カミサマのおはなし
この世界の説明
この世界は、後に神と呼ばれる存在によって作られた。
しかし、作ったのは地面と海、そして小さな二つの生命体。
この世界では数百年から数千年ごとに様々な出来事が起きた。
しかし、“ヒト”と呼ばれる生命体が誕生日して、
独自の進化を遂げ、他の生命体はヒトに支配された。
この世界には一つの国しかない。
しかし、大きな国であるため、様々な者がいる。
1
神は、たまに地上に降り、ヒトに問う。
最初の問いはいつも同じ。
「お前は今の生活をどう思っている?」
初めて問われた者は、急に目の前に現れた神が理解できず、
すぐにどこかへ行ってしまった。
その後、何度やっても皆逃げてしまう。
しかし、そのうち世界に“宗教”というものができ、
神が現れても、恐れず、崇め、そして神の問いに答えるようになった。
「お前は今の生活をどう思っている?」
初めて答えた者は言った。
「とてもいいと思っています。」
「それはなぜだ?」
「毎日、家族と作物を育て、それを売り、市で物を買う、それを毎日何事もなく続けられるからです。」
「毎日同じで飽きないのか?」
「この地域は王城に近いため、生活は安定していますが、遠く離れた地では、1日の食事ですら手に入れることが難しいと聞きます。それに比べたらこちらの方が幸せだと思っています。」
「そうか。」
そう言った後、神は消えた。
2
同じ地で数度問いかけた頃、なぜか皆同じことを言うようになった。
後でヒトの姿をして聞いているとこのようなことがきこえてきた
【最近神様が現れて、今の生活はどうか聞かれるらしい】
【神様の望んでいる回答じゃないと機嫌を損ねてそいつは消されるらしい】
【とてもいい生活だ、全てあなた様のおかげだ、と答えるといいらしい】
数日たたずにこの噂は広まったようなのだ。
神は少し困った。
自分が今聞きたいのはただヒトが自身の今の生活をどう思っているか、それだけだ。
正直に言ってもらわないと意味がない。
神はどうしようかと考えた。
3
結局、神が考えている間に、噂は消えたようだった。
まあ 念のため少し離れた地に移動することにした。
神は、それからはヒトには悪いが、『他の者に話したら天罰が下る』と脅すことにした。
実際には天罰などないので、神はこれでも少し不安だったが、他人に話すものはいなくなった。
ヒトは自分の身が大事なようだ。