がその感想を手紙に書いて、彼女のお気に入りの音楽が入ったカセットテープを渡してくれ、それに対して僕が感想を書くというルーチンが始まりました。女の子から手書きの手紙をもらえるってのがブレイキンしそうなくらいに嬉しくて、手紙の中の、他人が読んだら単なる文字列にしか見えないであろう単語に色んな妄想を膨らませて、非常に楽しい夏休みを送ってました。行間を読むどころではなく、偏と旁の間を読むくらいの勢いでした。
その頃カセットテープに入れて渡したのは、さすがにEcho & The Bunnymenとかではなく、耳辺りの良いポップな音楽だったように思います。そして、彼女はNaked Eyesのことをとても気に入っていました。
別れ?
得てして、そんな楽しい日々の終焉は突然訪れます。彼女が他の男子と話をすることが多く(正確には目に付くように)なってきたのです。別に僕と話をしないとか、避けるようになったということはなかったのですが、「ああ、これは終わりなんだな」と勝手に結論を出して、少しずつ彼女を避けるようになりました。いや、本当はそんなことはしたくなかったのに、ひねくれ屋のくせにガラスのメンタリティという厄介な性格が禍して、彼女から話しかけられても巧く返せないことが増えてきて、そんな微妙な空気は当然彼女にも伝わり、全く話をすることがなくなってしまいました。
その当時の僕のテーマソングは彼女が好きだと言ってくれたNaked Eyesの「Promises, Promises」でした。
そもそも付き合っていたかどうかもハッキリしていないので、別れだったのかもハッキリしないのですが、この世の終わりみたいに落ち込みつつ、文字通り「カセットテープが切れるくらいに」この曲を聴いていた記憶があります。
後日談
その後、約30年経って関東居住者の同窓会のようなものがあって、彼女と再会しました。僕は少し遅れていったのですが、会場についてしばらくしたら、彼女が近づいて来て「私のこと、覚えてる?」と尋ねました。僕は「もちろん、覚えてるよ」と言った後に、一瞬好きだったことを言いそうになりましたが、そこは生まれ持っての根性なしのお陰で何とか言わずにすみました。根性なしが良いこともあるもんだ。
彼女は当時と変わらず「一緒に写真撮ろう」とか笑いながら話しかけてくれましたが、30年経ってもへなちょこな僕はぎこちない会話をするのがやっとで、少し話をしただけでそれとなく離れていき、あのときのことは迷宮入りが確定しました。
高校1年生の楽しく、辛かった3ヶ月間は、いまだに「あのとき勇気を出していたらどうだったんだろう」と思うナンバーワンの時間です。