昭和レトロとコーヒーと「青梅」(前編)
【東京にも田舎はある】
地元の知人や沖縄の友人に、東京に住んでいると告げると「へー、都会だね」と羨ましがられる。
たしかに23区は都会だろう。
狭いと言われる東京都の面積は2194平方キロ、その中で23区の面積は622平方キロ。
つまり、23区は東京のたった3・5分の1に過ぎない。
23区の人口密度は1平方キロあたり15708人と言われているが、東京都全体となれば6444人。
ごちゃごちゃと何が言いたいのか・・・つまり東京とは23区外の郊外が大部分であり、しかも人口密度の平均値を大幅に下げるくらいの田舎なのである。
【青梅に行かなイカ?】
沖縄でお世話になっていた先輩と4年前の年始(令和2年)、青梅に行くことになった。
沖縄は人情があつい人が多く大好きなのだが、冷静な議論ができないことが多く、伝統を大事にすることと圧の強さが併存していると思っていた。
ところがこの先輩は10歳年下の自分の話しをきちんと聞いてくれ、沖縄愛もバッチリ持っているのだ。おまけにいつもクリエイティブなことばかり始めているので面白い人だ。
その人がいきなり「青梅に行かなイカ?」と言ってきた。
年始ということもあり行くことになったが「青梅って聞いたことはあるけどどこだ?」と思って調べたら内心驚いた。
もはや埼玉じゃなイカ!
とりあえず新宿駅で合流し、自販機で売っていた麻婆スープを差し上げると、この困惑顔であった。
【レトロ推しの青梅へ】
おお、なんか駅の中からもうレトロな感じが出ている。
これもレトロなんだろうか。頭が半分破壊された犬っころのような立て看板があった。なんか切ない。
レトロと共に猫をおしているのが青梅らしく、往年の映画ポスターに猫を入れ込ませる独特の売り出し方をしていた。
【昭和レトロ商品博物館へ】
駅からすぐのところにある「昭和レトロ商品博物館」
こちらは大人でも350円で手軽に入ることができるが、誰もが思う「昭和レトロ」を体感できる施設。
中は割と狭いが、それもまた「昭和感」ということで。
あ~~「20世紀少年」とかで見た駄菓子屋だ。
もちろん紙芝居屋さんなんて見たことが無い世代だけど、体験したことはないのに懐かしく感じるのは何故だろう。
また、ここの2階はすごい。
あの有名な「雪女」コーナーなのだ。
小泉八雲の雪女は「武蔵の国、西多摩郡調布村」の百姓の語りで始まるが、ここ青梅がその舞台だというのだ。
夫婦となったあとに、約束を破った夫の前で正体を現すが、子供への愛情で殺さず消えていく雪女。日本のホラーの特徴である「怖い」だけでなく「美しさ」「悲しさ」がそこにある。
この雪女のあらわれた地で、その頃の部屋が再現されているので、面倒だけど2階にはあがって行きましょう。
【青梅赤塚不二夫会館へ ※今は閉館】
「昭和レトロ商品博物館」の隣には、「青梅赤塚不二夫会館」がある。
「天才バカボン」「おそ松さん」「ひみつのアッコちゃん」を生み出した天才漫画家・赤塚不二夫の美術館である。
漫画の神様・手塚治虫が住んでいたことで、憧れた漫画家が集まってきた「トキワ荘」の再現がされていた。
主な居住者が、手塚治虫、寺田ヒロオ、藤子不二雄、鈴木伸一、森安なおや、石ノ森章太郎、赤塚不二夫、よこたとくお、水野英子、山内ジョージともうすごい。
バカ田神社まであった。
どうでもいいことだが、私は沖縄で謎のおじいさんに電話で「お前はバカだ!バカ田大学を出たのか!?」といきなり怒鳴られて、思わず爆笑したことがある。
赤塚不二夫という人のなりと時代を感じることができたが、残念なことに私たちが訪問してすぐに閉館してしまった(´;ω;`)
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