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研究会に参加して気をつけなければいけないと思ったこと

教員時代に同僚からある教育研究会に誘われました。同じ教科を担当する一年先輩の同僚でしたが、彼女がシンポジウムに登壇するというのです。現職教員の実践報告もあると聞いて参加しました。

最初に某大学の教授が「若い教育者へ」という演目で記念講演を行いました。彼は「人間教育」の重要性について熱く語っていました。続いて4人の若手教員が実践報告を行いましたが、彼らもやはり「人間教育」に言及していました。同僚が登壇するシンポジウムもテーマは「人間教育」で、「子どもの幸せ」について議論が行われました。

正直言って参加した私にはモヤモヤとしたものが残りました。記念講演で特定の宗教団体の教義が伝えられていたことが疑問でしたし、期待していた実践報告も私には参考になるものがありませんでした。そもそも「人間教育」の定義が曖昧で、「子どもの幸せ」についても何をもって「幸せ」とするのかが不明瞭でした。同僚が登壇したシンポジウムにもどこか違和感がありました。

会が終わって帰るとき参加者全員に立派な記念誌が配られました。それを見て私は初めて研究会が某宗教団体に関連する組織の主催だったことを知りました。会場のどこにも宗教団体の名称は示されていませんでした。

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思想信条は個人の自由です。その宗教団体も社会的に認められたものです。教育活動を熱心に行っていますが、問題がある団体かどうか定かではありません。でも、誘われるままに何も考えず参加したことを私は反省しました。そもそも同僚から誘われて研究会に参加したのは私の意志だったのですから責任は私にあります。

現在大きな社会問題となっている宗教団体のように世の中には注意すべき組織もたくさんあります。「研究会」や「シンポジウム」「セミナー」などの名を借りて信者を勧誘しようとする組織もあると聞きます。研修で派遣された財団で特定の政治家を支援するグループに誘われたという同僚もいました。保護者から宗教を薦められたことは私にもあります。

私が参加した研究会には勧誘などの行為ははありませんでしたが、不審に思ったことがひとつあります。帰りに受け取った記念誌を私はたまたまトイレに忘れてしまったのです。すると後日事務局から電話ががかってきました。「トイレに記念誌を忘れたのでは?」という連絡でした。私自身はその時まで忘れたこと気づいていなかったのでびっくりしました。それにしてもトイレに置き忘れられた紙袋が私の受け取ったものであることがなぜわかったのでしょう。おそらく番号か何かがふられており受領者を照合できるようになっていたのでしょう。でも記念品の行方にまで個人の情報が握られていることに不気味さを覚えました。参加者名簿に記載した氏名や所属先も貴重な情報として収集されていたのかもしれません。そう思うと安易に記入することにも躊躇してしまいます。どうやら教員にも「知らなかった」「認識していなかった」では済ませられないことがありそうです。

*ヘッダーの画像は記事とは関係ありません。


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