「恋の病」を治すため「熊野」へ(熊野旅その8) ホテルサブマリン突撃編
【前回までのあらすじ】
後輩が年末に患った「恋の病」。なかなか良くならない「恋の病」を治すため、年始早々に蘇りの聖地「熊野」を目指す男二人。ただでさえライフポイントが限界の後輩は、カップルに遭遇したり、長時間の山道運転で疲弊していたが、蘇生伝説のある「つぼ湯」にて奇跡の復活を遂げたのだった。
【ホテルサブマリンまでの遠い道】
大回復を遂げたので音楽流しながら調子良くホテルサブマリンへ向かう。
それにしても周囲は真っ暗。道路の周りの光源が足りない。しかも結構遠い。
ナビでは1時間強で着くと言っているが、こちとらアクセルを安定して踏めない運転である。
「ウーン、ウワーン、ウウーン・・・ウワーン」(安定しないエンジン音)
とにかく励ましながら、南下する。
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【ホテルサブマリンの段差にぶつかる】
22時前に「ホテルサブマリン」に到着。遅れることはお伝えしていたが、もう辺りは真っ暗である。
「はー、やっと着いた!」と気を抜いた後輩が、サブマリンめがけて勢いよくハンドルを切る。
「ちょっと待っ」 ガシャーン!!!!
すごい音が響いた。暗くて見えなかった段差に車の前部がぶつかったのだ。
「あああああああああああ」
幸い大した傷ではなかったが、少しへこんでしまった。後輩もへこんでしまった。
つぼ湯でせっかく回復したのに、また絶望に打ちひしがれる。
おまけにホテルサブマリンの管理をしているおばちゃんが音を聞いて飛び出してくる。
「ああ、大変だ。でも傷がついたのは車だけだから、とにかくバックで駐車したらいいですよ」
ところが動揺しているからなのか、後輩はバック駐車ができない。何度も切り替えすが、ぜんぜんしっくり来ない。
「うわ~下手な子やわ~~~」とサブマリンのおばちゃんが結構大きい声で感想を言う。それを聞いてさらにへこむ後輩。
「すいません、駐車やってもらっていいですか?」
京都駅からハンドルを頑なに握っていた後輩だったが、とうとう運転席を譲ってくれた。
もちろんスイっと1度でバック駐車した。
それも追い打ちとなってさらに凹む後輩。
【酒飲んで寝る】
「こういう時は、パパッと酒飲んで寝よう」
おばちゃんが「風呂が空いてるから入ってください」と言ってくれる。
「つぼ湯」には入ったが数時間前なので、ありがたく入らせてもらう。
風呂上がりに自販機でビールを幾つか買って、「お疲れさん!」
「あ、瀬戸しおもあるんですよ」
瀬戸しおとビールの相性ばっちり。
少し機嫌が良くなって寝る。
回復したり、絶望したりの長い一日が終わる。
【窓から海の見える宿】
「ザザーン」「ザザーン」
ん、波音?
カーテンをあけると光が差し込み、眼の前に海が広がる。
夜明けの海だ!最高の朝である。
食堂に降りていくと、シンプルだが最高の朝ご飯があった。納豆もついている。いやー気分があがりますね。
皆さん「ホテルサブマリン」オススメです。
※ご予約はお電話0735723546まで
【地の力が吹き出た橋杭岩へ】
串本といえば奇岩、そしてトルコの軍艦「エルトゥールル号」遭難事件である。
とりあえず、「橋杭岩」に向かう。
海からニョキニョキと岩が立っているのが見える。
巨人が列をなしているようにも見える不思議な光景だ。
説明板によると1500年前の火山活動によるもので、泥岩の中に火山岩が貫入して固まり、後に泥岩だけが流されてこの奇景が生まれたそうだ。
こんな伝説もある。弘法大師「空海」が天の邪鬼と串本から沖合いの島まで橋をかけられるかどうか勝負をした。劣勢の天邪鬼は、弘法大師が橋の杭をほとんど作り終えたのを見て焦り、ニワトリの鳴きまねをして朝が来たと勘違いさせた。弘法大師は橋の杭のみを作って立ち去ったので「橋杭岩」と名付けられたとか。
日本中どこにでも伝説が残る「空海」はすごい。火山活動の結果の奇景であるが、湧く温泉は「弘法湯」と名付けられている。
さて、エルトゥールル号遭難事件の現場・大島へ向かうぞ
【後輩のライフポイント】
🔴🔴🔴🔴🔴◯◯◯◯◯ 5/10
「つぼ湯」で回復したが、衝突で精神的にダメージを受けてしまった。
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