思い出のチンポ(1)
普段冷笑ばっかしているツケでこのようにいざ文章を書くとなると客観的な視点をいろいろ想定してどう書き出せばいいのかよくわからんくなりますけど,もう観念して思いのままに書こうと思います.今回はある普通の少年が,なぜ限界淫乱ツイッタラーになってしまったのかという恐ろしい実話の,狂いだした原因となる甘美な同性愛体験について,一度自分の気持ちに整理をつける意味合いも含め,自己紹介的につづらせていただこうと思います.何の参考にもならん,自意識丸出しの冗長で稚拙な自分語りだとは思いますがまあ見世物感覚でどうぞ.
その少年は小学校のクラブチームがどうも下手過ぎてなじめず転々と,サッカー,卓球,将棋とどんどんインドアに傾倒していき,ただ勉強だけは取り柄で,もう一人クラスにいた秀才児とそこそこ仲が良く成績を競い合っていたのですが,そいつが中学受験でなんと名門私立の灘中学に行ってしまいまして(ちなみに彼とはしばらく仲良かったが,阪大医に落ちて浪人したという話のみ聞いて高3以来連絡していない)自分はというと奈良の馴染みの中学で,今の近所の友達と引き続き仲良くしたいし,どうぶつの森と妖怪ウォッチしたいし,親もそこまで教育熱心なタイプではなく受験勉強とかだるいわと言って,適当に進学先を決めたのです.ただ何となくその時点で,知性に対するコンプレックスは芽生えていたのでしょうか,反動として何か運動や肉体で補う必要を感じ,その中学では比較的強豪であった陸上部に入部を決めたのでした.その時一緒に入ってくれたのが「Sくん」でした.彼は小学校からの幼馴染で,家が近く家族ぐるみの付き合いもある,僕が進学せずにこの土地に残りたいと思った理由の一端を担った人物でした.
陸上部の生活はおそらく自分のマゾ気質と露出癖にマッチしており,なかなか元の運動センスの無さを鑑みればかなりの好成績を残していきました.ただ何より自分はとても本番に弱く,本番前は緊張から来る嘔吐感と戦うことに頭いっぱいで必死だみたいなありさまで,実際は情けなくとても自己肯定感は上がらなかったです.ちなみにこの悪癖は大学受験に至るまで尾を引き,壊滅的な誤算をもたらしてくれます.そしてSくんはというと,小学校はずっとテニスの習い事をしておりスポーツ万能で,陸上も自分と同じ長距離ですがどの種目でも自分よりずっと速かったです.また女たらしとして有名でもあり,小学校のころから何人も付き合ってる人がおり,中学になったらクラスでも2番目くらいに可愛い子と結構長くお付き合いをしながらも,いろんな女子に告白をされていたようです.僕が彼に圧倒的に勝てるのはやはり勉強であり,田舎の中学ながらも一生懸命に勉強に励み,上本町の塾などにわざわざ通わされても一向に成績の上がる見込みのない彼に日ごろの劣等感を晴らすような,薄ら快感を得ることが勉強の原動力になっていたことを思い出します.
家が近かったので,小学校のころから毎日彼を含めた5人くらいのグループで帰るのが定番であり,すっかりクラスとか趣味とか全員バラバラな集まりでその中でSくんともそこまで話が合うとか仲が良かったわけではないけれど,5人まとまって同じ話題をしながら帰るのが何となく小1のころからの定番であり,一緒にいるだけで安心感がありました.ほとんどしゃべらないような日すらありましたがそれでも慣習的にみんなで集合して帰って,それはなかなか暖かくて幸せな毎日でした.5人とも一人ひとり彼女がいたりスポーツが出来たり面白かったりと個性があり,自分のとりえは本当にその田舎の中学比では勉強ができるという一点に尽きていたので,ますます自分は強迫観念的に勉強意欲を持ち続けねばと,実際の世間的に見ればそこまで好きでも得意でもないのにアイデンティティとして囚われていくことになります.既に自分はバイセクシュアル的な自覚は薄っすらありましたが,当時はそんな概念もあまり広まっておらず,小心者で18禁サイトにアクセスできなかったのでそもそも性的な知識も乏しくおっぱいに関心を持ったり普通に同級生の好きな女の子とかもいましたが,無意識にSくんなど男友達にも惹かれつつあったのも事実でした.
そんな中,中2の夏が訪れ,陸上部はほかの中学や高校生などを交えた一週間ほどの陸上合宿に向かうことになります.自分はというと,初めてこんな大規模な集団に適応しまともに振舞うというタスクに適合できず1日目のランの途中でリタイアし,その後も練習には頑張って食らいつくのですが,神経質でプライドも高かったので離脱して迷惑をかけ,何より恥をかいたことがよほどショックだったらしく,たった数日で飯があまりのどを通らないほどのメンタルの落ち込みに直面していました.コーチは初めて見せるその落ち込みに動揺し,せめて飯の分の栄養を取っとけと買ってきてくれた栄養ドリンクの苦さを思い出します.あれは自分が生きてきた甘ったるい人生の中で初めて味わった地獄でありました.
