【SEX and 暴力】実はディズニー制作の映画たち
映画が始まる前に流れる映画会社のジングルやロゴが好きです。
20世紀スタジオ(旧FOX)のファンファーレや、MGMのライオン、パラマウントの山や、ワーナーブラザーズのマークなどです。
子供の頃、どう考えてもメジャーな会社の制作(人気スターが出ている、予算が潤沢な気がする、広告などのプロモーションに力を入れている等)なのに、見慣れないレーベルの映画作品群があり、このレーベル何なんだろう?と、とても不思議でした。
最たるものがタッチストーンピクチャーズです。
例
『天使にラブソングを』、『プリティウーマン』、『いまを生きる』、『アルマゲドン』等
次に、ピラミッドのスフィンクス?が登場するハリウッドピクチャーズ。
例
『ゆりかごを揺らす手』、『薔薇の素顔』、『エビータ』、『シックスセンス』等
個人的にはタッチストーンピクチャーズのロゴとジングルがおしゃれだなと思っていて、前期、後期で2パターンくらいあった気がします。石が光る感じの映像で、タッチストーンのロゴと、「タッチストーン」と口に出した時の語感の響きが好きでした。
反対に、ハリウッドピクチャーズは、何かB級感があり、子供ながらなぜスフィンクス?!20世紀FOXやMGMのバッタもん、ニセモノ感がすごい!(笑)と思っていました。(にもかかわらず、主要作品の出演がブルースウィリスやマドンナなど、なぜメジャーなハリウッドスターばかりが出演しているのだろう?と不思議でした)
結論から言えば、これら(タッチストーン、ハリウッドピクチャーズ)は、ディズニーが運営していました。
この事実を知った時はびっくりしましたね。
普通に暴力や暴言、ヌードなどが登場する実写映画もディズニーは創っているんだ!と知って。
レーベル発足の発端は80年代に入ったころ、子供向けのアニメーションだけでは収益に限界があると判断したディズニーが、ディズニーの名前を傷つけないようはじめた、覆面ブランドだったようですが、戦略としても見事ですよね。
総合エンターテイメント企業として、ディズニーブランドを守りながら、手広く拡大するという・・・。しかも、新興の映画スタジオレーベルなのに、多くの名作や映画賞を獲得する作品も排出している。
結果的に、ディズニーの名前を使ってもそこそこ暴力的なもの(パイレーツオブカリビアンなど)は創れる、そして20世紀スタジオを買収したことで、タッチストーンもハリウッドピクチャーズもブランドの必要性を失うことになりましたが、それでも私はこれらのレーベルが送り出した映画には好きなものが多いです。
その中でも、特にパンチ効いてるなーと思ったのが2つ。
『ゆりかごを揺らす手』(1992)と『薔薇の素顔』(1994)です。
『ゆりかごを揺らす手』は、日常生活に忍び寄る系サイコサスペンスの傑作。この作品以降、似たような系統の作品が量産されるきっかけになった気がします。現代でもたまに制作される、一見、普通に見える、美人で感じの良い人が実はやばい人だった系サスペンスの元祖では。
個人的な驚きポイントは子供に向かってFワードを言うシーンです。ディズニー映画にFワードが出てくるってかなりショッキングですよね。しかも子供相手に。
『薔薇の素顔』は、92年『氷の微笑』のヒットから一時的に流行った、エロティックサスペンスの流れを汲む作品です。
見どころはとにかくヌードやベッドシーンなどのエロティックなシーンが多いところ。何か、半分コントみたいな作品なんですけど、90年代半ばの雰囲気が感じられてたまに見たくなります。
ラジー賞(ゴールデンラズベリー賞)をとっている名作のひとつで、オチに気づかなければ、ある意味ミステリーとしても良作なのでは、と思います。
映画以外でもTV局ABCのテレビドラマも実はディズニー制作です。
『デスパレートな妻たち』、『LOST』、『グレイズアナトミー』等。
また、映画ブランドのミラマックスも90年代後半から2000年代にかけてはディズニー傘下だったので、この時期に創られた作品群も広義ではディズニー制作だったわけです。
『スクリーム』とか、ディズニーの対極で好きです。(笑)
原点だけに固執せず、マルチ戦略で攻める。ディズニーって本当にすごい企業だなあ、と思わずにはいられません。