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陰陽師に憧れて京都旅(その2)清浄な水に怒りが浄化される貴船神社
【意外なほどに広い京都】
(その1)で出張中に予定をドタキャンされた怒りのままに、貴船神社を目指すことになった経緯を書いた。
まぁ経緯と言っても読んでも意味がわからない流れで、とにかく感情のままに安倍晴明に憧れる男二人が、いきなり貴船神社を目指したのだ。
さて、その貴船神社だが、京都市の北部の山中にある。
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京都市は実は結構広い。
余談になってしまうが、2010年代最高のゲームと評価される「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」はフィールドがとんでもなく広いことで有名だ。しかし、その広さは任天堂本社のある京都市の広さと同じ、と聞いてびっくりした。
京都っていうと観光都市で少し小ぢんまりしたイメージがあるのに・・・
全国の市町村1741中59位だからかなり広い方だ。
【京都の奥地・貴船神社へ】
では、広い広い京都市の山中の貴船神社まではどう行くのか。
車が無ければ、叡山電車で近くまで行って歩くか、それともバスに乗っていくかしかない。
国際的観光都市・京都の中ではアクセスが悪いが、それが神秘性を高めているようにも思う。
京都駅から国際会館まで電車で行き、バスで貴船口まで行く。
京都特有の狭い道と人混みを見ていると思ったら、どんどん車窓の景色が深山幽谷に変わっていく。
バスから降りると、一緒に数人が降りた。
眼の前に「貴船神社 一の鳥居」がある。
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「舵取橋」とは、貴船神社を創建した玉依姫命の乗る船を見事に舵取りした神「舵取大神」にまつわるそうだ。
橋を渡って、神域へ足を進めるが、ここから結構歩く。
ただ、神さびた山川の中を歩くのはそれほど苦にならない。
夏だったら結構きついかもしれないが、師走の空気は気持ち良い。
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かの源義経が修行したことで有名な鞍馬寺への入口があった。
烏天狗と修行をしたという伝説があるが、ここの山域にはいてもおかしくない雰囲気がある。
そしてバス降り場から歩くこと20分強、とうとう貴船神社の参道入口に立ち至った。
【眼の前にあの有名な貴船神社への参道が】
そこには京都観光のポスター等で1度は見たことがあるだろうあの参道が見えた。
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朱色に塗られた灯籠が立ち並ぶこの参道。
この少し怪しい美しさこそが京都だと感じる。
さぁ、参道を進んでいこう。
【冷たい清水が湧き出る聖域】
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後輩に有名な参道に立ってもらって写真を撮ったが何故か合成写真のように見えてしまう。
貴船神社の御祭神は高龗神、水神である。
川だけでなく冷たい清水が湧いているのがわかる。
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【貴船神社の創建ー大阪湾から遡ってきた?】
創建について2つあり、一つは貴船大神が「国家安穏 万民守護のため 太古 丑の年の丑の月の丑の日に、天上より貴船山中中腹 鏡岩に天降れり」と宣って降臨したというもの。
もう一つが、約1600年前に玉依姫命(神武天皇の母)が「吾は皇母玉依姫なり。恒に雨風を司り以て國を潤し土を養う。また黎民の諸願には福運を蒙らしむ。よって吾が船の止まる処に祠を造るべし」と宣って、難波津(現在の大阪湾)から黄色い船に乗り、淀川、鴨川、貴船川と遡り、清水の湧き出る霊境吹井を見つけ祠を建てたとするもの。
この黄色い船を舵取りしたのが、途中の「舵取橋」に名を残す舵取大神であり、黄色い船から「貴船」になったとも言われる。
神武天皇の母神が、大阪湾から船でここまで遡上してきたとは、予想だにしない由緒で面白い。
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【「絵馬」発祥の地】
貴船神社は、全国どこにでもある「絵馬」の起源だという。
古来、晴れを願うときには白馬が、雨を願うときには黒馬が奉納されていたが、木の板に描いた馬が奉納されたのが絵馬の原型だと説明されている。
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【由緒ある22社の一社】
神社の社格に22社というものがある。神社はどこも尊いが、中でも国家的に大切な神社を、長暦3年(西暦1039年)に16社選定した。それから6社が加わり、22社となったのだ。
平清盛は自身の関わった厳島神社を入れて23社に出来ないかと要請していたが、果たせなかった。
貴船神社は当初の16社にも入っており、如何に尊い神社と思われていたのかよくわかる。
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天皇皇后両陛下をはじめ皇族方の幣饌料が納められていいることからも崇敬の度合いがわかる。
【脅威のアンガーコントロール力】
空気が清々しく、また静かで、目を瞑って耳をすませば川のせせらぎが聞こえてくる。
清浄な空気に満たされて、「誰だ!ここで丑の刻参りとか呪いをかけたヤツは!」と言いたくなる。
早朝は「てやんでい!ドタキャンしやがって!!」とブチギレていたが、今では「皆様が幸せでありますように🙏」と祈る賢者モードである。
聖地をお参りすると自分のことばかり考えていることが恥ずかしくなる。自分のことばかり考えるから怒りが産まれるのであれば、最強のアンガーコントロールとは聖地に来て祈ることではなかろうか。