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角川武蔵野ミュージアムへ行ってみた(中編)ミュージアムの中に広がる古代エジプトの世界


【前編までのあらすじ】

小学生の頃に「ツタンカーメン」という名前を知っているマウントを取ろうとした私。しかし、「ツタンカーメン」という言葉は割と難しく「つったかたっっかめーん?」ととんでもない誤読が爆笑を誘ってしまい、ただの良い思い出になってしまった。

ツタンカーメンとは正しくは「トゥト・アンク・アメン」(アメン神に生き写しの意味)であり、アメン神かアテン神かで揺れた世界初の宗教改革「アマルナ改革」で「ツタンカーメン」だったり「ツタンカーメン」だったり、名前まで揺れた人生だった。

誰もが知っているツタンカーメンの知らざる一面を見ることができる「ツタンカーメンの青春」展(令和5年7月1日から11月20日)が開催していると聞き、予定があう先輩と一緒に訪問したのだった。

【ピラミッドパワーってなんだったんだろう?】

所沢は「となりのトトロ」の舞台だとよく言われて、かつては豊かな緑が広がっていたことを彷彿とさせる。
東所沢駅から角川武蔵野ミュージアムは、ちょいとばかし歩くのだ。

駅の地図

まだまだ残暑厳しい9月のこと。汗をかきかき15分ほど歩いていく。

「古代エジプトとかピラミッドとか聞くと、ピラミッドパワーとか言っていたの思い出すよね」と先輩が言ってくる。
「あー、ありましたね。あの胡散臭いやつ」

ピラミッドパワーの胡散臭い例。他意は無い

ピラミッドの形状に切れないカミソリを入れておくと、切れ味が復活するとか、胡散臭い広告を雑誌の裏側によく見た気がする。
「だから、ピラミッドって聞くとなんだか胡散臭い気がするんだよね」と先輩。
私とて小学生から、ムーブックスにハマった早熟なオカルトマニアだから、よくわかる。
古代エジプトは神秘的であり、それが故に胡散臭いネタが集まるのだ。

【マンホールに絵が!!】


角川武蔵野ミュージアムに向かう道すがら、マンホールを見て驚愕する。

安彦良和やすひこよしかず氏の「ヤマトタケル」の絵があるではないか!!

というか、日本武尊は古代の皇族なのに踏んで良いのだろうか・・・と踏み絵的な発想に陥る。

て・・・よく見ると、そこら中のマンホールに全部、二次元のキャラクターが描かれているではないか。

ライトノベルや漫画、このバリエーションは本気を感じざるを得ない・・・
すげえ・・・すげえぞ・・・
しかもLEDでこのマンホールは光るのだ。

【武蔵野坐令和神社】


角川武蔵野ミュージアムの前には武蔵野坐令和神社むさしのにますうるわしきやまとのみやしろが鎮座している。
この美しい名前の命名者は万葉学者の中西進氏(「令和」の元号制定にも関わったと噂される権威)だという。

神社を模した施設ではなく、手水もあり、御祭神を勧請した正式な神社なのだという。

本殿はかなり近代的

東京大神宮から天照大神、地元の本郷氷川神社から素戔嗚尊すさのおのみことを勧請し、二柱を「武蔵野坐令和言霊大神むさしのにます うるわしき やまとの ことだまのおおかみ)」と呼ぶのだという。
現代的な施設の中に蘇生された伝統の美しさに触れた気持ちになる。

【ひっくり返った城のような角川武蔵野ミュージアム】

あの写真で見た建物だ!
デカい!!そして異様だ!!
空から落ちてきて地面に突き刺さっているように見える。

近づくとその大きさに圧倒される

お・・・大きいです・・・


角川武蔵野ミュージアムのチケットは少しわかりにくい。
スタンダートチケット(大人1400円)だと主な常設展示を見ることができるが、特別展を見ることはできない。
特別展と他の展示をカバーしているのがKCM 1DAY パスポート(大人3100円)は少し割高だと思ってしまう。
でもワクワクしながら「ツタンカーメンの青春」展へ歩みを進める。

【ツタンカーメン王の王墓に入るアトラクション?】


さすがに特別展示は人気で、入場待ちの行列ができていた。
ただ、その行列の眼の前で、プロジェクションマッピングによる古代エジプト気分の盛り上げが行われる。

ディズニーのアトラクション待ちで見る映像のようで面白い。
そして「TOMB OF TUT ANKH AMUN(ツタンカーメンの墓)」と刻まれる入口から入る。
※「No.62」は、「王家の谷KV62」と呼ばれるツタンカーメンの墳墓のNo.のことだろうか。

遺跡の中に何があるのか、ハワード・カーターやカーナヴォン卿のようにワクワクしながら入っていく。

1922年11月、ハワード・カーターはスポンサー・カーナヴォン卿と共に、王墓の壁に穴を開けて中を照らして見る。
カーナヴォン卿「何か見えるかね」
カーター「はい。素晴らしいものが」

この有名なやりとりを追体験できるよう、穴を覗き込むスペースまである。

王墓を模した壁画の中を進んで行く。
お墓ということもあり、少し怖い。この若干の強さとワクワク感の融合がエジプトの魅力なのかもしれない。

副葬品のレプリカ

開けた部屋の展示スペースで、「ここは王墓ではない」と少しホッとするものの、所々が王墓を模した雰囲気満点の展示のため、やはりドキドキする。
王墓にお邪魔しているようなドキドキ感が拭えないのだ。

【ツタンカーメン王のマスクの周りで戯れる子どもたち】

有名なマスクのレプリカとその周りのプロジェクションマッピングで子どもたちが遊んでいた。
これも21世紀ならではの不思議な光景である。

【輝く副葬品のレプリカ】

副葬品のレプリカがかなり精緻にできており、ライトでキラキラ輝いている。
貴金属、特に金が惜しげもなく使われており、古代エジプトの力の強さを思い知らされる。
いつもおかしいなぁと思うのは、人類が採掘してきた金の総量は約18万トンでオリンピック公式競技用プールの3・8杯分の量しかないという説明だ。もっとあるんじゃないのかぁといつも疑問に思ってしまう。
古代エジプトの金だけで越えてないか?と思ってしまうのだ。
そして、この副葬品は美しいが、例えばカノポス壷にはミイラにした人の内臓をいれていたわけで、いろいろと考えてしまう。
自分だったらいくら綺麗でもあまり欲しくない・・・というかいらない・・・

【風雲親父アメンホテプ4世】

世界史で見たアメンホテプ4世の肖像のレプリカがあった。
近くで見ると予想以上に大きく迫力がある。
この親父の宗教改革の余波の中で治世を送ったのがツタンカーメンだった。

異端の王の息子として生まれたが故に、歴史から名前を消され、そのおかげで王墓が盗掘を免れるという皮肉な運命を辿った。

そんなツタンカーメンにも青春があったのだ。

【古代エジプト料理コーナー】

コラボ企画で古代エジプト料理コーナーが設けられていたが、さすがに食べなかった。
残念ながら妙に高かったのだ・・・・


【後編】に続く


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