※ここから先,性描写あり
ちょうど3日目の夜でした.その部屋はせいぜい8畳くらいのところに6人くらいが布団だけほぼ隙間なく敷き詰めて寝るだけというような部屋で,各々適当に寝る場所を決め,自分はたまたま一番角の端っこで隣がSくんでした.早めに消灯されて布団に入らされるのでまだ目が冴えており,しばらく皆バレない程度にこそこそ話したり笑い声が聞こえていましたが,徐々に話すことも無くなり,少しずつ口数も減ってきたかなというところでまだ元気が有り余ってるらしいSくんがこっちの布団に足を突っ込んで軽く,蹴りを入れてきました.顔を見るとニヤニヤしながらこっちを見てきます.彼のその,まぁいかにもモテそうな甘いフェイスで,少し唇が分厚いめなのが本人はコンプレックスだったらしいですが自分はその顔がとても好きでした.その蹴りに自分もそのまま応戦し,布団の中から太ももあたりに軽く蹴りを入れます.そんなことをグダグダとしてるうちに足が絡みあい,ふと足がSくんの股間に触れます.その感触に違和感を感じ,もう一度蹴るふりをして偶然を装い,股間に膝を押し付けます.今度ははっきりと硬いものが当たります.その頃の男子にありがちな,同年代の男根への関心,まだ性欲の汚さやら加害性なんてつまらない観念よりも純粋な喜びの発露としての観念,自分はマジかよ,と彼の股間をグリグリと膝で圧迫して刺激を加えながら,ニヤニヤと目を合わせました.彼は少し恥ずかしそうにしながらも無抵抗で,気持ちよさそうに体をよじらせます.3日目ともなると溜まっていたものもあったんでしょう.その時点で僕は彼の布団にほぼ入り込んでおり,彼も自分のものを押し付けながら,膝で僕のモノをグリグリ刺激してきました.共感覚的に,自分も気づいたらエレクトしており,彼もニヤリと目を合わせて,更に乱暴に膝をグリグリ押し付けてきました.そして何の躊躇もなく,僕のズボンの中に手を突っ込んできました.僕はこれでも,規範を重んじる優等生であり,周りに合わせて生きることを第一義にしてきたものですから,そもそも「自分のズボンの中に自分以外の人の手がある」という状態の背徳というか,倒錯感にあまりに酔わされてしまい,感じたことのない激しい興奮を感じたのを覚えています.けして周囲にばれてしまわぬよう荒々しくなる呼吸を整え,自分も彼のズボンに恐る恐る手を突っ込みます.小学校のころから保ってきた彼との微妙な関係性が,言葉を一切も交わすことなく目と目だけで急激な転回を見せるあまりの現実味の無さに,クラクラさせられました.
そしてこのお互いパンツの上から指先でいじりあうだけの膠着状態が,しばらく続きます.今となってはありえない純情ですが,その頃の感覚としてはパンツの中というのは段違いのハードルがあり,それを超えてしまえばいよいよ禁忌を犯してしまうような,もう戻れなくなってしまうような忌避感があったのです.パンツの上から男根の形をなぞるように愛撫していただけの手を,徐々に太ももへ伸ばし,肌の上をすべるように撫でまわし,パンツと素肌の際を意識させるように,肌とパンツの境界をなぞり,そしてボクサーパンツの隙間にゆっくりと指を一本ずつ入れ,手を突っ込んでいきます.まだ少ししか生えていない陰毛のチリチリした感触が手にあたり,そして男根に触れてゆきます.玉から順に上へ,恐る恐る,焦らすように彼のモノ全体を直に触っていきます.先はすでに少し濡れており,そのまま彼も,僕のパンツの中に手を躊躇なく突っ込んで,お互いに掌で全体を揉みしだくように触りあいました.一つそのハードルを越えてしまうと,もはや興奮はとどまることを知らず,僕は彼のパンツをずり下ろし,露になった男根を窓から薄っすら差す街灯の光に当てて子細に観察しました.彼のは右曲がりでしたがとても大きく太く,形も色もすべてにおいて完璧な,まさに理想的男根でした.そのまましばらくしごいていると,彼はすぐに射精してしまいました.急いでそのあたりにあったタオルで拭っていると,彼も僕のパンツをずらし,同じようにしごいてきました.彼の手遣いは大変荒々しく握る手も強すぎたため,しばらくしてもなかなかいけそうになく,いったふりをしてそのまま彼が寝てしまった後に,トイレで彼のを触った手の匂いを嗅ぎながらオナニーをしました.
そして翌日,6時に叩き起こされ慌ただしく朝練に向かう準備をしますが,その中で彼に昨夜のことを仄めかす会話をすると,スルーでした.まるで昨日のことは全て夢であったかのように.あまりの淡白さにショックを受け,僕はそれ以上掘り下げるのが怖くなります.練習はますます厳しさを増してゆき,夏の暑さに攪乱された頭の中で,僕はもはや昨夜のことは本当に自分の見た幻覚,あまりに都合の良い,現実離れしたひと夏の夢であったのではないかと本気で思い込むようになりました.その日の夜は彼はすぐに寝入ってしまい,自分も疲れていたのですぐに寝てしまいました.もしもあれが本当にあったことだったとしても,おそらく彼は無かったことにしようとしてるのだから,ひと夏の過ちとしてずっと二人の中に閉まってしまえばいいと,そう考えました.
続く