「もやしっ子を御柱に!」ちょっとオカルトな中部の旅(その6)~象山神社で知恵を失う~
【前回までのあらすじ】
頭も顔も良いが、肝心な時に体調を崩しがちな「もやしっ子」後輩を野性味あふれる聖地・諏訪の巨木御柱まで育て上げようと、昭和のパワハラ親父精神で旅に出た。
諏訪大社を参拝すると、誰もいない暗闇で、誰かにぶつかる怪事件が起きたり、旅館自慢の風呂に入ると水風呂だったりとダメージが大きい旅となる。
「松代大本営」跡を出て、すぐ側の「象山神社」を目指すのだった。
【佐久間象山という人物】
佐久間象山の肖像はインパクトが大きい。とんでもない反骨心を秘めているように見え、ラスプーチンのようにも見える。
伝えられる身長175㌢と大男(江戸時代の男性の平均157㌢)で、炯々と光る目がフクロウに例えられた。
ここ松代で産まれ育った兵学者で、非常に先見の明があったことから坂本龍馬、吉田松陰はじめ様々な維新志士に師と仰がれた。妻は勝海舟の妹であり、松代藩主・真田幸貫が海防掛に任じられると顧問として支えたことからも、その優秀さがわかる。
私は「ぞうざん」なのか、「しょうざん」なのかずっと気になっていたが、「象山」を地元松代では「ぞうざん」、全国的に「しょうざん」と読んでいるようで、どちらも間違いではないらしい。
子どもの頃は悪童で知られ、「石投げ小僧」と怖れられたが、長じてからもその態度が生意気だと反感をもたれることが多かった。結果、河上彦斎(るろうに剣心のモデル)に木屋町で暗殺されてしまう。
象山神社の境内には、ゆかりの人物の銅像が並んでいる。
維新七傑の銅像
・橋本左内(門下生、25歳で安政の大獄で処刑される)
・勝海舟(義兄)
・坂本龍馬(門下生)
・真田幸貫(松代藩八代藩主、佐久間象山を見出した人物)
・佐久間象山
・吉田松陰(門下生)
・小林虎三郎(門下生の長岡藩士で「米百俵」の逸話が有名)
そしてレリフーフには「久坂玄瑞・高杉晋作・中岡慎太郎」が刻まれている。
【知恵もちを手に入れたゾ】
この象山神社では傑出した知恵で知られた祭神にちなんで「ちえ(知恵)もち」を頒布している。
しかも結構リーズナブルである。
「わたしゃ、知恵が足りませんからなガハハハ」と後輩が笑って「ちえもち」を受け取っていた。
アダムとイブが楽園から追放されたのは「知恵の実」を食したからと伝え聞くが、「ちえもち」はどうなのだろう。
この後輩は「推しの子」を知らず、「唖」だと思っていたほどの人物である。
話は先走ってしまうが、この後、車内に入れたはずの「ちえもち」は消えてしまう。
象山神社で「ちえもち」を手に入れたが、結局失ってしまった。なんとも知恵の足りない話しであった。
もうちょっと中部の旅は続きます。
次回
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「もやしっ子を御柱に!」ちょっとオカルトな中部の旅(その7)~「祖父の呼び声」「岐阜県民の歌」「栃の実せんべい」~