「デス妻」に学ぶ、「真の友情、思いやり」とは?
『デスパレートな妻たち』で真の友情や思いやりとは何なのか、考えさせられるエピソードがあります。
シーズン1-16「スキャンダル」
このエピソードでは、登場人物たちは、様々なスキャンダルに見舞われます。
まず冒頭で、普通の主婦(に見えていた)メイシーは、実は昼間に自宅で売春行為をしており、おとり捜査に逮捕されてしまいます。
そして、ブリーは夫、レックスがメイシーの顧客であったことに気づきます。
しかもメイシーは、顧客の名前が書かれた秘密の手帳をもっており、それが公になるのも時間の問題だということを知るブリー。
マフィンを持って拘置所にいるメイシーに会いに行き、
「レックスの名前を消してくれない?私たち友達よね」
と頼みます。
メイシーは
「断る。夫が失業してお金に困っていた時、友達なのに、あなたは何もしてくれなかった」
と答えます。
ブリーは
「気まずいだろうと思って、話しかけなかったのよ」
メイシー
「無視されることの方がつらかった」
結局、ブリーの交渉は実を結ばずメイシーに啖呵を切って帰ることになります。
同時期、リッチでゴージャスなキャラ、ガブリエルは、金銭問題に悩まされます。
家の排水管が壊れ、水道が逆流。水回りが使えなくなってしまいますが、修理するお金がありません。
そのため、理由をつけては近所のトイレを借りることになります。プライドが高い彼女は、親しい友達にも相談できません。
メイシーとのいざこざがあった後のブリーは、ガブリエルに
「最近様子がおかしいけれど、どうしたの?ひょっとして経済的な問題でも抱えてる?もしそうなら、隠すことないわ、水くさい。私たち友達じゃないの」
と訊きます。ガブリエルは、
「あなただってレックスがメイシーのお客だったってこと隠してるじゃない?あなたは別格なの?」
と聞き返します。驚くブリー。続けてガブリエルは、
「いい友達は、みじめな時に見て見ぬ振りをしてくれる友達」
と言います。
ブリーは納得し、それぞれにお互いの悩みは気づかなかったことにして別れます。
ブリーとメイシーとガブリエル。トラブルの内容は異なるものの、共通するのは、知人が困っている時にどうするのが本当のやさしさか?ということです。
問題の度合いにもよりますが、人に知られたくないような悩みを知人が抱えているのが分かったとき、見て見ぬ振りをするのがやさしさなのか。
あるいは、自分が人に知られたくない悩みがあった時に、いたずらに心に踏み込まれたらどう感じるのか。
そもそも、人に対して良い行いをするというのは、例え相手のためになることであっても、一方的な自己満足になりがちです。
無意識にマウントをとってしまっているかもしれないし、プライドを傷つけてしまうことも考えられます。
私個人の考えですが、真の親切とは、相手に気づかれないようにすることではないでしょうか。種明かしや見返りを求めない、存在すら気づかれない"あしながおじさん"になることでは?と思います。(なかなか難しいですが)
数日後、ブリーは考えを改めます。
ガブリエルの家に赴き封筒に入ったお金を手渡し、こう言います。
「会員になっているカントリークラブに魅力がなくなってきたので、退会した。(←実際はレックスのことが明るみになり、居心地が悪くなったからなのですが)お金はもっと大事な人のために使いたい」
続けて
「ピンチを救うのがいい友達。もっといいのはノーとは言わせない友達」
ガブリエルは、感謝の表情を見せながらお金を受け取ります。
これ、とても良いシーンですよね。
本当に相手のことを考えてすることなら、つべこべ言わず、言わせず、善行する。
断る、という選択肢をあえて与えず、とにかく相手の力になる。
そういえば、「SATC」のキャリーとシャーロットにもお金に対する考え方の違いでひと悶着ありましたね。
"アパート頭金、シャーロット結婚指輪"事件(笑)
友情やお金について考えさせられるシーンがあるから「デス妻」や「SATC」は深くて面白いんですよね!