サイコ→ハロウィン→スクリーム

私は、『スクリーム』(1996)という映画が大好きで、初めて観たとき、それはそれは衝撃を受けました。

しばらく、離れていましたが、リブート版の『スクリーム』(2022)が公開されたのをきっかけに『スクリーム』熱が再発し、『スクリーム』に似てる映画を検索しまくり、いろいろと観ています。

が!

『エルム街の悪夢』を観ても、『ファイナルデスティネーション』を観ても、『パラサイト(The faculty)』(1999)を観ても、イマイチ面白いと思えず、(娯楽映画としてはどれも非常に良くできている)『スクリーム』シリーズの面白さを再認識するだけでした。

強いて言えば『サイコ』、『ハロウィン』シリーズは、『スクリーム』イズム(というよりもインスパイア元ですが)を持っていると感じました。

『スクリーム』をはじめ、これらの映画は何が違うのか?ということを分析しますと、まず

①非現実な要素が存在しない

同じホラー映画、サスペンスでも、宇宙人や幽霊、SFなどの明らかなフィクション要素が介在するものと、しないもの(現実的な人間のみが存在する)では、ジャンル分けとして明確な境界線があると思うのです。

もちろん、『スクリーム』にしろ、『ハロウィン』にしろ、かなり非現実的なストーリーなのですが、幽霊、超能力などの超人的な力はなく、あくまで、恐怖の対象は、人間となっています。

この構図は『デスパレートな妻たち』にも通じるものがあります。ありえないことが、現実世界という前提で起きる物語、という点で。

②主人公は普通の女性

『スクリーム』の魅力ってネーヴキャンベル演じる、シドニーの魅力も大きいですよね。

充分かわいいですけど、ジェニファーラブヒューイットのような完全無欠のかわいさではない。(この点でいえば、若き日のジェイミーリーカーティスもそうですよね。彼女の母である『サイコ』のジャネットリーは典型的な美人ですけど)

シドニーってツンデレヒロインNo1ですよね。大体、不機嫌そうな顔していますけど、たまに笑うとすごくかわいい。

『羊たちの沈黙』とかも面白いですけど、プロフェッショナルな職業の人ではなく、あくまで一般女性が恐怖のヒロインになるというのが親近感があっていいのだと思います。

③『サイコ』・『ハロウィン』・『スクリーム』

これらを踏まえると真の意味で『スクリーム』系統の映画は、『サイコ』→『ハロウィン』とステップを踏んで、つながっているのでは。
そしてこれら3作品は

『サイコ』人間が一番怖い、予想外の犯人、そしてスラッシャーものの元祖、誕生、黎明期。

『ハロウィン』人間が怖いの進化系。発展期。

『スクリーム』上記の流れを汲んだうえでのメタ要素と第4の壁崩壊、パロディ期。

と同じ系譜上に存在していると考えられます。

だから、その他の多くのホラー映画らは、ファイナルガールがいるということだけで、"『スクリーム』に似てる映画"などと、どうか名乗らないでほしい。
検索しにくいし、『スクリーム』的な何かを求めると、観た後でがっかりしてしまいます。

個人的に『スクリーム』系の映画と言えるのは、『サイコ』、『ハロウィン』。

そして、オリジナルの『スクリーム』以降では、『ラストサマー』、『ルール(Urban legend)』、『チェリーフォールズ』、『バレンタイン』、『ハロウィンh20』←(『サイコ』、『ハロウィン』、『スクリーム』のいろんな意味での夢の融合!)だけではないかと思います。

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