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「恋の病」を治すために「熊野」へ(熊野旅その2)熊野三所神社
【前回までのあらすじ】
後輩の自称「恋の病」を治すために、年始に熊野へ向かうことになった男二人。アクセルを安定して踏めない後輩の運転に閉口しつつ、和歌山県の白浜に到着する。
「うぉぉぉぉぉぉ海じゃぁぁぁぁぁ」と青い海にテンションあがる野郎二人。
【不気味なイラスト】
「なんすか、あれ・・・」
建物の壁面に巨大なイラストが書いてあったが、人面猫のような青い生き物がこちらを見ている不気味なイラストだった。
「マジック◯ッシュルームやった人が描きそうじゃな・・・」と無茶苦茶失礼なことをつぶやく二人・・・
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【海と隣の森・熊野三所神社】
白浜に来たのは二度目で、以前現地の方から熊野三所神社を案内していただいたことがあった。
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熊野三所神社は、これからお参りする熊野本宮、那智、速玉の三社を司る熊野三所権現がお祀りされているので、スタートの地としては最適だ。
上記の地図を見ればわかるように、眼の前に海と砂浜が広がっているのに、こんもりとした森が広がる不思議な場所である。社叢(神社を取り巻く森、鎮守の杜とも)は鬱蒼としているのに、木の根元には飛んできた砂が広がっている。
創建は不詳とされているが、7世紀の斉明天皇が行幸(西暦657年)されて腰掛けられたという腰掛石の存在から少なくとも1350年以上前から存在するのだろう。
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【のび太の普遍性のある問題提起】
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1350年と一口に言っても、それがどれほど昔なのか考えると不思議な気持ちになる。
話が横道にそれてしまうが、大長編ドラえもん第一作「のび太の恐竜」で、のび太が「一億年ってどのくらいの昔?」と質問するシーンを見て、小学生の自分は目を見開かされるような心地がした。
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「のび太の恐竜」は私が生まれる前の作品で、ティラノサウルスが上半身を起こしてゴジラのように歩く。映画「ジュラシック・パーク」以降、上半身を地面と水平にして歩行する復元が主流になった。ただ、骨格から推測するので、これから復元はどう変わるかわからない。
ただ、恐竜の復元図が時代とともにどう変わろうとも、のび太の問題提起はいつの時代でも普遍的なものだと思う。自分の両親、祖父母と遡っていくと私の狭隘な脳細胞は処理限界を超えて悲鳴をあげ、「一億年」と軽々しく言えなくなる。「一億年」、もしくは「1350年」と言葉に置き換えるのは便利であるが、物事の持つ重みを知ることは大切だと考えさせられた。
話を戻すと、この「熊野三所神社」は白村江の戦いが起きる前には少なくとも存在したことになる。その頃から自分が見知らぬ人々がお参りしていたのだろう。
【古墳の時代にはすでにあった神社】
境内には火雨塚古墳(ひさめづかこふん)が鎮座している。埋葬者はこの神社の縁者の方なのだろうか。7世紀の墳墓とのことなので、斉明天皇が行幸された時代は古墳が主流だった時代だったのか、と今さらながらその古さにカルチャーショックを受ける。
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火雨塚古墳の前でカップル(写真の二人)がはしゃいでおり、「あ、カップルや!」と後輩の「恋の病」が疼き出す。こんな低刺激で疼き出す病は果たして治るのだろうか。
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鬱蒼とした社叢は眼の前が海であることを忘れさせ、心が鎮まっていく。以前案内していただいた際も、この雰囲気に魅了されたのだった。(わかる方がおられたら嬉しいがKey作品「Air」のBGM「夏影」が似合う、古代とつながっている空気感があるのだ。)
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境内には昭和天皇の御座船が納められている。昭和4年といえば西暦1929年だから、斉明天皇の行幸657年から1272年後となり、皇室の長さを感じずにはおれない。
揮毫は226事件で暗殺された齋藤󠄁實。
この境内の中に多くの歴史が息づいているのを感じる。
さて、境内をお参りして、外に出ると、真っ青な海と砂浜が広がっていたのだった。
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後輩の「恋の病」はまだ癒えるどころかカップルを見てダメージを受けてしまう。
まだまだ続きます。(その3へ)
【後輩のライフポイント】
🔴🔴◯◯◯◯◯◯◯◯ 2/10
※かなり限界に近づいている。