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「熊野リベンジ!紀伊半島一周の旅」その7 新宮のジャングル「浮島の森」
【前回までのあらすじ】
クレソン後輩の希望に沿って、熊野を3年ぶりに巡ることになった私。3年前は回れなかったところを目指して、熊野リベンジに向かうのであった。
クレソン後輩の赤いヤリスクロスに乗り込み、1月2日の夜に名古屋から三重県津市に移動して一泊し、そして1月3日には本格的に熊野を目指すのだった。
発覚したクレソン後輩の頻尿癖はどんどん深刻になっていく。
そんな時限爆弾を背負ったまま、熊野三社の一角・熊野速玉大社と神倉神社にお参りして、恐怖の石段でヘロヘロになってしまった。
【「浮島」の奇っ怪さ】
「浮島の森」の「浮島」とは文字通り水に浮いている島である。
何を当たり前のことを、と思うかもしれないが、私達が普段目にする「島」とは水面上に出ている高地のことだろう。
土や岩石というものは案外重く、プカプカ浮いたりしないことは、「泥舟」という言葉からもわかる。
木は水に浮かび、石は沈む。小学生でもわかることだ。
伝説のアトランティスだって、瓜生島だって水没したということは水に沈んだのだ。
水に浮かぶ島なんてあるかい!と思うかもしれないが、そんな浮島がここ新宮市にはある・・それが「浮島の森」。
紀州藩が編纂した「紀伊続風土記」にも記述がある歴史のある場所だ。
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水に浮かぶ泥炭の上に植物が繁茂している。
昔はもっとプカプカ動いていたらしいが、戦後の埋め立てと都市化によって池が小さくなり、陸地に乗り上げている状態(船で言うと座礁)にある。
【浮島の森に興味を示さない頻尿後輩】
私がこのように「浮島」とは如何に奇っ怪な存在なのか説いても、頻尿後輩は「ほー」「へー」としか言わない。
よほどわかりやすい絶景にしか関心を示さないので、仕方ない。
「浮島の森」は110円の入場料を支払えば誰でも入れる穴場なのだが。
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管理事務所で110円を支払う。
事務所の中にはかつてプカプカ動き回っていた頃の「浮島の森」の古写真が飾られている。
こういう古写真は大好きだ。
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管理事務所を出て、沼の外側の道を歩いて「浮島の森」へ踏み込む遊歩道へ向かう。
外から見ても植物の密度がすごい。こういう状態を「鬱蒼」というのだろう。
植生は全然違うが、植物が入り乱れて我先に生きている様は、まるでジャングルのようだ。
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「蛇の穴」へ来た。
心優しい娘おいが、父のために箸の代わりとなる木の枝を取りに来たところ大蛇に引きずり込まれた伝説がある。
上田秋成はこの伝説をもとに雨月物語の「蛇性の婬」を書き上げた。そう思うと、由緒正しい史跡とも言える。
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折れた木の上に、違う植物が生えて、また枯れていた。
その生き様の貪欲さ、そして生と死を見せつけられているようで迫力がある。
和歌山は雨が多く木が生い茂っている様子から、かつて「紀伊の国」と呼ばれてたが、今でも和歌山の植物から溢れ出すような生命力を感じる。この「浮島の森」ではそれが色濃い。
遊歩道は少し不安定だが、これも「浮島」感が出ていて良い。陸地に乗り上げているとは言え、浮いている箇所はあるので、この浮遊感を楽しむのも良いだろう。
【狭い道注意!和歌山のスーパー オークワ】
頻尿後輩が「あ、そういえば熊野本宮大社で温泉入るって言ってましたけど、タオルって必要ですかね」と聞いてくる。
「そりゃいるでしょ」と普段からいざという時のタオルを持っている私。
「ちょっとオークワで買ってきていいですかね」と頻尿後輩。
オークワとは私も知らなかったが和歌山に本拠地を置くスーパーのチェーンで、浮島の森のすぐそばにあった。
しかし、道が狭い。ヤリスクロスのセンサーがピッピッピと警告を鳴らすほど狭い道で車と行き違う。正直怖い。
しかもオークワ新宮仲之町店の駐車場へのスロープはやたら幅が狭い。
まるで教習所のようだ。
落ち着いていれば全然問題ないが、初見だと焦る。ゆっくりゆっくり行ったほうが良い。
オークワの駐車場に停めると、昭和感のある建物の中にテナントとしてダイソーが入っていた。テナントスペースはまだ余裕がある感じで、昭和感のある施設も相まって地方都市感を堪能できる。
ダイソーでタオルを購入して、いよいよ熊野三社の一角・熊野本宮大社を目指し出発する。
その8へ続く
【後輩の頻尿メーター】
⚫️⚫️⚫️◯◯◯◯◯◯◯ 3/10
浮島の森の公衆トイレですませたので結構スッキリ。