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【AJLT】多様性、気にしないのが、多様性。【SATC新章】

「And just like that」楽しく見ています。現在シーズン2まで製作されていて両方見ました。そして何度も見返しています。

シーズン2になって面白くなったという声もあるようですが、私はシーズン1の方が考えさせられるストーリーが多く、面白いと思います。

ところで、「AJLT」ですが、多様性を意識しすぎでは?と物議を呼んでいますね。

特にLGBT、人種問題が大きくフィーチャーされています。

①ミランダのセクシュアリティ変更について

結婚、子育て期間が長くなり、恋愛感情が家族愛に。自分人身の存在意義を確認したくなるというのは理解できるのですが、これまで女性に対して性的興味を全く見せていなかったミランダ。

ある種、本能や、生理的に感じるはずの性的嗜好がこんな突然に、急に変化する、なんてあるのでしょうか。

しかも、相手は男性的な感じのチェ。(ラテン系で人種的要素も含む)

シーズン1でミランダとチェが成就し、(これも不思議ですよね。有名人のチェが、いったいミランダの何に惹かれたのか???
ストーリー展開が乱暴・・・。

ししてシーズン2で破局し、次の恋の相手としてミランダは、カッコイイ系の女性アメリアにも惹かれます。(チェと全然異なるタイプ)

また、現在製作中のシーズン3では、ロージーオドネル演じる新キャラクターが登場し、またまた、新しい展開が示唆されているようです。

似たような雰囲気のある人物で、一貫性のある好みならまだしも、同じクイアでも、こんなにタイプの違う相手に毎回惹かれるというのはリアリティにかけるのでは。

もしサマンサがいたら、良い相談相手になってくれたでしょうに!

チェもよく分からないキャラクターですよね。多様性があるようでいてLGBTのステレオタイプを集めたようなキャラ設定です。

ミランダにとっては第一印象最悪で、その後、恋に発展するってまるで少女漫画みたいな展開。

とにかく、必死にLGBTキャラを出しておけ!!!

そんな制作陣の心の叫びを感じます。

②人種問題について

メインキャラクター3人が新たに友達になる新しい友人が揃いもそろって、全員有色人種っていうのも無理がありますよね(笑)。

リアルさが魅力だった「SATC」。同じ人種同士が仲良くなりやすい。人種によって社会的階層が分かれやすい。そんな現実も含めてドラマの面白さだったのでは。

アフリカ系アメリカ人キャラが多く新登場していますが、個人的には特に、キャリー界隈の新しい友達がツッコミどころが多い気がします。

まず、インド系のシーマ。

サマンサの代わり、、、ポジションなのでしょうか。好きになりたいけど、どう好きになったら良いのか分からないキャラです。

こんなに(良い意味で)ガツガツした結婚願望の強い女性が、ずっと独身なんて、現実感がないですし、せめて離婚歴があったほうが良かったのでは。

あと、キャラクター的に声優が合ってない気が・・・。もっとゴージャスキャラですよね、シーマって。(急いで吹き替え版を制作してくださっているということには感謝しています)

そして、謎のアジア系キャラ、ジャッキー。キャリーとチェのポッドキャスト仲間。

コメディアンなの?オシャレ番長なの?
一体なぜキャリー、チェと同格のセレブリティなの?

人物設定が謎すぎます。

キャリーが夜、気楽に電話をかけられるようになるほど、なぜジャッキーと仲良くなれるのか?

非友好的な言動をとる"差別"とは、別の概念ですが、アジア系の人間は、多くのアメリカ人にとって、"関心がない、興味がない"存在ではないかと思います。

アカデミー賞で、エマストーンがミシェルヨーを無視したのでは?と話題になりましたが、私の見解では、ガチで"気がつかなかった"のではないかと思います。あんな公の場で意図的に差別するわけがないと思いますので。

アジア人(黄色人種)って、肉体的にも小柄なことが多いし、基本的には瞳の色、髪の色が似ています。何かよほどインパクトがなければ、非アジア人には同じように見え、目に止まりにくいのではないでしょうか。

だから、キャリーにとっても別に好きでも嫌いでもない。自分の人生にとってあんまり関係のない人。ジャッキーみたいなアジア系男性は、そう認識されるのが自然ではないかと思います。

③20年以上前の「SATC」にすでに多様性があった

「AJLT」を観ていて痛感したのは、オリジナルの「SATC」の方が、よっぽどナチュラルに多様性を描けていた、ということです。

まず、サマンサが女性と付き合いますし、ゲイ男性のスタンフォードの恋愛模様も少し描かれていましたし、ミランダ、サマンサも黒人男性と自然な流れで恋愛に発展しましたよね。さらに、白人と黒人の微妙な距離感も描いていました。

「AJLT」は、多様性に配慮しすぎたあまり、かえってステレオタイプを押し付けてしまっている印象を感じます。本来、仲良くならないであろう者同士に友達ごっこをさせて。

また、LGBTのキャラを入れなくてはならない。
可能な限り実際にLGBT当事者に演じさせなくてはいけない。
リッチなアッパークラス、社会的成功者の黒人を描かなくてはいけない。

憧れの対象となる描き方をしなければならない。そんな風にマイノリティに気を使うって、逆差別なのでは?

「いろんな人がいるよね!いろんな生き方があるよね!」
その考えを前提に、多様性をあえて気にしないのが真の多様性なのでは。

この多様性押し付け問題は、最近のエンタメ業界全体で議論となっています。(最近では「9-1-1 LA救命最前線」シーズン7のバックの性的嗜好変更にもびっくらこきました!)

とはいえ!これらの問題も含めて「SATC」の世界線がこれからどう変化していくのか、シーズン3を心から楽しみにしています。


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